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神聖剣使いの姫騎士と鬼神刀使い  作者: ザウルス
伝説の再起篇
12/63

精霊契約!?

アルラに呼び出されて、俺は神樹へ度向かっていく。


「それにしても……何かあるのかな?」


アルラが俺を呼び出すなんて中々ない。ほとんどの場合は勝手に遊びにくるからだ。


「ま、いってみればわかるか。」


神樹へと向かって行く。





「……お兄ちゃん……まだかな……」


ここは、神樹の頂上。そこには儀式用の祭殿が開かれている。


ここは、普段私でさえも立ち入り禁止なのだ。年に一度、精霊王のお祭りの時にお祈りをする場所として開放されるのだ。


ではなぜ、私がここにいるのか? それはね……



「ふぇ〜、相変わらずでかいな。」


あれからすぐにして、神樹へと到着した。


「さて、ちゃっちゃと屋上へ向かいますか。」


神樹の頂上まで300メートルくらいはある。普通は中にある階段を使うんだが……


「面倒だし、ジャンプして行こっと。」


途中で失速しても、木を蹴って加速できるし。


俺は足に力を込めて……


ビュン!!


一瞬でその場から消えた。


「よし、この調子なら余裕だな。」


普通なら2時間はかけて行くところを俺は、僅か10秒足らずで着くことができた。


「さーてと、アルラはをどこかな……あ、いたいた。」


着いてすぐにアルラを見つける事ができた。


「おーい、アルラ!」


伸びかけてみるが……


「…………」


返事がない。聞こえないのかな?


「おーい、アールーラ!」


先ほどより大きな声を出してみたが……


「…………」


やっぱり返事がない。


このまま、叫んでも疲れるだけなので近寄ってみることにした。


「アルラ、聞こえてるか……あらら、寝ちゃってる。」


アルラは寝ているようだった。気持ちよさそうに寝ているが、ここは寒いし、何より、なぜ読んだのかを確かめなくては。


「おーい、アルラ。起きろ〜。」


ほっぺたを突く。やはり女の子だけあってとても滑らかな肌をしている。


「……むにゃ〜。」


どうやら、何かいい夢でも見ているようだ。

でも、起こさないとな。


「……ちょっといたずらしてみるか。」


ただ、起こすのも面白くないのでちょっくらいたずらしてみよう。


(確か、アルラはをナメクジが嫌いだったな。よし。)


俺は、アルラの耳元で囁いた。


「おれは、ナメクジ男爵。今日も可愛い女の子をベタベタにしちゃうぞ〜。」

「……いや。」


おお、いい感じ。


「今日は君の体をベタベタにしちゃうぞ〜。そーれ、ベタベ〜タ。」

「……やめて。こないで!」


あと、一歩。


「は〜い、いただきまーす。」

「きゃー!!」


突然、飛び上がった。その間、俺のおでことぶつかりそうだったので瞬時に避けた。


何やともあれ起きたな。


「おはよう。アルラ。」

「あ、お兄ちゃん……」


何やら恐怖を見たような顔だ。


「さっき、ナメクジ男爵って男から全身をくまなくベタベタにされそうになる夢を見たの……怖かった……」

「おお、それは、怖いね。」


若干半泣き状態だ。少しやりすぎたかな?

