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60話 お家デート3

自宅リビング

 リビングのソファーで僕と伊月と緋華さんの順番で座りながら三人でテレビゲームをやることになってプレイする順番は僕、緋華さん、伊月となっていた。伊月いわく僕が苦手とするホラーゲームらしいのだがいつの話をしているんだよ。僕だって成長して……いなかったよ。何これめちゃくちゃ怖すぎてコントローラーが震えてちゃんと操作できない。このゲームは館に囚われて脱出する為に謎解きをしていくというものだ。それだけならまだよかったが、突然ソファーの中からゾンビが出てきたり、金庫のパスワードを間違えたら上からタライが落ちてきたりでもう踏んだり蹴ったりだった。


「三人で出来るからするか」

「なら僕は1番手にしたのさ!?」

「これ見たらやらないって言うだろお前」

「そんなに怖いこれ?」

「緋華、やるぞ」


 伊月は緋華さんにコントローラーを渡してからプレイ設定を一人から三人に変え再スタート。今度は館ではなく病院になっていて画面は三分割されていた。伊月がプレイしたことはあるみたいで簡単に終わると思ったが伊月から「これ答えはランダムになっているからな」と言われ僕は絶望した。そんな僕を見た緋華さんが「似たようなものが多いと思うけど」と言われてハッとした。確かに謎の答えは変わるとしても問題自体は似たようなものが多いか。


 とりあえず三人で行動をとることにした。別々に行動は出来るので僕は別行動を提案したんだけど、二人は心配だということで一緒に謎解きをしていくことにした。今のところ順調に進んでいるのでよかったと思っていたが、最後の謎解きをしている伊月から「そういえば低確率で死神が出てるから気を付けろよ」と言ってそれを聞いていた緋華さんはジト目で伊月を見ていた。伊月はそれを無視しながら最後の謎を解き終わり「ここからが勝負だぞ」と言って出口に向かってダッシュを始めた。


 画面の右上にはタイムリミットが表示されていたので僕と緋華さんは急いで伊月のアバターを追いかけるのだが急に画面が真っ暗になり不穏なBGMが流れてきて、暗い画面から大鎌を持った骸骨が出てきた。画面が元に戻ったので出口の方へとアバターを動かすが目の前に何故か死神がいてそのまま首をはねられた。10秒ほどで首をはねられたんだけど、どういうこと?


「雨歌くんの仇は必ずとるから」

「それは無理かもしれないですよ」

「えっ?」


 緋華さんは少しだけ画面から目を離しただけでやられた。あと、残るのは伊月だけになったので応援をしようと思ったら殺された。1分も経たずに3人ともゲームオーバーになった。僕ら三人はコントローラーをテーブルの上に投げた。何アレ、見た目怖くて素早くて捕まったら即死とかバグかよ。誰がクリアできるんだよ。


「他のゲームやるか」

「何があるさ」

「ちょっと待ってね。お兄様の部屋から無断で借りてきたのだから」

「お前、無断で持ってきたのか」


 紫音さんのだったら別に無断で持ってきても問題がないと思うんだけど、流石に連絡だけでも入れておこうかな。事後報告になるが紫音さんに連絡を入れたら即既読になり返信がきた。「別にいいが緋華と二人っきりになるなよ」とあったので一応気を付けておこう。スマホをしまったら伊月からソフトを渡されたのでパッケージを見ると何も書いてなかった……というかパッケージ自体が無かった。


 何これと思いつつも中身を確認する為に開けると何も入ってすらいなかった。嫌がらせなのかなと思いながら伊月を見るとプルプルと肩が震えていた。コイツ、わざと何も入っていないの渡してきたのか。よし、バトル系のゲームでボコボコにしてやる。ソフトは……あれどこだ? さっきこの辺にあった筈なんだけどどこにいった。再度伊月を見るとソフトを片手に持っていた。


「緋華、これやっても問題ないか?」

「大丈夫。バトル系ってやったことはあるの?」

「少しだけな。雨歌やるだろ」

「もちろん、ボコボコにしてやる」


 緋華さんはやらないということなので僕と伊月だけでやることにした。僕はやったことがないので伊月に教えてもらった。ボコボコにしてやると言った後でやったことがないって言うのは少しだけ恥ずかしかったけど、それでもムカついたのでボコしたい。このゲームは様々なドット絵のキャラクターを操り対戦者や敵のHPバーを削り切れば勝ちだ。


「何か罰ゲームを決めるか?」

「いいね。何にしようか」

「明日1日女装ね」

「「えっ?」」


 会話に参加していなかった緋華さんの急に罰ゲームを提案してきたので僕と伊月は驚いてしまった。罰ゲームの内容に対しても驚いているのはいるけどさ、なんで関係ない緋華さんが罰ゲームを提案するの。まぁ別にいっか、伊月も断るだろうから問題はないか。「いいかもな」と伊月は言い出したので僕は物凄く驚いた。


 伊月は絶対に断るタイプだと思っていたんだけどノリノリでやろうとしているんだよ。しかも少しだけウキウキになって居るのは何故なんだろうかな? 僕に勝てるって自信があるのか……初心者だから負ける可能性の方が高いのは高いんだけども負かしたい。どのキャラを使うかによって勝てる可能性はあるだろうからどうしようか。


「一応言っておくけど、学校でもだよ」

「良いぞ。俺は負ける気はしねえからな」

「僕もいいですよ。その余裕そうな顔を叩きつぶしてやるよ」

「やれるもんならやってみろよ」


 僕と伊月はバチバチし合っているのを近くで見ている緋華さんは少し呆れた目で見ているがどこか楽しそうにしているので放っておこう。僕と伊月は緋華さんに罰ゲームをするために録音してもらってしっかりと言い逃れ出来ないようにした。お互いにキャラを決めてゲームをスタートを押した瞬間、緋華さんが伊月の隣から僕の後ろに移動してきて座った。緋華さんは僕とソファーの背もたれの間にいるという状況が出来ていた。なんでここにいるのと思うながら出来るだけ考えないようにしながらゲームに集中する。

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