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神聖剣使いの姫騎士と鬼神刀使い  作者: ザウルス
番外編
48/63

審査

「いよいよだね。」

「ああ、そうだな……」


あと少しで、自分たちの番だというのに気持ちの整理がつかない。アルラはいつでも大丈夫なのだが、もじもじしながら牛歩をするアイリス。


これでは、牛飼いになった気分だ。いっその事、逃げないようにリードをつけたいところだ。


まぁ、誤解されそうなのでやめておこう。


「よ、よりにもよって最後とは……いじめか!?いじめなのか!?」


そう、運が悪いことにアルラ達は最後になってしまった。


順番はくじ引きで決めるのだが、アイリス水着選びとヘアスタイルを整えるのに思いのほか、時間がかかったのだ。


くじは早いもの順に引けるので、着いた時には最後の一本になっていた。


残り物には福があるって、ことわざを信じながら弾いたが、運が悪いことに1番最後だった。


くじを引く時に1番特するのは、中間あたり

の順番を当てたチームだと思う。


最初だと、現場がどういう状況なのか把握することができず、失敗することが多い。


しかし、中間あたりだとそれを観察することができるため、成功する確率が高くなる。


よく、スピーチなどで誰も最初にやりたがらないのはそれが理由だ。一人が犠牲になることで、全体がまとまるのだ。


それなら、最後の方が特じゃないかと思うかもしれない。


実を言うと、最後の方が1番やりにくいのである。


最初なら、失敗してもだいたいの人が「最初だから、しょうがないか。」と思うそうだ。


順番が上がっていくごとに、レベルがあがり、心理的に最後の方に期待する傾向が強いそうだ。


フルコース料理のようなもので、最後はデザート。つまり、しめを求められてるのだ。


「ほら、まだ時間はあるんだから、どんなかんじか見てこようよ。ね?」


どんなパーフォーマンスが繰り広げられるのか、じっくり観察した後、アイリスと共に考えることにした。


「あ、ちょ……」


本日何度目か分からないが、半端強引にアイリスの手を引っ張りステージ裏へと向かった。


***********


「テイラス&コーレスチーム、得点は45点です……」


審査員が提示した得点を計算し、得点を発表する司会者。しかし、低すぎる点数にそれ以上は何も喋れなかった。


審査員は人で最高点が一人20点、全部で100点になる。


では、どうしてこんなに低いのだろうか。


二人は、見た目が悪いわけではない。くびれもあって、女性も羨ましいがるほどの美形である。


スタイルに自信がある、二人は胸元を大きく開いた大人っぽい水着を選んだ。


しかし。それは目の前にいる審査員には馬鹿にしてるとしか言いようがなかった。


二人は、過信していたのだ。見た目だけだ勝とうとしたのが運の尽きだった。


「まったく、最近の若いもんは性ばかりを強調して、消しからないわ。」


「ほほ、そうですな。」


豪華絢爛な格好した女性が一言つぶやくと、それに反応して、一人の男性が賛同した。


この、手に希少なカラーダイヤモンドの指輪を沢山つけている女性。


フランシスコ・デラックス。


ファッション会において、絶大な権力を持ち、彼女の手がけた服装、特にドレスや礼服はは各国の貴族や王族が好んで使う。


彼女が一針服を縫えば数十万円価値が上がると言われている。


いわば、ファッション会の首領(ドン)的な存在である。


「それにしても、あの二人は着こなしが雑でしたな〜、きっと普段はだらしない生活を送ってたんでしょう。」


一方で、センスよりも着こなしを気にしているこの男性の名は、光林寺五郎右衛門。今年で78歳になる老人である。


五郎右衛門は、着物や和服などの複雑な着こなしをしなければならないものを多く作っており、それに関しても鬼のように厳しい。


袖が曲がっていたり、左右の振袖の長さが1ミリ違うだけでやり直しをさせるとかなんとか。


ファッション会においても、かなりの実力者である事は間違いない。


その他の三人の審査員も、二人ほどの実力者ではないが、大手企業よ会長や社長など大物ではある。


ちなみに、この二人は点数を一点も入れてない。


「まぁ、最初ですから、後に期待するかのぅ〜。」


「は〜、退屈しのぎになればいいですけど……」


二人は、あくびをしながら、次のチームを呼ぶように司会者に合図を送った。


「さ、さぁ、次のチームは……カルロ&アッシュチームです!」


この、どよーんとした空気を少しでもよくする為に、頑張る司会者。


「おっほほほ! 私の水着姿、とくとご覧あれ!」


出てきたのは、黒いマントをかぶった金髪ドリルヘアーが特徴でお嬢様口調の女性。


もう一人は、ショートヘアーでもじもじしながら後ろに隠れていた。


従者らしき、人物が黒いマントを外す。


「「「おおー!!」」」


これまでとは違う空気が、辺りに漂う。


「ほほ、中々いい着こなし方じゃな。口調はちょっとあれじゃが、躾はされているみたいじゃな。」


「うむ、ちゃんと自分がわかっているからこそあの水着を選んだみたいね。特に、ショートヘアーの子……アッシュていったけ?中々いい筋してるわね。」


二人は初めて、ボードにペンを走らせた。


「カルロ&アッシュチーム!得点は……95点です!」


ここにきて、やっとの高得点がでた。


デラックスは17点。五郎右衛門は着こなしを評価し19点。


この後も審査は続き、高得点は出た物の、70点や80点だいが平均だ。


「決めたわ、今の子たち全部頂戴。専属モデルにするわ」


「ほほ、ここは娼館じゃありませんぞ?」


人をショッピング感覚で購入しようとするデラックスを注意する五郎右衛門。


「まぁ、次で最後だし、声をかけるのは後でいいか。」


「ほほ、これは厳しくしないといけませんな」


高得点の連続で少し気が緩みすぎた場内。ここは、我々の威厳を見せて、ファッション会どれだけ厳しいかを身をもって味わういい気概だろう。


「さぁ、続いて……アルラ&アイリスチームです!」


ついに、アルラ達の番が来た。果たして運命は以下に!





































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