24話 オカルト研究部の問題3
➖自宅(部屋)➖
緋華さんが気絶していることが分かり数分一人で騒いだあと、伊月に電話をしてどうしたらいいかを聞いたが呆れ声で「寝かしておけ」と言われたのでベッドで寝かしているけど僕は今日は一体どこで寝たらいいのかな? 一緒に寝たりしているから今更かもしれないけど。布団一式持ってきてベッドの下で寝るかな。その前にお湯とタオルを片付けないといけないので先に片付けて、碧兄さんに布団を運ぶのを手伝ってもらって寝る準備は出来た。あとは電気を消して寝るだけ。
アラームの音で目を覚ました僕はベッドの上にいた。状況が全く理解できないんだけど何故なんでしょうか? 寝ぼけてベッドに移動したとかは……ないみたいだね。布団が片付けられているってことは緋華さんが先に起きて僕をベッドに移した後に片付けくれたってことだよね。部屋にいないってことはリビングに居るだろうから降りてお礼を言わないと。
➖自宅➖
リビングに入ると緋華さんと母さんが仲良くキッチンに立っていた。仲が悪くないことは知っていたけど一緒に料理をするくらいの仲だとは知らなかったな。とりあえずは挨拶をしていたけど椅子に座って朝ごはんが出来るのを待つ。何かを手伝おうとしても断られることは分かっているので大人しく待つしかない。
「お前ら、オカルト研究部の件はどうする気なんだ」
「これから色々とするつもり」
「・・・理事長と話をしたい時は俺に言えよ」
絶対に何かを知っているよね? 疑いの目を兄さんに向けていると目を逸らした。スマホを出して伊月に兄さんが何かを知っているかもと送ったらすぐに返信が返ってきたので確認と「拷問するか?」と書かれていたので少し引いた。友達の兄を拷問するとか何ヤバいことを言ってんのさこの人。
「うわぁ、伊月ってこういうことするの?」
ご飯を作り終えた緋華さんが僕の後ろに来てスマホを覗きながら、伊月に対して引き気味でそう言っていた。普段の逆になってしまっているから少し面白いなぁ。なんて考えていたら伊月から「なんかリアクションしてくれよ」ときたので緋華さんにスマホを渡して返信をお願いした。
「イタズラしてもいい?」
「いいですよ」
伊月にイタズラをする緋華さんはレアだからあとでどんなイタズラをしたのか聞こうっと思ったけど聞くのをやめた。ロクでもないことを考えている時の顔つきになっている緋華さんを見てしまったので僕はこの件に関してはかかわることをやめておこう。・・・もしかしてコレって僕にも間接的にイタズラをしているってことにならない?
隣に座った緋華さんを見ると、てへぺろ☆ と無表情でされた。どうやってそれを無表情でできたかを聞いてみたくなったけど今はそれはおいておこう。スマホは返ってきたけど、メッセージが消されてしまっているからどんなのを送ったのかが分からないんだけど伊月からは「はぁあ?」と返ってきていた。怖くなったから大人しくご飯食べよう。
食べ終わったので緋華さんと一緒に家を出たら伊月がすっ飛んで来た。息を切らしながら怒っている表情で門を開けて僕の方まで……ってなんで僕の所に来るの? 隣の緋華さんに行けばいいじゃんか。伊月に襟を掴まれてそのまま引っ張られてバランスを崩した。伊月が抱きかかえてくれたので倒れずに済んだが今度は緋華さんが怒り始めた。
・・・えっ面倒なことになったんだけど。
➖教室(1-1)➖
そのあと、緋華さんと伊月をなだめてなんとか教室に辿り着いた。自分の席に座りそのまま机に倒れ込む。伊月は自分の席に荷物だけを置いて僕の席まで来たみたいだけど僕はそれを無視する。二人をなだめるのが大変だったから今は休ませてほしい。まあそうさせてはくれなさそうだから話すかな。
「あっとこっちを見たか。これはなんだ?」
伊月が僕にスマホを見せてきた。画面には僕とのやり取りが移されていて僕からとある写真が送られていた。そこには寝ている僕と一緒に寝ている緋華さんの姿が映っていた。というかこれ……自撮りだな。僕からの送信になっている訳だからスマホの写真に保蔵してあるのでは?
メッセージアプリを閉じて待ち受け画面にすると先ほどの写真があった。伊月も僕のスマホを見ていたので二人して固まった。何をやってんのこの人。イタズラって僕にするのが目的でそのついでが伊月だったってことになるね。確かに一言も伊月にイタズラをするなんて言っていなかったもんね。
「まだ時間あるし、行くか?」
「行かないよ。変えればいいだけだし」
「そう簡単に出来ればいいな」
待ち受けの設定を変えようとしたがロックが掛かっていて変えれない。やってくれたなぁ緋華さん。パスワードは一体なんぞ? 数字だけではあるけど、どの数字にしているかは分からない。僕と緋華さんの誕生日で試してみるか。緋華さんは6月28日だから0628かな? 違った。次は僕ので0810これならあっているので……違うんかい。もしかして伊月の誕生日で0501まぁ違うか。何をどうしたらいいんだよ。
「どんまい」
「他人事だと思いやがって」
「他人事だよ」
確かにそうだけどさ、君怒っていたじゃん。全速力で走って来てさ、息を切らしながら緋華さんと口喧嘩していたじゃん。まぁおそらくだけど直接送られてきたから怒っただけでコレに関しては僕に対してだから「どんまい」だけで終わらせたんだろう。それよりもロックが解除できないのだったらこのままの状態で過ごさないいけないからどうしたもんか。
父さん達に見られた場合は揶揄われるだけだし、他の人に見られても質問やらされるだけだね。恥ずかしいってだけだから何も問題はないか。スマホを覗き見をする人なんていないだろうからいっかこのままで。
「いいのか?」
「よくよく考えたら問題ないしね」
「それならいいが、ほらコレ」
伊月が見せてきた画面には妖狐さんとのメッセージによるやり取りだった。気になるのはとある一言だった。オカルト研究部の元部員ではなく今も部員だと先輩方は言っていると書かれてあった。しかもそれが送られてきたのは1分前だった。仕事早すぎない?
「おかしな話だな。部長が知らないなんてな」
確かに部長である森前先輩が何も知らないことが変だ。部員が今もやめていないことを知らなくて生徒会も部員はやめていると言っていたのになんで? それに狗谷くんも伊月と僕を勧誘しただけでそれ以上は何もしてこないし言ってこない。碧兄さんは何もせずに大人しくしているし狗谷くんも積極的動こうとはしていないってことは?
「伊月、どう思う?」
「わからんがあれだ。廃部は嘘だろうな」
「部長さんには伝えられていない状態で何かをしているんだろうね」
「・・・確かに部長にも問題があるかもな」
伊月がスマホの画面を見ながら言う。口角が少し上がっているから楽しんでいるみたいだ。何に対して楽しんでいるのかは分からないけどそっとしておこう。役に立ってなさすぎな僕は。




