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神聖剣使いの姫騎士と鬼神刀使い  作者: ザウルス
学園編
32/63

いったい何が起こった!?

「……であるからして、6Xを微分し、代入することによってYが証明できるわけです。」

「ふむ、成る程。」


1時間目の授業は数学定理から始まる。日にちによって異なるが、必ず毎日何処かの時間で数学定理の授業がある。


数学は難しいが、習っておいて損は無いと思う。なんに使うんだって物もあるが、以外と使える場面が多いのだ。


数学は以外と戦術で使えるのだ。武道家は特に、相手の動きを計算して戦術を変えるのだ。技の組み合わせや開発にも使われる。


アイリスは教師の説明を聞きながら、ノートを取る。黒板を写すだけじゃなくて、教師のセリフも聞いていた方がいいことがある。教師の言うことは以外とテストに出るのだ。


Sクラスは全員がエリート揃い。この程度の

問題でつまずくことはほぼ無い。


ただ一名を除いては……


「むむむ……」


私の隣で教科書を握りしめながら、必死に理解しようと頑張っている女子生徒……アルラ。


字が読めないわけではなさそうだが、あの必死さはなんだろうか。教科書を丸暗記しているのだろうか。数学は歴史や地理と言った暗記系では無いから殆ど意味は無いが……


こんな簡単な問題がわからないわけが無いと思う。基礎中の基礎だからだ。


「……プシュ〜。」


突然教科書を落としたかった思ったら頭から湯気が出ている。どうやらオーバーヒートしたようだ。机におでこをつけたまんま動かなくなってしまった。


この状態だと、居眠り扱いされて減点されてしまう。だから、私達は栄養ドリンクを飲んだり、軽い指の運動をしたりして眠気を覚ます。鉛筆で指をさすという行為もあるが、痛いだけだあってすぐ眠くなる。


三回チェックされたら、居残り学習となる。渡されたプリントもしくは、問題集が終わるまでやり続けなければならない。過去に厳しすぎてそこにいた教師を気絶させ、夜逃げしたなんてこともあったらしい。無論、その生徒は退学となった。


本当は起こさない方がいいのだが、私はアルラを見捨てることなんてできない。起きろのは直接言うと、私が注意される可能性がある。


その為、ペンの端で脇の辺りをチョンチョンも突く。だが、そのペンが胸によってぷにょんぷにょんと弾かれる。


見た目では判断できないが、アルラは隠れ巨乳なのだ。恐らく、このクラスでトップクラスだろう。


和解したはずだが、大きい胸を見るとやはりイライラする。先ほどまでは優しく突いていたが、それが段々強くなっていった。


だが、意味もなく胸の大きさと弾力が余計に伝わってきた。


「うがーー!!」


我を忘れて、アイリスは逆ギレし、叫んでしまった。突然の叫び声にアルラは勿論、教室にいた全員が驚き、アイリスの方向へと視線が変わる。


静まり帰った教室は実に居心地が悪い。誰もが「何してんだあいつ」と言う視線を向けてくる。


あまりの恥ずかしさに出て行こうとしたら……


バリン!!


「きゃあ!」


女子生徒の悲鳴が教室に響く、何事かと思い、そちらの方向へ見てみると窓ガラスが一定の箇所だけすべて割れているのだ。このガラスは大砲で撃たれても割れないはずだが、それが一瞬で割れてしまったのだ。


「全員伏せて!」


担任に言われるがまま、全員机の下に隠れ、アイリスは勿論、アルラも机の下に隠れる。

中には、隠れずにそのままじっとしているものもいたが、何が起こるかわからない。


静かに、担任が飛び散ったガラスの方へと近づく。抜刀したレイピアを構え、いつ来てもおかしく無い攻撃に備えている。一歩一歩近づく音が大きく聞こえる。


バリバリ。


飛び散ったガラス片を踏む音が聞こえる。


中には怯えて泣いている生徒がいた。恐らく、割れた窓ガラスに一番近かった女子生徒だ。怪我はしてないようだが、ショックは大きいらしい。


実際にはテロリストではなく、カズトがマサトーナをF子クラスの担任にする為に、連れてこようとしたところを、全力疾走で時間短縮の為に、校舎をかけ上がっていたのだ。


その時、運悪くSクラスの教室の窓の近くを思いっきり蹴ってしまったため、発生した衝撃波によりガラスが割れてしまったのだ。


テロなどではなく、ただ単にカズトの全力疾走(恐らく音速を超えてる。)による、余波のせいなのだ。


だが、音速で動く物体を直接目で捉える者はこの学園にはマサトーナ以外誰もいない。


結局誰かのいたずらという形で片付けられた。悪戯にしてはやりすぎだと私は思う。


何事も無かったかのように授業は再開した。先ほど泣いていた女子生徒は保健室でケアをしてもらうようだ。


関心のアルラは、あの出来事でどうやら頭が冷えたらしく、すぐさま、教科書を見つめ直した。また、オーバーヒートされては困るので、アイリスが横からこっそり教えるのであった。


割れたガラスはその後、専属の業者に頼んで修理してもらうことになった。強度に自信があったらしく、割れたガラスを見てとても驚いていた。


なにか欠陥があったのかと思ったらしくガラスの一部を回収していたそうだ。


私が思うにあれは悪戯なんかでは無いと思う。まるで、何かを警告しているかのように思えた。


まさに、この後、とんでもない事態が起こることになるのを誰も知らなかった。


ちなみに、アイリスが叫んだことは無かったことになったらしい。後日、心配になったアルラが声をかけたら「なんでもない!」と不機嫌になったまま、走り去ってしまったようだ。









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