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神聖剣使いの姫騎士と鬼神刀使い  作者: ザウルス
伝説の再起篇
11/63

飲んで飲んで飲みまくれ!

この世界でのお金事情。


通貨はレンソ。単位や価値は日本円とほぼ一緒の設定。

「みんな、集まってるか!!」

「「「「うぉぉぉお!!」」」」


神樹のあたり一面、精霊たちで覆い尽くされている。普通、神樹に精霊が集まるのは特別な儀式とか祭りしかない。


だが、今回は……


「アルラの学園入学を祝いまして……乾杯!!」

「「「「乾杯!!」」」


アルラがめでたく? ニュークリアー学園へ入学する事になったのだ。ほとんど俺のおかげだがそれは内緒。


……で、今に至るわけだ。場違いな感じがするが……ま、いいか。今日は飲む!!


ゴクゴクゴクゴク


「かーー!!たまんないな!!」


やはり、妖精酒はたまんないな。かなり甘いが全然飽きない。


「おい、飲んでるか?マサトーナ。」

「プハ〜。勿論ですよ。」


先ほどまで警戒していたのに今は完全に適応している。流石はというところだろう。


「こんな機会滅多にないんだろ?今日は飲め飲め。」

「はい!今日は私1人ですから飲んで飲んで飲みまくりますよ!」

「よーし、その意気だ!」


バン!!


俺はとっておきなものを懐から出した。アルラが成人になるまで取って置こうとしたものだが、アルラは酒がダメらしい。匂いだけでも酔うんだとか。


「こ、これは!!」


流石のマサトーナもビビっている。ふふ、そりゃそうだよね。なんせ、これは……


「東国、和の国日ノ本の名酒投扇興だ!!」


貴族や酒豪達なら、喉から手が欲しくなるほどの名酒。地上に滅多に出る事がなく、一本

300万レンソはする。


「投扇興!?しかもこれは最高級クラスの……」

「ああ、金の78年ものだ。」


酒には時代によってクラスわけしてある。順番にすると金<銀<銅<青<赤だ。金が一番当たり年であり、無論高い。赤でも充分すぎるくらい美味しいが金と比べると次元が違いすぎる。


「78年もの!? 私ですら25年ものでしか飲んだ事ないのに……一体どこでそれを?」

「なーに、裏ルートで手に入れたに決まってるだろ。」


裏ルート。そこは、違法なものがわんさかあり、治安も悪い。だが、正規ルートでは手に入りにくい珍しいお宝や珍品が手に入りやすい。


法律もなければ警察もいない。犯罪者には好都合なところだ。


ま、生きて帰れないかもしれないがな。


……って、この話をマサトーナの前でしてしまった。流石にまずいかな?


反応を伺うと……


「なるほど、裏ルートですか……その手がありましたね。」


なんだか聞き捨てならない事を言ってる気がしたんだが……


「ま、その話はまた今度。とりあえず飲もうぜ隊長さん?」

「ふふ、そうですね。」

「あ、水割りとロックどっちがいい?」


このお酒、アルコール度数が78度もあるのだ。当然俺は飲めない。未成年だし。


「ふふ、貴重なお酒を水で割るなんてもったいない事なんて出来ません。ストレートでいきますよ。」

「大丈夫なのか?かなり強いぞ?」

「平気です。」


下手したから喉焼けるぞ?


……ま、いいか。


ポン!


瓶の蓋を開け、グラスに注ごうとしたら……


「面倒です!一気にいきますよ!」


と言うと俺の手から投扇興を横取りし……


ゴクゴクゴクゴク


一気飲みした。


「ん〜〜!お酒なのに上流の清水のようなサラサラ感。そして、何よりこの香りと甘み!」


どうやら、心配は無用だな。なんなら……


「ふふ、なら見せてやろう!俺の秘蔵のコレクションを!!」


ドン!!


あたり一面に酒瓶が広がる。どれも最高級クラスのものばかりだ。もちろん全部裏ルートで手に入れました。一本あたり平均すると220万くらいだ。


「こ、こんなに飲んでもいいんですか?」

「ああ、みんな無料(ただ)で貰ったやつだから問題ない。好きなだけ飲め。」

「私、あなたが初めて大物だと確信しました。」


む、失礼な。


「はぁ〜、私も暇さえあればな……」


裏ルートに行けるのになんて思ってるな。正直マサトーナには行って欲しくない。あそこにマサトーナみたいな綺麗な女が行ったら間違いなく襲われる。1000パーセントの確率で。欲望と狂気が混じってるところなんてもうこりごりだ。


そんな時俺にある考えが浮かんだ。


(そうだ!これを餌にして……うん。絶対上手くいく。それにはまず……)


「ぷはぁ〜、これもいいですね!」


マサトーナを酔わせないといけない。多分これぐらいあれば酔うと思う。なんなら、工業用アルコール(飲んだら死にます。)があるし。


「あ、これもすごい!」


当の本人は気付くそぶりもせずに飲み続けている。



1時間後……


「にゃは〜、気持ちいてしゅ〜####」


机の上に置いてあった名酒を全部のだ挙句やっとの事で酔ってくれた。


「カズトさんも飲んでくだしゃい!ほらほら!」


ギュ!


腕を俺の首に回しおもいっきり締め上げてくる。だが、その感に胸が当たって気持ちいい。


「だいたいでしゅね!あなたがいけないんでしゅよ?逃げてばっかで!」


それは、すみませんでした。逃げなければ暗殺されるからな。


「やっと見つけたと思ったりゃ、入学を断るだにゃんて、あなたは何様のつもりでしゅか!?」

「だから、入学するって言ったじゃん。」

「あはは、そうでした〜。マサちゃんぺ?」


いい大人がなにしてんだか。だが、計画通りだ。


ここで仕掛けてみることにした。


「なぁ、ここだけの話。」

「にゃんですか〜?」

「俺、実は金がなくてな。どうも、入学金が払えそうにないんだ。」


そう、実はびた一文もないんのだ。生活はこの森にいる限りは大丈夫だった。たが、都会に行くとなるとそうはいかない。宿泊費、食費、授業料などバンバン吸い取られる。


「それは、問題でしゅね。」


そう。だから……


「これから俺が美味しいお酒を月一で届けるから、学費をタダにしてくれないか?」


果たして、願いは届くのか。


「そうでしゅね……特待生はもう無理でし

ゅから……」

「なんなら、週一でもいいぞ?」

「……わかりした。理事長の権限でなんとかしましゅ。」

「あ、後アルラもお願いな。」

「そりぇは……」

「そういえば、この間、裏ルートで投扇興が箱売りしてたな。」

「わかりました。」


交渉成立!ちなみにこの会話は精霊に頼んで録音してもらっている。もし、仮に知らないとなればこれを使おう。


完全な脅迫である。


それはさて置き……


「アルラはどうしてるかな〜。」


マサトーナとの会話のせいですっかり忘れていた。


「神樹の頂上で待ってるって……何かあるのかな?」


俺は、急いでアルラの元に向かった。


ちなみにマサトーナは交渉の後直ぐに寝てしまった。




そして、すっかり存在を忘れられがちなガイアはと言うと……


「ガイア殿、そろそろその辺で……」

「うるしゃい!飲まなきゃやってられないですよ〜」


ベロンベロンに酔っ払って泣いたり怒ったりしていた。


「うう、姫が行ってしまう〜。」


全員が全員、そっとしておく事にした。


「そもそも、あの馬鹿(カズト)があんなこと言うから!」


その言葉にカズトがゾッとしたのは言うまでもない。

これは、多分まだ続きますね。

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