運が悪すぎる
二時間後
「見えたぞ。」
竜王がそう言うと、確かに建物がずらりと並んだ都らしきものが見えてきた。
城壁で囲まれ、上空には龍が見回りをしていた。流石は、龍と共に生きる国なことだけはある。
こうしてみると、白竜王の大きさが異常なのごわかる。他の龍が可愛くてしょうがない。王様にでもなった気分だ。
「けけ、ようこそアメラシア公国へ。」
竜と共に生きる国、アメラシア公国。一体どんなところだろうか。学園に行く前にちょっと買い物でもしたいな。
そこで、竜王に尋ねてみた。
「けけ、いきなりサボりか。中々、骨のあるやつだ。」
サボる訳じゃない。ちょっと寄り道するだけ。ちゃんと学園には行くよ。
「よかろう。たが、我は飛行城しか着陸できんぞ。」
アメラシア公国には各地に平地があり、そこは竜騎士が空の見回りを行いする際に飛び立つ飛行場のようだ。
確かに、龍が街中に着陸するなんて大事故になりかねない。それが増しては、竜王となると、いくつもの家が潰れることだろうか。
そこで、竜王が出した提案は
「我が限界の高度まで降りる。汝は見計らって飛び降りるが良い。」
うん、それがベストだと思う。
「振り落とされるなよ!」
雄叫びをあげると、竜王が急降下し始めた。
ゴォォォオ!!
とてつもないGが襲いかかる。姿勢を低くしないと首を持っていかれそうだ。
地上まであと、20メートルに差し掛かった時
カチン!!
何かが外れたかの様な音がする。
刹那
鞍を固定していた紐が外れ、
「うわぁぁぁぁあ!!」
そのまま、カズトは落ちてしまった。




