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神聖剣使いの姫騎士と鬼神刀使い  作者: ザウルス
学園編
41/63

迷い込んだ矢先…………

戦闘シーンは苦手だ……

風紀委員とのいざこざから早くも二週間は経った。


あれからクラニーによる風紀委員への勧誘は無くなったが、ルナによる闇討ちが後を絶えない。


地獄の鬼ごっこはとっくに終わったというのにルナだけは未だにおれの事を探している。


ばったり出会ったときは、いきなり斬りかかるものだから勘弁してほしいものだ。


この間なんか、寝ている時に俺の部屋の中にいたものだからとても驚いた。


ルナ曰く、寝ているところを襲ってもすっきりしない。生きている時による狩る方が楽しいとのこと。


そんなことで、俺が起きるまでずっと見張っていたらしいが眠気には勝てなかった様だ。


そのときは運が良いことにカズトがいち早く起き、ルナの全身をこれでもかってくらいロープを巻いた。


このまま置いておくと後々面倒だから、Sクラスまで運んでおいた。


実際には、カズトも少なからず仕返しをしたいと思っており、Sクラスに運んだ後、墨汁でルナの顔にいたずら書きをした。


後日、怒り狂って死神鎌を振りながらカズトのことを探したことは言うまでもない。


学校の物を破壊したことにより、ルナはただいま自宅に戻り停学中との事。これに懲りて反省してほしいものだ。


そんなわけで、ようやく安心が訪れたのだ。


今日は土曜日で休日だ。


基本的にこの学園は週休が2日はある。どこかへ出かけるのもよし、図書館で自習もよし、のんびりするのもよし。


特にこれといった用事がないので、自宅でのんびりと寝ている。


アルラはアイリスと王都へ観光案内をしてもらうそうで、ついでにお買い物をして帰るそうだ。


俺を誘って来たが断った。せっかくの友人と過ごす休日を楽しんできてほしいし、男の前では言えない悩み事とかあるだろうかその点ではアイリスに頼むしかない。


あの時の礼を返したいとアルラから聞いていたが、別に礼を返される程の事ではない。当たり前の事をしたまでだ。


まぁ、アルラがかなりお世話になっている様だからこちらとしても会ってお礼をしたいところだ。近いうちに話をつけておこう。


「……暇だな。」


せっかくの休日を寝て過ごすのいささかなものだろうか。時間をどう使うかは個人の自由だか寝ているのは流石に勿体無いと思う。


学生だから青春を謳歌するべきなのだろうか?しかし、なにをすれば青春になるのだろうか。


わからない。簡単な言葉だかよく考えると本当に不思議なものだ。なぜ青い春と書くのだろうか。


以前にマサトーナに聞いてみたところ、「貴方は充分すぎるくらい青春を謳歌してますよ」と笑いながら返された。


はて、無意識のうちに青春を謳歌していたのだろうか。


考えればますますわからないものだ。


これもマサトーナが言った、答えのない答えなのかもしれない。


「散歩にでも行くか。」


この気持ちを紛らわすために散歩する事にした。歩いてれば何かと不思議な体験が起こるかもしれない。


ベットから起き上がり、部屋の鍵を閉めて外へと向かった。




「あいかわらず賑わってるな。」


この間……と言っで3日前とは全くと言って良いほど商店街は変わっていない。それなのにこの人だかり。


ほとんどが、子供連れの主婦ばかりで学生どころか、男性すら見つからない。


ここは、比較的にものが安いから庶民の足と言って良いほどだ。


「いらっしゃい。今日はりんごが安いよ!」


八百屋のおばちゃんの声を聞いて足を止めた。言われた通り、りんごがたくさん並べていて、3個で200レンソと安い。


「まいどあり!」


誘惑に負けて、買ってしまった。しかし、この匂いといい、輝きはまさに果物の王道だ。


「確かにうまいな。」


かじるとシャキ!と良い音がなり、中から甘い蜜が出てくる。この味でこの値段は本当に安い。食後のデザートに良いかもしれない。


帰りに売れ残っていたら、沢山買っておく事にした。


食べ歩きをしているといつの間にか、商店街を抜け、人通りの少ない路地に出た。


空気がらガラッと変わり、なんだか寂しい風景だ。


