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神聖剣使いの姫騎士と鬼神刀使い  作者: ザウルス
留学編
55/63

見つけた。

「はぁ、はぁ、なんとか逃げれたな。」


あれから、ルナに5時間も追いかけられた。


途中途中で隠れてはいたが、それを見ていた生徒がルナに密告したせいで、何度も死にかけた。


まぁ、あの強面で死神鎌をブンブン振り回してる奴に「カズトはどこだ!」と聞かれたら答えるしかないか。


そう考えると、よく逃げれたものだ。


どうやって逃げたのかは後日語ることにしよう。


さて、本来の目的に戻るとしよう。


「俺の予想が正しいなら……この建物にいるはずだ。」


ここは、ニュークリアー学園の中心に存在する建物。通称バレアの塔。


普段は図書館として使われているが、屋上がガラス張りなので夜になると星空がよく見える。


天体観測以外の目的では入れない。しかし、学園では「ここで告白をすると100パーセント成功する」と有名である。


鍵はかかってないので、普通に入れてしまう。


元々あった建物を整理しただけみたいだからだそうだ。


まぁ、都合がいい。教師も滅多にここに来ることはないそうだから大丈夫だろう。


万が一、見つかった時はどこか適当な所に隠れればいい。


さて、それよりアルラを探さなければ。


しかし、どうしても通らなければならない関門がある。


「はぁ、相変わらずすげ〜階段の数だな……」


図書館なだけあって、物凄い階段があるのだ。


昼間はエレベータが動いてるので便利なのだが……


「はぁ、登るしかないか……」


覚悟を決めて、一歩ずつ前に進んだ。


1時間後………


「ぜぇ、ぜぇ、なんとか登りきったな……」


ルナとの逃亡劇で体力を削られたこともあって、途中休憩をしながらなんとか登りきった。


息を整えて、アルラを探し始める。


「必ず、見つけ出してみせる。」


******************


「はぁ、なんであんな事言っちゃだんだろう……」


バレアの塔の中でも最も高く、そして、1番星空が美しく見える場所。


通称アリアの広場。そこにアルラはいた。


ここだけが唯一、ガラス張りがなく、王都全部を見渡せる。


「ちゃんと話を聞けばよかったな……」


アルラは後悔していた。あの時、ちゃんと話し合えればよかった。


きっと理由があったはず。エドから聞いた時は我を忘れてカズトに問いかけてしまった。


その結果がこれだ。


「はぁ、明日からどうしよう……」


恐らく、カズトは私を探してるかもしれない。


でも、来るはずがない。


誰も私がここに来たのを見ていない。


唯一してるのは、エイリーだけだ。エイリーには、カズトがここに尋ねてきても絶対に教えないようにと言ってしまった。


エイリーの事だ、絶対に口を割らないだろう。


「はぁ、どうしよう……」


ため息が出てしまう。


星は相変わらずの綺麗に輝いている。しかし、今の星はいつもと違って見える。


遠く儚いものに見えてくる。


私は星が好きだ。嫌な時があった時はいつもこうやって眺めていた。


星はずっと絶えず輝き続け、それぞれが違った光を放っている。


私もいつか、ああやって輝けたらと何度思ったことか。


そして、あの人と隣に立ちたい。ずっと一緒にいたい。


アルラは星の中で、最も輝いているメイラン星に祈りを捧げた。


「ごめんなさい………私がわがままでした……今すぐ、お兄ちゃん会いたいです………」


そした、謝りたいです。


この祈りが届くかはわからない。でも、覚悟ができた。


今日はもう、遅い。明日必ず謝りに行こう。そして、話したい。



祈りを終えて、寮に戻ろうとした時


「全く、うちのお姫様は星にも愛されてるんだな。」


扉があき、そこには待ち望んでいた人がいた。


「あ…………」


涙が頬に垂れていた。









































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