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異世界帰りの少年の大事件 ~TSした元男の娘の非日常~  作者: 九十九一
1-4.5章 依桜たちの(非)日常3

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161件目 依桜ちゃんと冬〇ミ3

※ 無事、2話目が間に合いましたので、投稿いたします。

「……え、や、やおい、これ、着るの……?」


 コスプレ登録証の『ちぇんじ』を購入し、更衣室の中へ。

 大きいカバンから、女委が衣装をを取り出し、ボクたちにそれぞれ手渡してきた。

 そして、女委に手渡された衣装を見て、ボクは困惑していた。


「もちのろんよ! たまたま、桜ちゃんと同じような性格のゲームキャラがいてね! そのキャラの着せ替えにあったメイド服を用意しました!」

「え、で、でもこれ、その……は、恥ずかしい、んだけど……」

「大丈夫! 恥ずかしいのは最初だけだから!」

「……桜、諦めなさい。やおいは、体育祭の時点ですでに企んでいたから」

「ええ!? そんなに前!?」


 ということは、最初からこの衣装を着せる気満々だったってこと!?

 少しでも申し訳ないと思った自分が馬鹿だよ。


「でも、桜ちゃん手伝ってくれるって言ってたよね?」

「そ、そうだけど……」

「諦めなさい、桜。正直、私もちょっと困惑してるから」

「……うぅ、ほんっとうに、やおいはこういうところあるよね……」


 ここまでくると、本当に呆れしか出てこない。

 と言うか、なんでこんな衣装を……。

 た、確かにちょっと可愛いけど……。


「そ、それに、こういうのは似合わないよ……」

「大丈夫大丈夫! じゃあ、ちゃっちゃと着替えちゃお! 髪型もセットしないといけないんだから!」

「え、ちょっ、や、やおい、どこ触ってっ……きゃあああああああああああああ!」


 結局、やおいにされるがまま、ボクは強制的に着替えさせられました。



「あぅぅ……は、恥ずかしいよぉ……」


 着替え終わり、やおいに髪型のセットを施された。

 最初は化粧もする、って言っていたんだけど、


「これ、桜なら化粧いらないんじゃないかしら? そもそも、必要ないくらいに綺麗だし」

「だねぇ。じゃあ、リップだけでもしておこっか」


 化粧はせず、リップだけとなった。

 ……ボク、化粧とかはよくわからないから、ちょっとほっとした。


「それにしても……似合うわね。さっき、桜が着ている服の元ネタ見たんだけど、そっくりよ。むしろ、そっくりすぎて、二度見したわ」

「そ、そんなに?」

「うんうん! 桜ちゃんが着ているのは、まあ、期間限定で販売されていた着せ替え衣装なんだけどね、わたしがそのキャラ推しだったから、何の躊躇いもなく買ってね。それを見て、『桜ちゃんが着るならこれだ!』って思ったから、田中さんと合同で作りました」

