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神聖剣使いの姫騎士と鬼神刀使い  作者: ザウルス
学園編
31/63

胸が……なんだって?

「おはよう、アイリ。」

「ああ、おはよう。」


学園生活2日目。友人と迎える朝はいつもと違って新鮮だ。昨日、あまりの爆睡っぷりに遅刻しかねないと思ったので、アルラを起こすべきかと1時間前から起きたが、私が起きると同時にアルラも起きたようだ。


アルラ曰く、森の木々が自分を起こしてくれるんだとか。


通りで、朝起きたときにエッセンシャルオイルの匂いがしたわけだ。その時は香水かなと思っていた。


実際、私もそれが原因で目覚めたのだ。起こしてくれるのはいいが、朝から香水を嗅ぐのはちょっと不慣れだ。


まぁ、そのうち慣れることだろう。


それにしても、木々に起こされるとなると、アルラは、植物関係の精霊なのだろうか。

もしかして、森の女王とか。


いや、それはないか。そんな大物がここに来れるわけがない。


大地に力を与える者がいなくなれば草木は枯れ、水は枯れ、砂漠化する。


かつて悪徳商人が貴族に売るために、その管理者を捕まえた故に、その大地は砂漠化してしまった。砂漠化した大地は2度と元には戻らない。


アルラに関しては……女王にしては幼いし、力も不安定だ。


しかし、高位の精霊である事には変わりない。一体彼女は……


いや、友人を疑うのはやめよう。


第一に笑顔が素敵なアルラを疑う方がどうかしている。自己紹介の時もかなり緊張していたようだし、これまでの言動を見ても純粋の一言でしかない。


どうかしているのは私の方かもしれない。


朝食にはまだ時間がある。部屋の掃除は係員がしてくれるとのこと。机の上にある、クリーンカードを扉に貼っておけばいいらしい。無論、貼らなければそのまんまだ。


アルラとアイリスは見られても恥ずかしいものなんて何もない。強いてゆうなら下着くらいか。係員は女性だからよっぽどのことがない限り大丈夫だろう。


少し早いが、部屋を出る事にした。


まず、寝癖を直さなくてはならない。シャワーは1つしかないので交代して使う。2人でも入れないことはないが……私にはそう言う趣味はない。


結局はじゃんけんで決める事にした。互いにお先にどうぞどうぞと言い合ったからだ。


結局私がグー。アルラがパーを出し、アルラが先に入る。


その間に、アイリスは昨日洗って干しておいた制服を取り出す。ついでにアルラの制服もだ。


日差しがいいだけあって、よく乾いている。フリーズン王国だと洗濯物が凍ってしまうため、乾燥機にかけるか、温めた部屋で干すのが一般的だ。その為、生地が傷んでしまうことが多い。


