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ドラゴンの人生探求  作者: 元毛玉
ドラゴン王国の基盤作成

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温泉街リニューアル

前回のあらすじ

ついにお城建設も始まりました。段々と王国らしくなってきています。

 竜鱗をむしり取られました。(シクシク)


 ま、すぐに生えるのさ。僕の自己再生能力は、最上位ドラゴンの中でもダントツだからね!でも、すぐ生える事は秘密にしている。


(だって、永遠に毟られそうだし……)


 竜鱗を提供する代わりに「ワールドン様の黄金水」とか「女神の黄金の聖水」って異世界なら絶対に誤解を招く表現を、どうにかするように交渉したよ。なんとかワールドンと女神を外して貰って【黄金聖水】が正式名称になった。これならギリセーフかな?


 そうそう、ロワイトはあれから2日滞在して帰ったそうだ。僕が夜な夜な働いている間だったんで挨拶しそびれたな。

 アルを【伝心】(    )してみたら大変だった事が伝わってきたね。どうやら、ワールドン王国への移住も検討しているっぽい。早速ルマンド君に相談案件だよ。


─────────────────────


 そして季節は、あと数日で獅子節に移る時期になっていて、外は完全に真夏だった。


 皆は川で水遊びしているのに、僕は入水制限があるのさ。下流の黄金聖水が濃くなり過ぎて、生態系を破壊したり植物の異常繁殖が問題になったりするからだって。


 だから、部屋でずぶ濡れになるしか無いって感じ。

 エリーゼ、リゼ、マイティだけが部屋での水遊びに付き合ってくれた。リッツからは、まだ人族でいたいって断られている。


(その断られ方が一番キツイんだけど?)


 そうそう、僕の部屋はかなり改装が進んでいるよ。

 快適な寝湯や、緑のマナ鉱石を利用したジェットバスも完備されている。滝湯もできた。

 それにインスタ映えしそうなアクアウォールとアクアイリュージョンも出来ている。僕のマナ鉱石と他の色のマナ石を組み合わせて、カラフルで幻想的な間接光が水を照らすのさ。

 エリーゼが、めっちゃ転写の魔術具で撮影していたけど、最近は妙にローアングラーなのが気になる。


「ワールドン様!そろそろ獅子節ですわ!アルとルクルの誕生節は何をプレゼントなさるのでしょうか?」

「そうだった、2人とも獅子節だったね。まだ全然考えて無いよ」

「わたくしはもう一人のわたくしとプレゼントを既に相談してますわ!」


(どうしよ……何がいいかな?)


 エリーゼにプレゼント内容を質問したんだけど「わたくしのは秘密ですわ!もう一人のわたくしからはワールドン様にご相談があるそうですわ!」だとさ。

 うーん……そうだ!アルにはアレにしよっと。早速ボンに相談しよ。ルクルにはまぁ無難なので行こうかな。そっちはリッツに相談だね。


 各所に相談してお祝いの日取りは決めたよ。あとはXデーに向けて準備するだけさ!数日は準備に勤しんでいた。


 今日はポロッサ村の温泉街が、リニューアルするとの事でやって来た。予定では昨日がリニューアル日だったんだけど、エリーゼが無理言って今日にずらさせたんだよ。だからリゼと来ている。エリーゼ曰く「もう一人のわたくしと温泉を楽しんで下さいませ!」って事だったよ。


 温泉街はレジャー施設化しているんだ。

 温泉の楽しみ方も充実している。寝湯、立湯、足湯、壺湯、薬湯、滝湯。

 それからサウナ各種と水風呂も拡張されていて、ボンの張り切り具合が本当に凄いわ。それに湯着を着けての混浴露天風呂も増えていた。寧ろそっちに力入れ過ぎな気もしないでもない。

 流れるプールやウォータースライダーまであった。


(あれ?僕の居住スペースのウォータースライダーはまだなんですけど?)


 だけど僕専用のサウナも用意されていたよ。個室サウナってなんか感動。アロマはリゼが用意してくれたんで早速入ってみた。


(んんん~、サウナってこんなに熱かったっけ?)