「……本気すぎるよぉ……」


 自分の好きなことには全力投球なやおい。

 怒りなんてもうなくて、あるのは諦めだ。

 ここまで趣味に全力投球できるのは、素直にすごいと思えるんだけど、それがボクも巻き込んでのことだから、本当に困る……。



「うんうん、髪型もバッチリ!」

「そうね、これって、お団子、でいいのかしら? と言っても、基本、髪は全部下ろしてるけど」

「そうだね。小さめのお団子三つ編みでぐるっと囲ってるだけだからね。それ以外は全部普通に下ろしてるし。桜ちゃんの髪、サラサラでやりやすかったよ~」


 ボクの髪型も変更が加えられました。

 頭の一ヶ所に、半分くらいのお団子を作って、そこを三つ編みで囲う、みたいな髪型。これって、名前とかあるのかな? 髪型の名称に関してはよくわからなくて……。


「桜ちゃん、すっごく可愛いよ~」

「あ、ありがとう……二人も似合ってるよ」

「ふっふっふー。わたしの選択にミスはないのだよ! 椎名ちゃんも、その服大丈夫?」

「ええ、特に問題はないわよ。……ただ、ちょっと、お腹が寒いかしら?」

「んーまあ、それもモデルキャラがいるしねー。諦めて」

「まあいいけど。さて、私たちも戻りましょうか。二人が待ってるし」



 依桜……もとい、桜たちが着替えに行ってから、約四十分。


「しっかしよー、桜は大丈夫なのかねぇ?」

「さあな。少なくとも、大丈夫じゃないだろう。変な衣装を着させられてなきゃいいんだがな」

「まあ、それはそれで眼福って奴だなー」


 こんな風に、俺とクマ吉は適当に喋っていた。

 なんとなく、会場内を見回していると、俺たちと同じように、喋っている人や、準備をしている人、チラシを配っている人などが見受けられた。


 コ〇ケなんて、参加したことなかったが、なかなかにすごいんだな。

 今は真冬と言ってもいいくらいに冷え込んできている。

 にもかかわらず、外には人が大勢いるし、中も活気に満ちている。

 すごいものだ。


「てか、やおいが偽壁サークルだとは思わなかったぞ、オレ」

「そう言えば、それってすごいのか?」


 女委が言っていた、偽壁サークル、という単語が気になっていたことを思いだし、態徒に尋ねる。


「そりゃすげえよ。壁、もしくは偽壁にいるのは、大手と呼ばれていたりするサークルでな。簡単に言っちまえば、売れてるサークルって感じだな。ゲーム企業で例えるなら、幻天堂とか、レベルスリーとかだな」

「なるほど、そういうことか。つまり、やおいはかなり売れている同人作家ってことか?」

「そうだな。しかもあいつ、二種類本作ってやがったし」

「すごいのかわからないな」

「オレも詳しくは知らんが、少なくとも、この厚さの、同人誌を二冊一人で全部書くのって、相当やばいと思うぞ」


 そう言って同人誌に視線を向ける態徒。

 俺も同人誌を見る。


 たしかに厚いような気がする。

 通常のマンガの単行本よりは薄いが、それでも、四分の一くらいある気がする。それを学生の身でありながら二冊分と考えると、意外と化け物なのかもしれない。

 描き始めたのは、十一月とも言っていたな、そう言えば。


「てか、早く戻ってこねーかなー」

「そう言うな。着替えに手間取っているだけだと思うぞ」


 と、ぐでっと机に突っ伏しだした態徒にそう言っている時のこと。


『おおおおおお……』


 なにやら、会場の一部が騒がしくなった。

 なんとなく、視線をそっちに向ける。

 態徒も、それが気になったのか、机から顔を上げて、騒ぎの方へと視線を向けていた。


『や、やべえ、何だあの娘……可愛すぎて、マジ尊い……』

『ケモっ娘メイドっ、だとっ……? な、なんて完璧なコスプレ!』

『ま、まるであらゆる萌え要素を体現したかのような存在……す、素晴らしぃ』

『あの銀髪って、染めてる……わけないよね。なんか、すごく自然だし……』

『それに、碧眼だよ、あの娘。可愛すぎて、脳死しそう……』


 ……ケモっ娘メイドに、銀髪。そして、碧眼。

 ……桜か?


『つーか、他の二人のレベルもめっちゃ高くね!? って、あれ。よく見たら、やおいさんじゃね?』

『マジだ! さっすが、黙っていれば美少女作家と呼ばれるやおいさん! マジパネェ!』


 ああ、間違いないな。これは、桜たちだ。

 ……一体、どんな服を着たんだ。


「やーやー、お待たせお待たせ!」

「ちょっと遅れたわ。問題は何もなかった?」

「ご、ごめんね、二人とも。待ったかな?」


 と、あの騒ぎの方向から、桜たちがこっちに来て、口々にそう言ってくる。

 そして、俺と態徒は固まった。


「「か、可愛いな」」


 結局、最初に言った言葉はこれだった。


 事前に、桜がメイド服を着ることは知っていたので問題なかった。


 だが、今桜が着ている服は何と言うか……ああ、コスプレだなとわかるような服装だった。


 服装的には、メイド服だな。言っていた通り。

 水色と白の二色を基調としたデザインで、フリルも多くあしらってある。腰の辺りに、大きいリボンが付いているな。見た感じ、可愛い系の服装なので、桜にはぴったりと言える。