建物も同じ様な感じの建物がずらっと並び、窓は全部閉まっていて、人の気配がしない。まるで自分1人が取り残された感じだ。


「あれ……ここに道があったはずたが……」


君悪いので戻ろうとしたら、何故だか、道が消え、後ろには壁が立っていた。壁には落書きなのかわからないが変な文字が書いてあった。


とりあえずここにいても始まらないので歩いてみる事にした。


「少し寒いな……」


もう直ぐ夏だというのに、この肌寒さはなんだろうか。まるで何かに取り憑かれた様な感じだ。


かなり歩いてるはずだが、一向に角という角が存在しない。アリステルには城壁があるはずなのだが、それも見当たらない。


奥に進むにつれ霧も発生し、これ以上奥に進めない感じがした。


地図を広げても意味がない。途中で見つけた建物の名前を調べてみたが見当たらない。地図に存在していないのだ。


戻ろうとしたが、またしても壁が立っており戻る事ができない。


壁がカズトを追っているのだろうか?それともただ単にこの地区が同じ建物がずらっと並んでいるため、ちょっとした迷路感覚に陥ってるのか。


「ん? あれは……」


建物の隅になにやら人影らしき物を見つけた。霧が濃くてわからないが、黒色のマントをかぶり、完全に顔を隠しているようだ。


ここがどこなのか尋ねようと近づいたら、怪しいその人物は建物裏へと消えた。


「あ、待ってくれ!」


カズトはその人物を追うことにした。


足に強化、目に視聴拡張効果の魔法をかけ、その影を追う。


しかし、そこまでしても追いつけない。見失いようにするのがやっとなくらいだ。


狭い路地裏を駆け抜け、壁を超え、さらには建物の上へとジャンプした。


カズトは壁を交互に蹴って上へと登る。


登り終えると、そこには追っていた人物がひっそりと立っていた。諦めたのだろうか?


「怪しいものじゃない。ただ、道を聞きたいだけなんだ。」


手を上げて、なにも持ってないことを見せる。しかし、マントをかぶった人物は俺のことを見るどころか、ずーっと同じ方向を見ているだけで興味はなさそうだ。


先程とは違って近づいても逃げることはない。


「なぁ、大丈夫……」


カズトの手がマントに触れようとしたその時……


シャキン!


突然、剣を振りかざし、カズトに攻撃してきたのだ。咄嗟に回避行動をとったが、りんごが入っていた袋が破れ、りんごが落ちてしまった。


「おいおい、冗談だろ……」


まさか、こいつは盗賊か何かだろうか。もしかして、この制服を着ていたから狙ったのだろうか。


いや、それだとしてもなんであのときは逃げたのだろうか?普通に襲いかかっても良いはずだ。ここなら、多少の雑音にしか聞こえないだろう。


ーーーと考えているうちにも攻撃は止まない。


「ち、やるしかないか。」


カズトは後ろに下がり、神風を抜刀した。念のために持ってきておいて正解であった。


そして、一気に間合いをつめ、攻撃を仕掛ける。


キィン!カン!キィン!


互いの武器が激しくぶつかり合い火花が散る。


相手も中々のやり手だ。攻撃にパワーはないが、カズトの心臓をはっきりと狙う正確さと何よりスピードが桁違いに速いことだ。


攻撃をする隙間がない。防ぐので精一杯だ。


攻撃の衝撃を和らげるために、一歩一歩後ずさりをするのをえない。気づかないうち、角に追いやられ、あと一歩でも下がったら転落だ。


しかし、相手の方も体力をかなり使ったらしく息が切れているのがわかる。


「なら、次はこっちの番だな!」


身体強化をフルにつかい、地面を思い切り蹴り、間合いを詰めようとしたその時、


ピキ!


何かにヒビが入る音がし、突如として、カズトの半径2メートルあたりだけが崩れたのだ。


「うぉおおお!?」


動こうにも遅かった。カズトは建物から転落してしまった。カズトの声が木霊するが次第にそれも小さくなっていった。



「………」


敵がいなくなったのを境に、その人物は闇へと消えた。

























次回、カズトは新たな力を手に入れます。……多分。

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