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神聖剣使いの姫騎士と鬼神刀使い  作者: ザウルス
学園編
33/63

出会い。

窓ガラス破損については、結局原因がわからないまま、6時間がたつ。もう、あの事は無かったかのような雰囲気だ。


ただ納得のいかない生徒もいる。自分が狙われたのではないかと自意識過剰が働き、従者な自分の手下にあの時間に外で何かあったのかを調べているようだ。


Sクラスには従者が紛れている事もある。家系上そうなるのも珍しくはない。ご主人に何かあった時にいち早く対応できるためだ。無論、ちゃんと試験を受けている。


たが、私にはわかる。


例えば、左端にいる女生徒。ある一定の女子生徒の方をチラチラ確認している。気になっているなどの目じゃない。完全に近く獲物を狩る目をしている。恐らく、相当な技量の持ち主だ。


ある者は、べったりとくっついていて中が良さそうに見える。しかし、扉を開ける時や移動の際は必ず先にやっている。刺客が潜んでいるか、罠が仕掛けられてないかどあか調べているようだ。


残念な事に私には護衛や従者なんていない。この学園には最低2人まで従者を連れてきてもいいとはなっているが、私には必要ない。自分の身は自分で守れなければ意味がない。


時計を見ると、あと5分で授業がはじまる。アイリスはとっくに準備を済ませているが、隣のアルラが何故だかいない。次の授業は魔法についての論文発表だったはず。昨日、一緒に論文書いた(アルラの論文はほとんどのアイリスが書いたような物。)から大丈夫なはずだ。


もしかして、鞄に入ってなかったのだろうか。だと、したら取りに行ってるのだろうか。ここから部屋まではかなり近いはずだから迷う事はないと思う。


鍵も落とさないように、専用のゴムロープを巻いて落とさないようにしていた。


ま、そのうち来るだろう。


先ほどまではオーバーヒートの連続だったが食欲は相変わらずだったから大丈夫なはずだ。


時間があるので読者をしていようかなと思ったら……


ドゴォーーン!!


突如として、グラウンドから爆音が響き、替えたばかりの窓ガラスを粉砕した。今度ばかりは悪戯なんかじゃない。防音性の高いこのガラスからも聞こえる爆音。目の前で聞いたらどうなるか。


ドゴォーーン!!


安心していたのもつかの間、2度目の爆発が起こり、爆風が教室の中を突き抜け、刃とかした風が襲う。ある生徒はは防御の結界を張って爆風からご主人を守り、また、ある生徒は風事態を切り裂いていた。


私もとっさに防御結界を張ったが、飛び散ったガラス片が爆風により飛んできたため、足をやられてしまった。血は流れているが、傷は浅いので消毒して包帯をまけば治るだろう。


それにしても、いったいこの爆発は何処から来ているのだろうか。世界一安全と言われているこの学園でこんな事になるとは思ってもいなかった。


「おい、あれを見ろ!」


先ほど、風を切り裂いていた男子生徒がグラウンドに向かって指をさす。


すかさず全員が指差す方向へ視線かえる。


「な、なんだあれは……」


グラウンドには綺麗な円を描いたようなどでかい穴があき、クレーターが出来ていた。


爆発でクレーターが起こるようならこの学園は吹き飛んでいる。でも、明らかにあれは爆弾によるもので出来たものではない。


耳を澄ませると何かと何かがぶつかり合ってるような音が聞こえる。


目に魔力を込め、音がする方に注目すると……


「あれは……マサトーナ団長……? あと1人は誰だ?」


アイリスにはにはマサトーナが男子生徒と木刀で戦っている姿が見える。


見間違いかと思ったが、あの戦いかとといい、輝かしさはマサトーナ団長に違いない。


あそこは確か、Fクラスの校舎が建っていたところだ。以前はボロ屋敷でお化けが出そうな雰囲気だったのが何故だか、形を変え、新築のようになっていた。


それはさて置き……


「あいつは誰だ?」


マサトーナと戦っている黒髪の男子生徒。黒髪となると日ノ本系出身だろうか。どういった経緯でああなったかは知らないが、制服はボロボロで手からは血がでている。完全に押されているようだ。


