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神聖剣使いの姫騎士と鬼神刀使い  作者: ザウルス
留学編
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俺が問題児!?

本編に戻るため、アルラとアイリスの話は番外編としていただきました。すこし、ややこしなりますが。ご了承ください。

「カズト、お茶をお願い。」


「はい、かしこまりました!」


「カズト、肩後凝ったわ。マッサージをお願い。」


「かしこまりました!」


これで何回めかわからないがあえていよう。


さて、どうしてこうなった。


ソファーに座りながら、紅茶を啜りながら命令を下す女性。


金色に輝く髪を腰まで伸ばし、誰から見ても美しいと思うだろう。しかし、彼女には美しいという言葉では表せない何かがある。


少なくとも俺はそう思いたい。


「カズト、明日のスケジュールは?」


「少々お待ちを……」


直ぐに胸ポケットから、スケジュール長を取り出す。


「えー、明日は午前8時にスリレンカ伯爵との対談。その後、エメレシア竜騎士学園生徒会の予算案議決があるようです。」


「そう。いつもより暇そうね。」


再び紅茶を啜る。


紅茶を飲み干すと、彼女は立ち上がり、無理難題を押し付けてきた。


「カズト、風呂に入るわ。背中を流して。」


「そ、それはちょっと、問題が………」


そう言うと、彼女はクスクスと笑った。


彼女は、羞恥という言葉を知らないのだろうか。


突然、服は脱ぎだすし、風呂から出た後は裸のまま、歩き出したり。


しまいには……背中を流してと。


それって、一緒に入れということじゃないか。


同年代でしかも年頃の男子ってことをわかってないのだろうか。


アルラと一緒に入った時も、理性を保つのがやっとだったのに……


「ふふ、冗談よ。顔を明隠しちゃって、かわいい。」


完全に弄ばれている。


そもそもどうしてこうなったかと言うと……


******************


4日前


何気ない平和な日常を楽しみながら、今日もマサトーナの授業を受けていた。


彼女は厳しいが、一人一人の生徒の名前や顔を直ぐに覚え、悩みや不安を聞き、それを見事解決して行っている。


教員の鏡だなと思った。


そんなある日………


「えー、皆さん竜騎士(ドラグナー)にはご存知ですか。」


竜騎士(ドラグナー)。文字どおり、人が甲冑をまとい、竜に使役して戦う者たちのことをいう。


「はい、知っています。」


女子生徒の一人が答える。


それもそうだ。竜騎士の力は時として天変地異を起こし、一昔前までは、戦争の切り札として使われていた。


時代の進歩により、マサトーナの様な者がどんどん出てきたから、竜騎士の数は激変した。


それでも、竜騎士の憧れは未だに根強く残っている。


たしか、どこかの国では竜騎士を育てる学園があった。名前は確か……エメレシア学園だっけな。


ニュークリア学園ができる、約三百年前から存在する学園だ。


この学園とは、友好な関係を築いており、親善試合をしたり、交換留学を行っているそうだ。


一年前にエイリッヒが親善試合で大将同士の一騎打ちをしたんだとか。どうだったと聞いたら、「強かった。」の一言。


ちなみに、勝負は引き分けだったそうだ。


そういえば、覇道の四刀の時にも、竜騎士相手に苦戦した。ドラゴンだけでも相手するのに一苦労だったのに、乗っかっている人間も化け物だったからだ。


サクラがいなかったらどうなってたことか、想像もしたくない。


「えー、ご存知の通り、我が学園とエメレシア学園は友好な関係を築いています。

今年も、昨年同様に親善試合と交換留学を実行すことが決まりました。」


おお!!という歓声がクラスに日々渡る。


カズトも、その親善試合には興味がある。竜騎士の人数がどんどん減っている中、次世代の竜騎士はどれだけ強いのか。


今は、昔よりも技術が進んでいるから、技にも磨きがかかっていることだろう。


実に楽しみだ。


「親善試合は、2ヶ月後に行われることが決定しました。次に交換留学についてはですが……」


おや、なんか雲行きが怪しくなってきた。親善試合は問題ない様だが、どうやら、交換留学に問題が発生したのだろうか?


「以前は、成績優秀及び、留学希望者を抽選で選んでいましたが……今年は話が変わりまして……」


話が変わりまして………なんだ?


「両方、優秀な騎士を育成するという、方針がありますので……つまりその……互いに学園の問題児一人を選び、留学。つまり厚生させようという案が出ました。」


教室が騒ぎ出す。


学園の問題児。それは、俺らFクラスの人材をさす。ただ単に、落ちこぼれなだけで悪いことはしてないんだが。


となると……このなかで一人、ビンボーくじを引くことになるな。


全員、俺が私が選ばれるんじゃないかと不安になっている。


特に、隣の席のエドなんてガタガタ震えてるじゃないか。


エドは、体育の成績はいいが、筆記試験や質疑応答は壊滅的だからな。


俺は1000%、こいつが選ばれると思っている。


余裕を見せる、カズト。それもそのはず。


化け物並みの強さと、筆記試験も学園トップクラス。選ばれることは絶対にありえない。


「それに該当するのが一名。それは……」


それは………?