「ここに、制服とを置いておくぞ。」

「あ、ありがとう。」


カゴの中に制服を入れる。ついでに、アルラのパジャマを回収する。


アルラのパジャマは何故だかいい匂いがする。香水はつけてないとは言っていたが、これは結構……は、何を考えているのだ私は。


多分、さっきほどのエッセンシャルオイルの匂いが染み付いてるのかもしれない。男を落とす時に使えそうだ。


籠の一番下には……


「こ、これは……」


黒色のかなり色っぽい下着があった。てっきりクマさんか何かの絵柄があるかと思ったが……


「どこで買ったんだこれ……」


私も専門店で購入することが多いが、こんな派手なのは見たことがない。いや、あったとしても買わない。あんな恥ずかしいのは着れるわけがない。


なんだか、私が時代遅れなのだろうか。今時の学生はこういうのを着けるのが当たり前なのだろうか。


スカートのなのだから、強風が吹いたり、転んだら下着が丸見えになってしまう。その時にはやはり地味な下着の方が……いや、なんかバカにされそうな気がする。


もう1つ気になるのは……


「隠れ巨乳だったとはな……」


制服の上からではわからなかったがアルラの下着を見る限り、巨乳なのがバレバレだ。


私の胸と比較して………傷つきそうだからやめよう。


アイリスもやはり自分の中胸が気になる年頃だ。正直アイリスの胸は……


「うるさい! 小さくて悪かったな!」


無いに等しいのだった。


「ふん! 胸なんて戦いで邪魔になるだけだ!あんなものを脂肪の固まりだ!」


完全にいいわけであった。


「そうだ! 確か、揉んでもらうと大きくなるっていてたな。よし、こうなったら……」


アイリスは自分の胸へ手を伸ばし……


「ん……#……く…」


自分の胸を揉み始めた。実際には摑めるほど無いので、脇の肉を胸の方へ引き寄せようとしているのだ。


確か、城の図書館で胸を大きくする方法と言うのを見たことがあった。大好きだった白馬の王子様と呪われし姫の物語を探していた時に、偶然発見したのだ。


必見! これであの人もイチコロ! というタイトルだった。その中に、胸を大きくする方法と言うのが書いてあった。


挿絵が書いてあってそこには男女が淫らな行為を……それを見た私は一瞬で閉じた。


異性に揉んでもらうと大きくなる。たが、アイリスには好きな異性などいない。


「自分で揉んだって大きくなるはずだ!」


今に、アルラを超えてみせる。先ほどは邪魔なだけとは言っていたが、よーく考えると、私の母上は巨乳だった。なのに私は……


このままでは、他の女子生徒になめられてしまう。それだけは許せない。


実際にやると、くすぐったくて変な声が出てしまう。でも、これを我慢すれば……


「何してるのアイリ?」

「ーーーーーーッ!」


ピシッ!


雷が走る。アイリスは機械のようにギィギィとアルラの方へ視線を変える。それを見たアルラは少しおびえてしまった。


「………みた?」

「えっと……が、頑張れ?」


そう言うと、アルラの胸がプルンと揺れる。


「うう……うわぁぁぁん!!」


バン!!


アイリスの瞳がうるうるとしだし、顔を真っ赤にして大声を上げて、風呂場から出て行ってしまった。


「……私が悪いのかな?」


いや、アルラは全然悪くは無い。それに問題は……


「私の下着……」


着替えの下着ももっていってしまった。このままじゃ私はノーブ……これ以上よしておこう。


「………しくしくしく」


まだ、鳴き声が聞こえるあたり、部屋からは出てないようだ。最悪、タオルで巻けば胸の方はなんとかなるが、下の方は体操服を着ればいい。


でも、下がムズムズするのは耐えられない。


アルラはバスタオルを巻いて、アイリスの元へと向かった。


肝心のアイリスは部屋の角で体操座りでショボーンとしていた。実に話しかけづらい。


ここで、アルラが説得しようものなら恐らく、その胸を見て、また、泣き叫ぶに違い無い。


でも、アルラはせっかく出来た友人をほっとけるわけが無い。


丁度、アイリスのすぐそばに、下着が落ちていたので回収し、制服に着替える。


「アイリス。その……人の価値は胸で決まらない。全てを受け入れるハートのでかさ……だと思うわ。」


以前、カズトが理想の女性は何かと聞いた時に答えたのがこれだ。ガイアは男なんて胸しか見ない変態ばかりだと言っていた。カズトもそうなのかと思い、聞いてみたのだ。


その答えを聞いた私は安心した。当時のアルラはまだ、胸があまり大きくなかった。何が原因だかわからないが、突然大きく成長し始めたのだ。


ガイアは魔力によるものだと言っていた。でも、私は違うと思う。


「それに、アイリは私から見ても、美人だし、大人っぽいから……正直羨ましいわ。」

「私が、大人っぽい……」

「クールビューティーって言葉が一番アイリには似合うわ。」

「……ありがとう。」


アイリスは「すまなかった」とアルラに謝り、アルラも「ごめんなさい」と謝る。


アイリスはシャワーを浴びに行き、アルラは今日の授業を確認し、カバンの中に教科書を入れている。その隣にはすでに準備されているアイリスのカバンがある。私がシャワーに入ってる隙に準備したようだ。洗濯といい、この出際良さには驚かされる。