それもそうだ。世界最強に学生ごときが勝てるわけがないのだから。


マサトーナの戦いかぶりを誰もが見たいと誰もが思うことだ。それが、今目の前で起こっている。


「すげーな。俺ちょっと見に行ってこようかな。」

「馬鹿か、さっきの爆風みたろ! 吹っ飛ばされるぞ。」

「でもよ、他のクラスの連中は見ているようだぜ。」


グラウンドには多くの見物人が駆けつけていた。何故だか、わからないが教師まで見物しており、防御結界を張っているようだ。


ここは4階が、気にせずにどんどん飛び降りていく生徒たち。魔力で足を強化するものや、風の魔法で衝撃を和らげようとするものもいる。


「男子てやーね。」と思うだろうが、アイリスにとっては世界最強から技を盗むチャンスなのだ。しっかりと目に焼き付けなければならない。


アイリスは飛び降りではなく、避難用の非常階段を使っておりた。


向かう途中からでも、見物客の熱狂ぶりがうかがえた。


カンカンキンギィーン!!


木刀であるはずなのに、金属のような音と火花が散っている。


音だけが聞こえて、どうなっているのかわからない。


「どけどけ俺はSクラスだぞ!」


Sクラスの立場を利用して、強引に進む輩もいたが、アイリスはそんな事をしたくないので、集団の中に飛び込んだ。


足と目に強化魔法をかけて、僅かな隙間を抜けていく。一瞬の判断で飛ばなければ押しつぶされてしまう。途中地面のくぼみに足を引っ掛けて転びそうになったが、なんとか堪えて、ようやく、一番前にたどり着いた。


その光景はアイリスが教室で見た通りだった。マサトーナが男子生徒を一方的に攻めている。(人が集まってきたので、カズトは判断で技と力を抜いている。)


男子生徒はどうやらFクラスに所属しているようだ。なぜ、落ちこぼれにマサトーナ団長が直々に相手をしているのか。


暴動かと思ったが、前からいた他のクラスの生徒に聞いたら、実技の授業だとの事。


私は耳を疑った。マサトーナ団長の実技授業は厳しいくて中止になったと聞くが、ここまでとなると納得して出来る。


あの男子生徒はかれこれ5分以上戦っているらしい。マサトーナが手加減しているとはいえ、5分間も攻撃に耐えているのだ。


あの男子生徒は間違いなく強い。下手したら私よりも。それが、なぜFクラスにいるのだろうか。もしかして、典型的な脳筋なのだろうか。


「決着をつけます!」


マサターナが剣を天高くかざすと先ほどまで曇りだったのが突如と稲妻が走る。


これこそ、アイリスが一番見たかったものだ。しっかりと目に焼きつかなければならない。男子生徒は可哀想だが仕方がない。


マサトーナの木刀に稲妻が落ち、木刀にカミナリが纏う。


(ライトニング)大地(アース)!」


木刀から放たれた雷は光り輝く光線となり、カズトめがけて飛んで行く。


その時……


ドン!!


「きゃ!!」


突如と背中を押され、結界を飛び越え、マサトーナとカズトの前に出てしまう。


「痛たた……」


先ほどの怪我もあり、運悪く足をくじいてしまった。


「危ない!!」


気づくと私は光り輝く光線の前にいた。先ほどマサトーナ団長が放った技。


なぜだかその光線がゆっくりに見える。そして、過去の映像が頭の中で繰り返されていく。恐らく、走馬灯というやつだ。


誰もが、助からないと思ったのだろう。全員が目をつぶっている。マサトーナも光線の軌道を逸らそうとするが、もう遅い。


(すまないみんな……私はもう助からない。アルラ……1人にしてごめん……)


今思えば、自分が情けない。約束を果たせなかったことが悔しく思える。


私の中に眠る(せいれい)を使えば助かるかもしれない。だが、私は満足に扱うどころか呼ぶことさえできない。


光線の輝きに目をつぶるをえない。確実に死んだと思った。


だが……


鬼神(ブラット)黒炎(ブレイズ)!」


突如として男子生徒が謎の声を上げる。それと同時にアイリスの上を熱い何かが通り過ぎた。


目を開けると、黒炎が光を貪り食っていた。その光景は異様とも思える。


私の目にはそれしか写っていなかった。一体あの炎はなんなのか。あの男子生徒が何をしたのか。


疑問に思っていると男子生徒が近づき……


「大丈夫ぶか? 立てるか?」


優しく手を差し伸べてくれた。私はその手をつかんだ。血だらけだったはずのその手は嘘のように綺麗になっていた。


そして私らしからぬ口調で……


「あ、ありがとうございます。」


お礼を言った。何故だかその手は温かく、心地よかった。




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