アルラを探してPart2
「成る程、お前も大変だな」
これまでの出来事、とは言っても本の数分の出来事だが、正直に話した。
正直言って、カズトは被害者である。しかし、アルラを悲しませたとなると、加害者である。
「まぁ、カズトの馬鹿!と連発して叫んでだから、そんなもんだろうと思ってた。」
それを早く言って欲しかった。そうすれば、こんな気まずい空気にならなかっただろうに。
「しかし、今ので一つわかった事がある。」
「わかった事?」
何がわかったのだろうか。
俺は、正直にことの有り様を全て話した。隠語を使ったり、言葉を濁したりなどしていない。
意味深く答えたわけでもない,
「それは、お前が鈍感クソ野郎ってことがな。」
「………」
聞きましたか?今、物凄い悪口言ってましたよこの人!?
というか、どうしてあの話から、鈍感って言葉が出てきたんだ? クソ野郎はまだしも……
「お前、俺の話からどうして鈍感ていう言葉が出てきたと思ってるだろ。」
ズバリ的中!心が読めるのか?
「心なんて読んでない。」
やっぱ、読んでる……
「はぁ、アルラも大変なもんだな。」
彼女は呆れながらも、カズトに問いかける。
「まぁ、お前が鈍感クソ野郎ってのは放っておいて……」
いや、放っておけるものじゃないと思うのだが……いようとしたら、目がキラッと光ったので黙り込んだ。
「アルラがどこに行ったのかについてだ。」
そう、本来の目的は茶菓子をもらうためでも、彼女に説教されに来たのではない。
アルラがどこにいるのかだ。
部屋からは、アルラの気配は感じない。何処かに隠れてるわけでもなさそうだ。
「正直、私もどこにいるかは知らん。例え、知っていたとしても、今のお前に教えるつもりはないがな。」
頼みの綱であった、彼女でさえも、アルラの居場所を知らない。となると、何処に行ったのか。
ただでさえ、方向オンチなのだがら、下手に出歩くと、迷子になるに違いない。
となると、まだ学園の何処かにいる可能性がある。
しかし、この学園は広すぎるため、探すのはとても困難だろう。
本人がずっとそこににとどまっているわけもないしな。
どうしようと悩んでいると……
「今日は快晴だ、こんな快晴だと夜は星がよく見えて綺麗だろうな。」
突然、何にも関係ないような話をふってきた。
抹茶をすすりながら、ロマンチックなことを言っても絵にならないぞ。
でも、確かによく晴れている。彼女の言う通り夜は星がよく見えるだろうな。
星か。そういえば、アルラは星が大好きだったな。よく、ガイアに叱られたり、嫌な事があった時は、一人で神樹の頂上まで登って眺めてたな。
あの時見た、星空は今でもよく覚えている。本当に綺麗だった。
嫌なことをすぐに忘れ………ん、待てよ。なんかひっかかるな。
彼女が言ったさりげない一言。
「もしかして……」
俺の予測だと、アルラは絶対に“あの場所,,にいるはずだ。
「すまない。ちょっと用事ができた。」
直ぐ様、向かおうとするカズト。
「ちょっと待て。」
しかし、それを止められた。
「多分、お前の思ってる場所にいるのは間違いない。しかし、今はまだ早い。」
早い?一体何が早いのだろうか。
「夜まで後、何時間あると思ってるだ?星は昼間に見えないだろ。」
ああ、そういうことか。
確かによく考えると、今からそこに向かっても星が出てるわけじゃないから無意味だ。
流石のアルラも真昼間から星を眺める事はないだろう。
「ありがとう。ところで君は……」
アルラが何処にいるのか気にしすぎて、名前を聞くのを忘れていた。
「ああ、まだ名乗ってなかったな。私はエイリッヒ。エイリーと呼んでくれ。」
「そうか。ありがとうなエイリー。」
率直に感謝の言葉を言った。
「でも。なんで俺の事知ってるんだ?あったのはこれが初めてだし……」
俺はエイリーに名前を言っていない。しかし、彼女は俺の胸ぐらをつかんだ時にはっきりとカズトと言った。
「ああ、それか。君の事はアルラから嫌ってほど聞かされてるよ。強いそうだね。」
「はは………」
嫌ってほど……一体どんだけ俺の話をしてるんだか。
「まぁ、個人的にも君には興味があったし……」
「ん、何か言ったか?」
今何かボソッとつぶやいたような気がした。
「いや、気のせいだ。それより、君はそろそろここを出て行った方がいい。風紀委員が………」
言いかけたその時……
「風紀委員だ! 抜き打ちの私物調査……」
風紀委員、俺にとっては嫌な物としか捉えられん。
扉が開くと、そこには1番会いたくない人物が立っていた。
髪が炎のように赤くて、ショートヘアーで相変わらずの態度をとっている。
「よ、よう、ルナ!まったあったな!?」
ルナと目があった瞬間、辺りがピキッと凍りついたのを感じた。
「貴様、こんなところで何してる。ここは、男子禁制のはずだか?」
死神鎌を出現させ、カズトを切り刻もうしている。
ところがどっこい、俺には秘策がある。
「静まれい!!これが目に入らぬか!!」
バサッと立ち上がってルナに紙を見せた。
そう、この紙にはマサトーナ直々のサインが書かれている。いわば、許可証だ。
流石のルナもこれには跪くはず……
シャン!!
「貴様、ふざけてるのか?」
いつの間にか鎌を振り下ろし、紙が真っ二つに切れた。
切れた一方の紙が床におち、それを拾って確認すると……
レズ野郎。
と書かれた文字が………ってあれ!?ちがうじゃんこれ!?
もう一方の方の紙には、黙れ男嫌いの赤毛
合わせると、黙れ男嫌いの赤毛レズ野郎。
野郎ってもしかして……
心当たりある方向へと向く。
「丁度いい、その赤毛レズと鬼ごっこで時間を潰せるんじゃないか?いやー、楽しそうで何よりだ。」
これを書いたのはやっぱりお前か!!
どうしてくれるんだ。ルナのやつ、完全に狂乱しているじゃないか。
言い訳どころか、逃げるしかねえぇぇぇぇ!!
「ち、ちくしょ!!」
カズトは窓ガラスを蹴破って外に出た。
「まて、カズト!!ミンチにしてやる!!」
それに続いてルナも窓ガラスから飛び出た。
ちなみにここは6階である。
「ふぅ、中々面白い奴だな。」
抹茶をすすりながら、ルナから必死に逃げているカズトを面白く見ているエイリッヒであった。
神聖剣使いに姫騎士と鬼神刀使い特別編。
司会者「えー、今回は作者について一言。普段思ってる事をぶちまけてください。」
カズト「俺、不運すぎない?」
作者「…………」
アルラ「お兄……カズトの鈍感を直して!」
作者「無理です!」(即答)
ガイア「アルラ様の水着写真を送ってください。」
作者「何を企んでるのですか………」
マサトーナ「わ、たしはでしゅね……」
作者「うわ、酒くさ!」
ルナ「カズトを殺したいのですが……」
作者「あ、もしもし警察の方ですか?」
クラニー「カズト君を風紀委員に!」
作者「頑張れ!」
闇影「お互いに大変ですね。」
作者「ええ、本当です。」
こんな感じで、ミニ番外編みたいなものを書いていく予定です。次回もお楽しみに!
エド「おい! 誰か忘れてないか!?」
作者「またね〜。」