「鬼神カズト!貴方です!」


「ほへ?」


ん? 今なんて言った。俺の聞き間違いかな。


「鬼神カズト。貴方ですよあ・な・た!」


指差しで指名される。立ち上がって抗議をした。


「まて……待ってください。なんで俺なんですか!?」


危ない。いつもの癖でタメ口で話すとこだった。マサトーナとは先生と生徒の関係ということになっている。その事情を知っているのもごくわずか。


その理由をマサトーナは淡々と告げた。


「えー、鬼神カズトはSクラスの生徒に暴行をし、それに、風紀委員に喧嘩を売り、その挙句、全生徒を巻き込んだ、大騒動(鬼ごっこ)を起こした張本人。そして、密かに風紀委員長クラニー・ミッドウェールと無許可の決闘。そして、最後に校舎をぶち壊した。十分すぎますね。」


いや待て、幾つか言いたいことがある。


校舎を壊したのは確かに、俺が原因だが、その他の出来事は起こしたより、巻き込まされたの方だ。


あの、鬼ごっこは完全にクラニーのせい。決闘もあっちから勝手に挑んできた。


「私も、全部がカズトくんのせいではないことはわかっています。寧ろ、被害者だと思います。」


だからなんで……


「運が悪いことに……生徒資料を担当の先生が訂正するのを忘れて、あちらに送ってしまったそうです。」


誰だそいつは!!今すぐ、殴って……いや、ここは平常心平常心。先生を殴るのは良くない。みんなやっちゃダメだよ。

(とは言っても、拳からは血管が浮き出ている。)


「彼方の学園長も是非、その生徒を立派な騎士に見せます!と気持ちいいぐらいの返信が来たそうです。まぁ、カズトくんにも権利がありますから………」


意味深に、見つめてくる。


どうせ、学園のメンツに関わるからとか言うんだろうな。向こうが是非是非と言ってるのに、拒否なんてしたら気分悪いだろうしな。


「では、鬼神カズト。私の部屋までついてきてください。」


「あ、はい!」


席を立ち、マサトーナについて行く。


******************


「申し訳ございません!」


再び、目の前で土下座をするマサトーナ。


「編入の間違いといい、今度は留学か。一体どんだけミスを連発してんだか。」


「本当に申し訳ございません!」


まぁ、彼女が真面目なのは知っている。編入や今回の留学問題も彼女自身のミスではない。


しかし、ここまでとなると、さすがにおってくる。


第三者がわざと俺を貶めているのだろうか?一体なんの目的のために……


思いつかない。というか、俺に恨みを持っている人間なんて何千、いや、何万もいるからだ。


留学生に選ばれた理由。俺をこの学園から追い出したかったのか。それとも、厄介払いなのか。


「ま、考えすぎか……」


最悪、この学園には世界最強がいる。よっぽどなことがない限りは安全だろう。


「どうかしましたか?」


「いや、なんでもない。というか、もう土下座はやめてくれ、もし見られたら大変だろ。」


「ありがとうございます。では失礼して……」


申し訳なさそうに、立ち上がるマサトーナを立ち上がらせ、ソファーに座らさせた。


「留学の件だが……引き受けてもいい。」


「わかりました。今すぐ学園の方に連絡を……え?」


「だから、引き受けてもいい。」


「ほ、本当ですか!?」


先ほどまで、どんよりしていたのが嘘のように明るくなり、それと同時に驚きの表情でいっぱいだった。


「まぁ、俺としてもその竜騎士に興味があるし……どれだけ強い奴がいるのかワクワクするからな。」


これはいい機会だと思う。竜騎士の信念、そしてその強さはどこから来ているのか突き止めてみたい。


ただし、ちょっと問題がある。


それは………


ドン!!


ドアが勢いよく破壊され、そこからよーく知っている人物が数人あわられた。


「はぁ、はぁ、カズト君がが連行されたって聞きましたけど……」


「いや、カズトは死んだはずだ。私がこの手で……」


「むむ、カズト殿も遂に年貢の納め刻でござるか。」


できれば、もう2度と会いたくないメンバーばかりだ。


「「「カズト!(君)!(殿)!」」」


ルナ、クラニー、闇影の3人に問い詰められるカズト。


カズトが困っていると、さらに足跡が聞こえてきた。


「お兄……カズトがこの学園からいなくなると本当なの!?」


悲しげな表情をした、アルラがそこにいた。




















































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