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46話 ほっぺムニムニ? 1

➖自宅(自室)➖

 伊月がお風呂から上げってきたので二人に今日は泊まって行くのかを聞いた。伊月はニヤニヤとしながら「なんだ寂しいのか?」と言ってきたので僕は素直に寂しいと答えたら二人から抱き着かれた。緋華さんからは「三日間は泊まるから安心して」と言われたけど、三日は流石に泊まり過ぎでは? とは思ったけどもまあ親が許しているのであればいっか。絶対に6人ともノリノリでOKを出すだろうからなぁ。


 泊まるのは別に問題はないんだけども二人がどこで寝るかを考えないといけない。僕の部屋で寝るのもいいとは思うけど、今日は二人の親も泊まるだろうし布団が足りない筈だからどうしよう。僕のベッドで寝るって手はあるにはあるけど三人で寝るのには狭すぎる。昔なら問題なく寝たりしていたんだけども今は寝転がるだけでも狭い。成長したので仕方ないことなのでそれに関してはいい。


 いいのはいいんだけど……僕の家で泊まる時、二人とも僕と一緒に寝ようとするのはやめてほしいと思いながらも断れない。一人で寝るのは少し寂しいから僕としても嬉しいんだよね。


「そろそろ寝るか」

「このまま三人で寝る?」

「いや今日は俺とお前は居間で寝るぞ」

「え? ここで寝ないの?」


 僕がそう言うと伊月は少しニヤけた顔をしながら「寂しいのか」といい、緋華さんは凄く嬉しそうな顔をしていた。何故か負けた気がするから何も言わないでおこう。僕は一人で布団の中に潜りこみ二人が何かを言ってきても無視する。どうせ二人は無視されても部屋から出ないんだから何も問題はない。なんて思っていたら部屋の電気を消されて、二人が部屋から出て行く足音が聞こえた。出て行く振りをしているかもしれないから呼吸音が聞こえるかも。


 十数秒間耳を澄ませてみるも呼吸音は聞こえなくて人の気配も何もない。もしかして本当に出て行ってしまったのかもしれないと思い少し体を起こして布団の中から顔を出してドアの方を確認すると暗い部屋のドアの前で二つの影があるのが見えた。僕がやられたと思っている間に二つの影は僕の方へと移動してきて前と後ろに回られてそのまま抱き着かれた。


「正直に言えば一緒に寝たぞ?」

「負けたような気がするからいやだ」

「私は元々一緒に寝る気満々だから」


 正面が緋華さんで後ろが伊月という他の人に見られたら羨ましいと思われるような状態である。伊月が「ほら、寝るぞ」と言って僕と緋華さんに寝転がれという感じでベッドを軽く叩いていた。僕らは川の字になって寝た。



➖教室(1-1)➖

 朝は何もなく登校できたけど教室に入るなりクラスの女子生徒が僕と伊月の方に何故かやってきた。伊月は何かを察したようで「まぁがんばれよ」と言い自分の席に荷物を置きに行った。僕は何をされるのかが分からないので身構えるけど、「女装して津堂くんとデートしたって本当?」と女子代表だと思われる藍村さんが僕にそう聞いてきた。一体どこでそれを聞いたのかと思ったがそういえば古村くんがいたからもしかしたらそれでクラスに広まったのかもしれないのかな。


「まぁそうですね」

「津堂くんは……どんな感じだった?」

「普通でしたよ」


 圧が強いで僕は少し後ずさりながら答えるけど「具体的に答えて」と藍村さんたちに言われるがいつも通りだったものを具体的になんて答えられるはずがないのにどうしろって言うんだ。特に変わったことは何もされていない訳だから答えようがないんだけど、これは何を言っても意味がないやつではないかな。段々と雰囲気が怖くなっていっているからここから逃げてもいいですかね?


「お前らそこまでにしとけ」

「この野郎」

「痛いから脛を蹴るな」


 伊月が荷物を置いて助けに来てくれたみたいになっているがおそらくこうなると思って1度逃げやがった筈なので僕は脛を蹴る。脛を蹴っている僕を自分の方へと抱き寄せて抑えながら伊月は藍村さんたちにもうやめるように言っていた。最初からここに居て止めてくれていたらこうならなかったのになと思いながら大人しくする。


「伊月……最初なんで逃げたの?」

「逃げたつもりはないぞ。面倒だと思ったからお前を囮にしただけで」

「僕を囮にするな。アホ」


 僕にアホと言われた伊月は両頬を引っ張ってきた。僕の頬を引っ張りながら伊月は「そういえば言ってなかったな。俺とコイツは婚約しているからな」と言いながら圧を周りに掛けていた。なんでそこで圧をかけるかは分からないけど、何かあるんだろうなぁと僕は呑気に思っていたが、伊月に頬を強く引っ張られて涙目になった。


 チャイムが鳴るまで僕は頬を引っ張られたままだった。チャイムが鳴ると伊月はすぐに引っ張るのをやめて自分を席に着いた。僕も席に着いて引っ張られた両頬をムニムニしながら授業を受けた。先生はそんな行動を理由を知っているのか何も言わずに可哀そうな人を見る目で僕を見ていた。可哀そうな人を見る目で僕を見ないで欲しいけど他の人から見たら可哀そうに見えるのかもしれないと思って何も言わずにそのまま内容を聞く。


「伊月はさ、なんで僕の頬を引っ張るのが多いの?」

「お前のは柔いんだよ」


 休み時間になり僕が伊月の席まで行き、引っ張る理由を聞いた。昔から柔らかくて気持ちいいから事あるごとに僕の頬を引っ張るという事。だから時々何も言ってないのにほっぺをムニムニと触ってくるがあるのかと思った。伊月が自分の膝に僕を乗せてそのまま、ほっぺをムニムニしてきた

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