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91話 茶道部に情報を? 2

➖茶道部➖

 伊月と放課後に茶道部に来ていたのだが……何故か部長さんが同席することになっていた。緋華さんの情報みたく、茶道部の部長さんは森前先輩がいると情報料を取らないとのこと。しかも嘘の情報を流すことはないのでお願いしたらしい。一体どんな人なのかが楽しみなのだけども流石に怖い人ではないといいけどね。部長さんは「ここの学校で一番情報を持っているから」と言ってはいたけど、どうやってそういう情報を調べているのかが気になる。


「入りなさい」


 部室であろう教室の前に三人でいると中から声が聴こえてきた。部長さんは嫌そうな顔をしながら先に部室に入って行ったので僕と伊月も後を追って入るとそこには……牛鬼がいた。伊月はいつでも逃げれるようにドアの近くにいる。


「そこまで驚いてくれるなんてうれしいわぁ」

「二人とも……ただの蜘蛛だから警戒はいらない」


 部長さんがそう言うと牛鬼の形をしていた物がバラバラになって小さな蜘蛛が部室の外へと出て行った。牛鬼らしき者がいた所には下半身が蜘蛛の形をした男の人がいた。多分身長は190cm以上で爽やかなイケメンが着物のような制服を着て座っていた。部長さんに座るように言われたので僕と伊月は隣同士でその蜘蛛の先輩の正面に座った。


「あらあら私が美しいからって見惚れていてはダメよ」

「さっさとお茶を出すなりしたら?」

「もりん……悪いけど今日は部活が休みだったの」


 そんなことをいいながらペットボトル飲料を取り出して紙コップに注いでくれて僕らに配ってくれた。今日は部活が休みなのに僕らの為に部室を開けていてくれているのかと思うとありがい。蜘蛛の先輩は「そういえば自己紹介がまだだったわね。茶道部部長兼情報屋の女郎(じょろう)糸湖(けいこ)よ」と名乗ってくれたので僕らも名乗ろうとしたらもう知っているとのことだったので何も言えなかった。


「それでアナタ達が聞きたいのは何かしら?」

「色々とあるが……妖狐と古村が変わった原因って分かるか」

「年上に敬語を使わないタイプなのね」


 なんて言いながら女郎さんは手に顎を置きながら何やら考え事をしている素振りだった。伊月はそのことが気になるんだね。妖狐さんに関しては知らないど……古村くんは僕と前世の子が被って見えているからではないのかな? 流石に他に理由なんてないと思うんだけど、他の理由もあって欲しいと思ってしまう僕がいるのは確かなんだよね。


「・・・私の推測で良ければ」

「この際いい」

「そう。妖狐ちゃんに関しては何者に操られていると思って動くべきね」


 女郎さんは、自分の分身体である蜘蛛を使って学校の色々な所を調べていてそれをメモしているらしい。だが数名は何も調べられていないと言う。その中に妖狐さんが入っていて、分身体を即見つけると潰してしまうとのこと。今は大人しくなっているだけではあるが蜘蛛を付けようとも情報を掴めないどころか……ショー先生にバレて叱られる始末。


「逆に古村くんについては洗脳とかはされているってことはないでしょうね」

「・・・すでアレは化け物すぎ」

「女郎にしては嘘を言っていない」

「心が分かる人が居ればね。洗脳やらは、もりんの専門でしょ」


 女郎さんはそこんところどうなのよ? みたいな視線を送り部長さんは「妖狐さんは今は混乱している。古村に関しては……今はクリアに読める」と言い、伊月は何かを分かったみたいな顔をしているが僕にはさっぱりだ。誰か教えてくれませんかね? 僕だけが置いていかれるなんてことはあっていいのかな?   別にいいんだろうけどさ。


「雨歌、洗脳されている時は心は霧がかかっているんだよ」

「普通に読めるってことは洗脳されていないってこと」


 それってつまりさ部長さんはおそらく洗脳されていることを分かっている状態で何も言わずにいたってことだよね。・・・洗脳されている人間に対して何か行動を起こしてもし先輩が怪我をするかもしれないから無視するのが正しかったんだろうね。「もりん……いつでもお茶を飲みにおいで。最高の飲ませるから」と何故か優しい目をしながら女郎さんは部長さんに言った。


「俺は情報はコレに書いてくれないか?」

「なるほどねぇ。分かったわ」

「僕からは一つだけいいですか?」

「良いわよ」

「僕が1番警戒した方がいい人物はいますか?」

「紫藤緋華ね」


 即答で言われて僕は驚いていたが伊月や先輩は予想でもしていたのか驚いている様子は一切ない。伊月は「お前のことを喰おうとしている奴を1番警戒しないでどうする」と言われてしまった。僕は伊月にそう言われた瞬間に思ってしまったことが《いや、伊月もそうなのでは?》と。声に出してそんなことを言ったら色々と言い訳をするだろうから僕は声に出さないように我慢した。


 二人の先輩は声に出さないように我慢しているがプルプルと体が震えてしまっているので笑うのを必死に我慢しているのがバレバレである。伊月は僕しか見えていないのか知らないけど、二人に対して何も言わない。


「アメちゃんに私からプレゼントね」

「あめ……? 雨歌ですから(アメ)ちゃんなんですね」

「そうなのよ」

「コレはお返しします」

「それなら君に依頼したいことがあるからその料金ってことで受け取って」

「分かりました」


 女郎さんにもらったプレゼントを片手に部室を伊月と二人で出た。プレゼントは家に帰ってから開けるように言われたのでどんなものが入っているかは分からない。初めて会う先輩にもらうのは少し気が引けるので返そうとしたら依頼料としてもらうことになってしまった。学校でお金のやり取りはやめておきたいとのことので仕方なく受け取った。依頼内容は聞いていないけども何か変なことはされないだろう。

 

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