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83話 学校復帰3

➖空き教室➖

 暴走? している緋華さんを説得する為に空き教室まで来たのはいいけど椅子に縛られていた。リム先生が肩で息をしているので一人で頑張ってくれたのだろう。伊月は「バカだろ。コイツ」と言いながらリム先生を教室の外へと連れ出した。その際リム先生は少しだけビクっとしたが一緒に出て行ってくれた。やっぱり伊月のことはまだ怖いらしい。今は緋華さんのことを考えるか。


「何をやらかしたんですか?」

「んーんー」

「口のやつ外すので待ってください」


 僕は緋華さんに付けられていたガムテープを外して少し距離を取って何をやらかしたのかをもう一度尋ねた。緋華さんは何故か少し焦っているような感じがした

 緋華さんは「ここまでやっときたのに……君が死ぬんじゃないかって思ったら側で守りたい。一番近くで君を感じたい」と言ってから俯いた。それを言われてしまったら僕は何も言えないなぁ。あの件で僕が死にかけて色々な人が相当悲しんだって聞いたし、こればかりは僕が悪い。


「緋華さん、僕は昔は消えたかったんです」

「うん」

「緋華さんや伊月に出会わなかったらここにはいませんでした」

「知ってる。どうして消えたかったのかも」

「だから僕は自分が死んでも何も問題はないです」


 あの手帳の中身を見たからなのかは分からないけど、知っていたらしい。一度見せたことがあるからその時に読まれていたかもしれない。緋華さんは知っていて伊月はおそらく知らないことだろうなぁ。まぁ僕のことを知っているなら好都合だ。緋華さんの行動理由を教えてもらおう。


「僕が死んだらどう思いますか?」


 いやそんなことを聞きたい訳じゃないんだよ。それを聞いた緋華さんは悲しそうに僕を見ていた。僕は「言いたかったことはこれではなくてですね」と緋華さんに言い訳みたいなのをする。緋華さんは少しだけ微笑みながら「君は本当に変わらないな」と言って縛られていた縄を持ってこっちに向かってきている。いやなんで普通に抜け出して来れるんですか?


「お兄様に一応教えてもらった」

「あのシスコンめ」

「どうする? 逃げるか縛られるか」


 怪我して逃げれないのが分かっているのでただ遊んでいるだけなんだろうな。この場を抜け出すことを出来る可能性が一切ないから詰みだ。伊月が外で待っていてくれてはいるから最悪大きな声で呼べばいいとは思うんだけど、僕を人質にされたら伊月は何も出来ないだろう。嘘は見破られそうな気がするけど選択肢はそれ以外に何もないしやるか。


「そんなことを言って良いんですか?」

「どうして」

「この会話は録音しているんです」

「そんなことは雨歌くんも伊月もしないでしょう」


 はい、そんなことは一切しません。ここで嘘がバレても嘘じゃないってことを思わせたら僕の勝ちじゃないのかこれ。誰の名前を言ったら信用してくれるんだろうか? ショー先生はしなさそうだなぁこんな面倒なことは。水原先生の名前を借りてもいいけど後が怖そうなのでやめておこう。リム先生は……無理だし、保健室の先生はもっと無理だぁ。マジで詰みじゃんか。


「どうしたの?」

「あ~いいこと思いついただけなので」

「へぇ~何?」


 緋華さんはおそらく僕がこの場からどう逃げようかと考えていると思っているでしょうがそれは正解です。とりあえずは「いいこと」って言ってそれに注意を引き付けられたが考えるのに時間を掛け過ぎたら追いつめられるだけので僕に不利益が無くて緋華さんがのるようなことを考えないといけないからどうしたのもか。少しの間であれば喋りながら何かを考えれるから問題はないかな?


「もしかして何も考えていなかったりする?」

「緋華さんが食らいついてくれるかなって考えていただけです」

「それ言ってよかったの」


 あれ? 何故か呆れられたような表情になったのは僕の気のせいかな? まぁそれは良いとして緋華さんは少しだけ考える素振りを見せるので僕はその一瞬で考えをまとめないといけない。まずは僕への不利益になるものを考えることにする。1日くらいは身動きが取れなくても問題はないけど、1日中ずっと一緒にいるのは不利益になるかな? 気疲れするってだけだから別に問題はないんだけど。


 次に緋華さんがのるようなことを考えなきゃいけない。緋華さんが好きなのは……きなこもちって言っていたなぁ確か。それ以外は……僕って…………言って、いたからその二つで考えよう。二人で一緒にきなこもちを作るでもいいけども手も怪我をしているから料理も止められているんだよね。そうなると僕を使って条件を付けることにしょう。緋華さんは優等生って話だし、テスト結果とかでは意味がないから頑張ってもらう期間を使ってそれに応じたものを出そう。


「緋華さん、4ヶ月間頑張ればご褒美をあげますよ」

「・・・それは?」

「僕です」

「本当に?」

「ただし条件があります」


 僕は緋華さんに『4ヶ月間頑張ること』『留年するとかは言わないこと』『ご褒美中でも四六時中は一緒には入れないこと』の三つだ。「1日は僕を好きにしていい」と伝えたところ、速攻で食いついて来て「絶対だよ? 嘘とかは無しね」と言って空き教室から飛び出して行った。出て行くのを見届けながら僕はあることに気が付いた。


「お風呂を別にするの忘れてた」

「そこですか……もっと違うことを気にしないといけないのでは?」

「お前、アホだろ」


 緋華さんが出て行った後、伊月とリム先生が入って来て僕が言ったことに返してきた。リム先生は全然いいとして伊月は許さん。ってか外まで聞こえていたよね? 助けに来てよ

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