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68話 怪奇現象調査?1

➖廊下(2階—家庭科室前)➖

 伊月が出る際にインカムを左耳に無理矢理付けられたが外す理由もないのでそのままにしているけども何も聞こえてこないし必要かなと思いながら僕らが最初に調べる所に着いた。家庭科室で物音がよく聞こえたり誰かが料理をしていた跡が残っているとかいないとか。残業をしていた教師や夜中巡回している警備員さんにおもちゃのナイフが飛んできたという話をリム先生に聞いた。


 家庭科室の中に入らないといけないのが嫌なんだけどもどう逃げたらいいのかな? おもちゃでもナイフが飛んでくるのは物凄く怖いんだよ。僕が少し怖がっていると会長さんがなんの迷いもなくドアを開けて中にずかずかと入って行った。その後に古村くんも入って行って、リム先生と日祟さんはお互いに顔を見てから中に入って行った。廊下に残された僕はどうしたら……というか躊躇してくれてもいいのでは?


 入るしかないので仕方なく家庭科室に恐る恐る入ったがそこには何もなかった。まぁ怪奇現象なんてそうそうあるわけではないか。何事も無いのは良いことだと思っていたらガスコンロで火をつける音が聞こえた。聞こえた方を見ると包丁が浮いていた。まな板にあるのは大根だったので味噌汁にでもいるのかな? 何を作るかを気になってしまって近くに座り完成を待つ。


「何をしているんですか?」

「リム先生は見えないんですか」

「えっ? 包丁が……食材が浮いているんですが」


 料理をしている人は見えないので包丁や食材が勝手に動いているようには見える。リム先生と不思議に思っていると古村くんが「こんな害虫はさっさと祓った方がいいだろう」と言って剣を向けていた。剣を向けている方は幽霊? ではなく僕にだった。コイツ……僕のことを害虫って言いやがったぞ。僕は害虫じゃないしそれは紫音さんの方に言う言葉だろうが。


「僕はお前が嫌いになりそうだ」

「あぁ安心してくれ。ボクは嫌いだから」

「お二人とも一旦止まってください」


 会長さんが日祟さんと一緒に何かを持ってきた。リム先生は何をしたらいいか分からずにオロオロとずっとしていた。二人が何を持ってきたのかを見ると……執事服とメイド服だった。これって片方は僕が着るの? そんな疑問を抱きながら日祟さんに「このメイド服は僕が着るんですか」と言うと目を逸らされた。次に会長さんの方を見るとダブルピースをしていた。


 なんでダブルピースをするんだよ。リム先生は「可愛いので着てみたらどうですか?」と僕に言ってきたがコレ女性用のメイド服ですよ。可愛いから僕に着てみたらではないでしょうが、この先生ってもしかして頭良くない? いや頭は良いんだろうけど、その他に関しては何も考えていない可能性があるかな。


「似合っているかもしれないから着たら」

「剣を向けるのをやめてくれない?」


 古村くんがそう言うので会長さんとリム先生が目をキラキラして僕を見てくるので面倒だ。しかも剣を向けるのはやめてくれないので脅されている構図になっている。日祟さんは「匡介は剣をしまってくれ。不澤、悪いけど着てやってくれないか?」と言ってきた。いや怪奇現象を調査しなくて・・・はぁ着るしかなさそうな雰囲気だから着るか。



➖廊下➖

―伊月視点―

 怪奇現象を調査するということで緋華と森前先輩、ショケイくん先生と共に行動しているのだが特に何も問題はない。調査する必要があるかどうかがわからないくらい何も起きていないので帰りたいだが。雨歌の所はどうなっているかをスマホで確認してみ……圏外になっているんだが? 確か霊が機械に影響を与えたりした筈だったな。


 インカムは……もちろん無理か。雨歌の安否確認をしたいんだが出来ない状況なのは流石に予想外だな。怪異的なものだけではなくて古村がいることに関しても心配なのだが、教師もいるし下手なことは流石にしないか。雨歌の身に何かあったら暴走しそうなのがここにいるから連絡手段をどうにか確保しないといけないな。


「伊月、雨歌くんの場所って分かる?」

「家庭科室に行くって話じゃなかったか」

「私は離脱して雨歌くんの所に行くから」


 緋華はそう言って走ろうとしたところを俺は襟を掴んで止める。ホラー物で一人になったりするとソイツが死んだとかはよくある話だしな。緋華に何かあったとしても別に俺は何も問題はないが、雨歌やその他の奴らが悲しむだろうからなんとしてもそれだけは避けたい。だからこの暴走機関車(雨歌のことに関してだけ)を本気で止めないといけない。どう止めたらいいのか、分からないのでとりあえずは襟を掴んではいるけどそのうち逃げるだろうからな。


 何かあればいいのだが……ん??? 目の前から何かヤバいのが走ってきてないか? 両手に鎌を持って走っているのは80代ぐらいのばあさんがこっちに鬼の形相を浮かべながら「お~ど~れ~ら~」と叫びながらこっちに向かってきている。俺と緋華はお互いに顔を見て「コレは逃げるべきだ」とアイコンタクトで言って襟を放して逃げる。


 ショケイくん先生と森前先輩にもヤバイのがこっちに来ていると伝えたが信じていない様子だったので俺と緋華の二人はこっちに向かってきているばあさんを見せたら「よし逃げるぞ。森前は運動は苦手だったよな?」と先生は森前先輩に言っていた。森前先輩は頷いていたので先生が担いでダッシュで逃げてた。俺たちも後をついて行ったが物凄く先生が速い。


 俺は撒けているのかを確認するために速度を落として後ろを見るがまだ一定の速度で付いて来ていたがそんなことは今はどうでもいいんだ。何故かじいさんが追加されているのがびっくりしてしまった。しかも殺意が物凄く高いのか、チェーンソーを持って追いかけていた。捕まったらどうなるかは手に持っているのを見たら簡単に想像がつくので絶対に捕まる訳には行かない。

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