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59話 お家デート2

➖不澤家(雨歌の部屋)➖

―伊月視点―

 雨歌と緋華が買い物に出かけた後、各部屋に不澤家の人がいるかを確認して連絡を送って時間が空いたので雨歌の部屋のクローゼットで盗聴器などがないかを調べることにした。本当は緋華の部屋を調べたかったが何故かアイツは隠すのはうまいから探りを入れるのは流石に無理なんだよな。緋華はまだ大きな秘密を隠していて誰かと協力している可能性はある。よく考えたら妖狐の奴が前世でゲームを作ったことを隠すのは分かるが何故? タイトルを教えてくれなかったのかが分からないからな。


 そういえば妖狐はあれ以来俺らに話をしに来なくなったしすっかりと大人しくなってクラスでも一人になっていたな。俺はそこまで気にしていなかったが今になったら違和感がないのはおかしいと思えるようになってきたな。緋華と妖狐の会話で目的は分かったがそれ以外は分からない。古村は物語を元に戻すことを目的にしていて雨歌を殺すことでそれを修正できると思っているのは分かる。


 最初の妖狐は本当のこと言っていたと思えるが今回の妖狐は言わされているような気がするんだが俺の勘違いか? もし俺の勘違いとして妖狐が話に来たのが偶然にしてもおかしいのはタイミングだ。自分の秘密をバラすにしても俺が一人の時で近くに誰も居ない所の方がいい筈なのに雨歌と緋華が近くにいるって知っても話すのはおかしいな。もしかして仕込まれていたのか?


 まぁ別に雨歌に何も被害が無ければ俺としてはいいか。そんなことよりも盗聴器やカメラを探さないといけないが発見器を買ってなかったわ。そういやアイツ、雨歌にこれと言って怪しいそうなプレゼントとかしていないな。キーホルダーや湯呑みとかだもんな。待てよ、緋華は盗聴器を雨歌に付けているんだよな? 一体どこに付けているのかを聞けばもしかしたら部屋もどこにあるか分かるかもしれないだが、緋華が教えてくれるとは思えないからな。


「何をしているのかな?」

「うぉお!!」

「ご飯が出来たから呼びに来たんだけど、何をしてたの?」 


 考え事をしていたら雨歌が俺のことを呼びに来たので後ろを振り返った。色々と考えていたから近づいてくるが分からなかったから盗聴器とかを探しているのがバレたのか? いやそんな訳ないか。雨歌は「ねぇ何をしているの? 僕の部屋で」と顔を近づけながら言ってくるので俺は後ろに……下がれずに白状した。流石に盗聴器を探していたとは言えないので何か言い訳がないかを考える。卒業アルバムを探していたって言えばいいのでは?


「アレだ。小学校卒業アルバムを探していてな」

「クローゼットにはないの知っているね?」

「忘れてたわ」

「はいこれ」

「助かる」


 そういえば本棚の1番上にあったな。前に一緒に見ていた時があってしまう際に俺が上に置いたんだったわ。一応誤魔化せたみたいだったからよかったが次は無理だろうな。雨歌は俺にアルバムを渡してから部屋を出て行った。取ってもらったから見なきゃ不自然に思われるかもしれないからな後で見ておくか。まずは飯を食わないといけないからな。


不澤家リビング

―伊月視点―

 リビングに降りると3人分の朝食が用意されていた。誰かが帰ってきたのかと思ったが量が少ないのでおそらくは緋華の分だろう。それにアイツ「雨歌くんの料理なら無理してでも食べる」って言いそうだしな。とりあえずは席に着くが座る席は……雨歌の隣は緋華に譲るとして俺は正面に座っていない緋華を待つ。一体何をしているんだよ、飯が冷めると思っていたらリビングをドアが開き大きな荷物を抱えて入ってきた。


「なんだその荷物は?」

「今日はお家デートをするから」

「出て行けと?」

「二人ともご飯食べながら話しましょう」


 雨歌がそういうので一旦話はやめてご飯を食べるながら話すことにしたが、誰も何も話してこない。俺から話せばいいのか? いや何を話せばいいのかが分からないんだがどうすればいいんだ。なんて考えていると緋華から「伊月、これやり方教えて」とゲームソフトを渡してきた。俺はそれを受け取りタイトルを確認したらホラーゲームだった。しかも雨歌が苦手とする部類ものだったので教えようかは悩む。


「雨歌、苦手な系統のホラーゲームだが大丈夫か?」

「いつの話をしているのさ、大丈夫に決まっている」

「ゲーム機は?」

「用意しているから」


 緋華がテレビの方を指さすのでそっちに目を向けるといつの間にかゲーム機がセットされていた。しかも見知らぬ、肌が焼けたムキムキ強面なおっさんが俺の方を見ながら親指を立てていた。びっくりし過ぎて緋華と雨歌を見るが「何かあったの?」とでも言いたそうな顔をしていた。俺だけがこのおっさんが見えているのか? それだと怖いんだが塩を撒けば退散してくれるのか。


「お嬢、準備できしました」

「初期設定ってどうすれば?」

「そこのアホ面が知っていると思うんですが」

神間(かんま)さん、ありがとうございます」

「坊主のおかげで仕事が決まった訳だしお安い御用だよ。会った時より顔色が良くなったな」


 誰がアホ面じゃ……ん? 知り合いなのかこの二人。俺は誰だか知らないので教えてもらおうと雨歌に話かけたら威嚇されたんだがぁ、俺の敵かのおっさん。俺は我慢して雨歌に教えてもらうのをやめて緋華に聞いたらおっさんからの威嚇は無くなった。イラっとしたが緋華から聞いた名前と関係性を整理することにした。名前は神間(きょう)というので緋華の親の下で仕事をしている人の一人らしい。雨歌とは就活がうまくいかなくて公園で凹んでいる時に出会って仲良くなったそうだ。


 神間のおっさんはセットと軽く説明だけ済ませてさっさと出て行った。俺はまだ少しだけ飯が残っていたので済ませて食器を見るが水につけてテレビの前にあるソファーに座った。ゲーム機の近くに雨歌と緋華が居てワイワイと騒いでいた。そういえば二人はスマホゲームを少しだけしたことがある程度だったな。二人の家にはテレビゲームの本体はあるって話を聞いたことがあるがやったことはなかったと言っていた。相当楽しみなんだろうから色々と楽しむか。今は面倒ごとは全て忘れてな?



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