ま、いいか。


「ところで、アルラ。どうかしたのか? おれを呼び出して……」

「あ、そうだった。」


さっきの姿とは一変して、アルラはものすごく真剣な眼差しになった。


「今日、お兄ちゃんをここに呼んだのは……」

「呼んだのは?」

「私と契約をしてもらうためです。」


ーーーっ! やはりそうきたか。


俺としては高位精霊。特に精霊王の娘。アルラとなればどれだけの名誉なことだろうか。


だが、俺には……


「……すまない。」

「……やはりでしたか。」

「ああ、俺としては山々だんだが……」

「いいえ、私もわかってましたから……お兄ちゃんが精霊契約をしないのが……」


俺は、精霊と契約をしない。いや、することができないという方が正しいか。


「でも、安心しろ。アルラはマサトーナが俺の契約精霊として登録してあるし、なんの心配もない。」


精霊契約は代償として、体のどこかに文様が浮かび上がる。だから、好きな時に呼び出すのもよし、ほったらかしにするのもよしだ。


文様は様々なところにできるので、ごくたまに見せにくいところにできることがあるため、見せる必要はほぼない。まー、ほとんどは腕の甲とか頬にできる確率が多いらしい。


最悪、門外不出だとか、家の仕来りだとか言えばなんとかなるだろう。


たから、安心して……


「だから、お兄ちゃんにあげたいものがあるの。」

「あげたいもの?」

「うん。ついてきて。」


こっちよとアルラのいう方についていく。


しばらくして、


そこにあったのは木のツタが絡み合っている場所だった。よーく見ると隙間から何か見える。


精霊語「我は風の王の遺言により、その道を

開けたまえ。」


なにやら、精霊語で呪文のようなものを話すと……


キキッガガガ!!


絡まっていたツタが徐々に縮まっていく。そして、その中から洞窟のようなものが出てきた。


「お兄ちゃんはここで待って。こっからは私しか入れないから。」

「わかった。」


そう言うと、アルラは洞窟の中へと消えていった。いったいあの洞窟になにがあるのだろうか?


しばらくすると、アルラが出てきた。その手にはないやら細長い箱をようなものを持っている。


すると、アルラは箱を渡してきた。


「開けてみて。」


言われるがまま、開けてみる。中には細長い棒状のようなものが布で包み込まれている。

その包みを解いていくと……


「これは……刀?」


中には、約130㎝ほどの鞘に入った刀があった。


とりあえず抜刀してみると……


「これは……木刀か?」


刃の色が、やけに濁ってると思ったらどうやら木でできているようだ。でも、美しい。


「うん。でもただの木刀じゃないよ?」

「というと……」

「これは、神樹の根から作られてるの。」

「……やはりそうか。」


木刀にしては、なにやら神秘的な力が伝わってきたのでまさかとは思ったが……


「それは、私のお父さんが作ったものなの。」


アルラのお父さんとなると風の精霊王か。


「お父さんは、この世が平和になるために様々な武器をつくってたの。でも、実際は自分の作った武器が多くの人間を殺したことに罪を抱いてそれっきり全くつくらなくなったわ。」


風の精霊王の武器は伝説として残っている。たしか、アリステル王国にも一つあったけな。名前は忘れたが。


「でも、お父さんがなくなる寸前に、最後の力を振り絞って祈りを込めて作ったのがこの木刀なの。」


最後の名作というわけか。


「本当は二本あったんだけど、なくなる寸前にお父さんの親友だった水の精霊王に渡してたは。これは、そのうちに一本。名前は神風。真打よ。」


本来、刀は二本作るのが支流だ。出来がいいものを真打といい、依頼人に渡したりする。影うちと言われるものは手元に残すか、他人に譲ったりする。


だがなぜ、真打ではなく影うちを水の精霊王に渡したのだろうか?


「その答えなら柄の部分をみればわかるわよ。」


言われた通り見てみる。そこには精霊語で……


我ヲ見ツメ、己ヲ鍛エ、刃ヲナクシ、道ハ開カレン。



「自分を見つめ、自分を鍛え、武器をを捨てれば平和の道は開かれるって意味らしいわよ。」


なるほど。つまり、武器以外にも平和を作る方法がある。そのまえに、自分を鍛えろということか。


「まさに、活人剣そのものだな。」


人を生かすための剣。


「お兄ちゃんにぴったりだと思うの。」

「なぜそう思う?」

「お兄ちゃんの過去になにがあったのかはわからない。でも、これからは人を殺すんじゃなくて、人を生かす事をして欲しいの。」

「人を生かすか……」


確かにそうだ。おれは、ただ、命令に従って人を殺していた。そいつがどんなやつだろうとお構いなくだ。今でも、覚えている。彼らの目には何かがあった。おれにはない何かが。


「この刀は、そこら中の名刀とは比較にならないくらいの頑丈さよ。切れ味は無いに等しいけど。」


なるほど、確かに今のおれにはぴったりなものかもな。


「わかった。ありがたくもらうよ。」


おれは、神風を鞘に戻した。


「よかった。あ、あと……」


アルラは俺の元に近づいてきて……


チュ。


頬にキスをしてきた。


「えへへ、大好き。お兄ちゃん。」


と言ってアルラはそのまま、どこかえ行ってしまった。


突然の出来事に俺は放心状態だ。


俺の頬は未だに暖かい。


こんな気持ちになったのは初めてだった。



















そろそろ、学園編にいくかな?

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