一応、アルラもガイアから洗濯や料理、裁縫は一通り習ってはいるが、まだまだ修行が必要な状態だ。


「ふぅ、すっきりした。」


丁度、アルラが教科書を入れ終えた瞬間にアイリスも風呂場から出てきた。


アルラは長い髪の毛を櫛で整える。乾かすだけでも大変なのだが、手入れにも時間がかかる。いつもならガイアかカズトがやってくれていたが、甘えてなんかいられない。


その点はアイリスも同じだろう。わたしと違って青い髪の毛はすごく目立つから手入れが大変そうだ。


アイリスはアルラが髪の毛を手入れしているのが大変そうに思えたのだろう。


「大変そうだな。私がやろうか?」

「え、いいの?」

「さっきのお礼だ。」


アルラは櫛を渡し、アイリスはアルラの髪の毛を優しく持ち上げ、ゆっくりと繊維に沿ってなぞるように伸ばしていく。


「私には妹がいてな。よく、姉妹で手入れし合ったものだ。」

「妹がいるの?」

「ああ、体が少し弱いが、母上によく似ている。」

「そう、いいな……」


私が住んでいた森にも精霊の兄弟がいた。よく喧嘩をしていたが、一緒に遊んでいる所もたくさん見た。


羨ましいと思い、神樹に願ったところ、妹では無いが、信頼できる兄が出来た。私のために叱ってくれたり、褒めたりしてくれた。


お兄ちゃん元気にしてるかな……


「終わっだぞ。」

「ありがとう。」


いつの間にか、手入れが終わっていた。髪の毛をサラサラだ。


「じゃあ、次はアイリの番ね。」

「え、私は別に手入れなんて……」

「髪は女の命なんだから。折角の綺麗な髪が台無しよ?」

「そ、そうか……」

「さ、座って座って。」


今度はアルラがアイリスの髪を手入れする。


「アイリの髪は青くて綺麗ね。それに、太くて一本一本がしっかりしてるし……」

「私のいた国は極寒だったからな。それが理由だと思う。」

「ふ〜ん。それは納得だわ。」


アルラには私が王女だと言う事は秘密だ。もし、話せば今のような付き合いが出来なくなるかもしれない。


お互い訳ありで本当の自分を隠している。でも、信頼できる友達だ。


いつか打ち分けれる日が来る。お互いそう信じている。


「終わったわ。」

「ああ、ありがとう。」


アイリスはストレートヘアーだが、アルラは紐で結んでツインテールに。(カズトが一番可愛いと言った髪型だったから。)


「よし、そろそろ昼食の時間だ。行くとするか。」

「賛成!」


互いに準備を終え、ドアに鍵をかけ、クリーンカードを扉に掛け、食堂へと向かった。


食堂には既に人がおり、集団になって食事をしている者もいた。私はアルラに誘われ、その集団の中に入った。


軽蔑されるかと思ったが、全員快く迎えてくれた。特にアルラは注目され、質問攻めにされていた。困っているアルラは私に助けを求めたが、私は頑張れエールを送り、朝食をとることにした。裏切り者〜と聞こえたが気のせいだろう。


私はあまり食べない派なので、パンとジャム。コーヒーぐらいだ。


その点アルラは…….


ドーーン!!


朝からボリューム満点の食事だ。あんだけ食べてあの体型を維持できるのはすごい。アルラの胸が大きい理由はこれなのだろうか。私も朝から肉を食べるべきなのだろうか。


アルラは美味しそうに食べている。その光景は異様とも言えるだろう。


やはり、朝から肉は無理だ。せめて、昼にガッツリと行くことにしよう。


私はパンにジャムをつけて口へ頬張る。


「こんな柔らかいパンは初めてだな。」


向こうでは、パンがカチカチに固まって食えたものでは無い。


これが普通のパンなのだろうか。それにしても美味しい。小食なアイリスだったが、この時は5つもパンを食べていた。


このパンを焼いているのは、世界のパン祭りで優勝したことある職人が焼いている。小麦粉やバター牛乳に至るまで全ての食材にこだわっている。特に人気なのがパンケーキだそうだ。


同じ食卓を囲むと話しが進んでとても楽しかった。やはり、みんなおしゃれな関しては敏感なものだから私とアルラの髪の毛を見て、どうやって手入れしているのなど、どこの香水を使ってるのなどの質問攻めだ。


そういう、彼女らも髪の色や髪型も違うが整っている。


彼女らいわく、「男性は第一に髪の毛を見る」だとのこと。私は胸しか見ないと聞いていたが……


髪は女の命。アルラが言ってた通りだ。


楽しい時間はあっという間に過ぎていくき、

集まったメンバーは全員解散し、食器をおいてクラスへと戻っていく。


「そろそろ行った方がいいな。」

「まって、あとこれだけ。」


そう言ってアルラは袋にパンを詰めていた。私は、そのくらいでいいだろといい、アルラの手を引っ張った。


これ以上は遅刻してしまう。


急いで教室へと向かった。














そろそろ本編に戻りたい……

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