 他にも、白のニーハイソックスを穿いている。よく見ると、ガーターベルトだった。


 ここまで見れば、ごく普通のメイド服だと思うことだろう。


 だが、だがしかし、全然普通とは言えないようなものだった。


 まず、通常とは違って、胸から上が全部露出してる。

 そのため、桜のかなりのサイズの胸が丸見え状態というわけで、だな。正直……目のやり場に困る。


 それに、この寒い冬の時期だというのに、袖すらないというな。いや、袖に似たものは着けているようだが……たしかあれは、デタッチド・スリーブというものだったか? 着脱可能な袖だったはず。

 それぞれ、二の腕と手首辺りに付いているな。

 桜が着ているメイド服は、明らかにスカートが短い。膝よりも上だ。


 大丈夫なのか、あれ。


 まあ、それはそれとして、椎名とやおいだな。


 椎名は、肩と腹部を少し露出した感じの巫女服だ。

 巫女服と言うだけあって、赤と白がメインの様だ。

 実際、椎名は和装が似合うからな。ものすごく似合っている。

 ほかにも、大きなリボンが後頭部付いているところを見ると、何かのキャラクターだろうか?


 そして、やおいは、黒のタンクトップにホットパンツ。黒のニーハイソックスにふくらはぎの中ほどまであるブーツ。

 深緑色のジャンパーを腕だけ通している。あの着方って、名前とかあるのだろうか?

 他にも、アクセサリーとして、大きい眼鏡と、ヘッドホンを首に着けている。


 これはあれだな。某怪盗ゲームに登場する、ナビゲーター的存在のあのヒロインのコスプレだろう。

 似合っていると言うのが何とも……。


「三人とも、普通に似合ってるぞ」

「おう! めっちゃ可愛いぜ! 桜とか、耳と尻尾がいい感じにマッチしてて、特にいいぞ!」

「あ、あはは……個人的には、かなり恥ずかしいんだけどね、これ……」


 何やら遠い目をしている桜。

 みれば、尻尾と耳が垂れ下がっている。何かあったのか?


「にしても、始まる前だというのに、うちの注目度すごいねぇ」

「……何言ってるのよ。わかり切ってたんでしょ? 桜をコスプレさせて、売り子にさせようとしている時点で」

「まあねー。本当は、翔君とクマ吉君にも用意しようと思ったんだけど、間に合わなかったからねぇ。ごめんね?」

「いやいやいや! 全然大丈夫だって! オレ、コスプレとかしたくねえから!」

「俺もだ。……体育祭のあれで、すでに懲り懲りだよ」


 まさか、王子衣装を着ての応援になるとは、これっぽっちも思ってなかったからな……本当に酷かった。

 あの後、さらにラブレターが増えていて、本当に大変でな……。


「そっかぁ、残念。まあいいや、それじゃあ、最後にそれぞれの分担確認だね。まず、桜ちゃんと椎名ちゃんの二人は、売り子をお願いします」

「えっと、売り子って何かな?」

「簡単に言えば、レジです。本を頒布すればOKです。一応、一部五百円の販売だから、計算もしやすいから安心してね」

「わかった」

「了解よ」

「それで、翔君とクマ吉君は、参加者の整理をお願いしたいんだ。正直、さっきのちょっとした騒ぎを見ていればわかると思うけど、確実に行列ができると思うから」

「おうよ!」

「わかった。ということはあれか、桜と椎名の二人が売り子ということは、二列にしたほうがいいということか?」

「そうだねー。あと、隣のサークルの邪魔にならないよう、上手くカーブさせたりするのも頑張ってね」

「ああ、了解だ」

「うんうん。それじゃあ、今日はがんばろー!」

「「「「おー」」」」

 どうも、九十九一です。

 朝言っていた通り、2話目です。今日は無事にもう一話分が書けましたので、投稿しますね。と言っても、ちょっと短めになりましたが。本当は、3話程度で終わらせようと思ったのですが、下が異常に長くなると気付き、数字構成にしました。多分、4、5くらいで終わります。

 さて、明日もいつも通りだと思いますので、よろしくお願いします。

 では。

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― 新着の感想 ―
[一言]  巫女服でリボン? 霊夢かな?
[一言] 漫画書くのは小説書くよりも大変ですからねぇ。 ネタ考えて、コマ割りして、下書き書いて、ペン入れして、ベタ塗ってトーン張って・・・ 一度だけページが足りないからと強制的に四ページ書かされたけど…
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