 身体が火照ってなんか変だ。少しふらつきながら外に出たら、リゼが駆け寄って来て水風呂を勧めてくれたよ。


「あの……リゼの用意したアロマ駄目だった?」

「ん?ううん、良い香りだったよ。僕がなんかのぼせちゃっただけ」

「そう……ちゃんと効果はあるのね」


 なんかリゼは気にしていたけど、用意してくれたアロマは気持ち良かったな。僕の部屋にも、常備して欲しいって伝えたら「少しずつ慣らしたほうが良いの」って言われた。


(そういうものなのかな?こういうのはリゼに任せておけば大丈夫だね)


 夜にはルクル、カルカン、アルも合流したよ。ついに日本酒第一号が完成したって事でお披露目も兼ねているみたい。


「銘柄はワドが決めなよー」

「ネーミングセンス無いけどいいの?」

「あんまり変だったらボツにするよー」


 くっ……なんかボツになるのは悔しい。

 そうだなぁ。ルクルとの思い出から何か考えるか。僕も混ぜて、約束の歌から取ろう。


「【金の天使】でどうかな?ぢぇラッコの君が作ったんだし」

「不意打ちヤメて。少し泣きそうになったじゃん」


 ルクルは照れて顔を反らした。喜んでくれて何よりだよ。こっちはしんみりしているのにKYが急かすから台無しだね。


「そんな事より早く飲むにゃ!乾杯するにゃ!」


 乾杯して宴が始まる。黄金聖水で大量に捕れるようになった、川魚料理が運ばれてきたよ。


「鮎の塩焼きと日本酒の組み合わせ旨いのにゃーー!うまーーーにゃ!」

「これは本当に合いますね」


 カルカンは大はしゃぎで、アルも絶賛して舌鼓を打っている。ルクルは渾身のドヤ顔をしていた。


「お、こっちの岩魚も美味しいよ!」

「ワド、ほっぺについてるの」

「あ、ありがと」

「……ん」


 これらの川魚は双子のテトサが獲ってきたらしい。

 僕は酔った勢いで思わず口走ってしまう。


「水産省大臣はテトサにするね!だから頑張って!」

「え!?ウチでいいんですか!頑張ります!実力不足かもですけど、一生懸命働きますんで支えて下さい!宜しくお願い致します」


 そういってテトサは深く座礼をした。あ、これ後から冗談でしたは言えない感じのやつだ。軽くルクルに視線を向けるとジト目で睨まれる。【伝心】(    )をするまでもなく言いたい事は分かるよ。


「うん、サポートするから徐々にやってこうね」

「はい!」


 顔を上げたテトサは凄くいい笑顔だった。ま、まぁ……やる気は充分あるし、なんとかなるでしょ。

 宴を続けているとカルカンが酔い潰れたので、アルが介護して寝かしにいったよ。


 リゼとルクルを見て、なんとなくロワイトの事を思い出す。


(あ!まだ報告してない!)


「ルクル、ちょっと報告が遅くなったんだけど……」

「なーんか、その報告の遅れっての、不穏な気がするの気のせいかなー?」

「気のせいだよ!」


 僕はホリター公爵家の秘密を話した。

 大公当主だけが特殊な製薬を知っていて、種族を問わず効果を与える強力な秘薬を作れる事。先日のマナ誤認もその一端だと報告したよ。睡眠薬や媚薬なんかは継続摂取させる事で、睡眠が必要ない種族や、生殖機能がない種族まで影響する事も伝えた。


「だから何度か摂取させれば僕を眠らせる睡眠薬も作れるんだよ!ルマンド君は僕が世界の脅威になるなら眠らせる事も視野に入れてたんだ!」


 僕は力説していたんだけど、ルクルとリゼは終始無言だった。


(あれ?結構重要な情報だと思うけど?)


「……なあワド」

「な、何かな?」


 怒られるのかと思ってビクッてなったよ。


「最近、体が火照ってどうしようもなくなった経験はあるー?」

「なんで分かったの!?最近そういうの多いんだよ!僕は病気にならないから、偶々だとは思うけどさ」


 ルクルがいきなり立ち上がった。今度はリゼがビクッてなっていたよ。


「ごめんワド……既に手遅れかも知れない。俺の失言もあるんだけど……」

「手遅れって何!?失言!?何のことなん!?」


 僕が立ち上がろうとしたら、手で制された。


「悪いワド、先にリゼと話さないといけないんだ……その後でちゃんと説明するから……」

「うん、分かった」

「じゃあ、リゼ行こうか」

「……ん」


 マイティがついて行こうとしたけど断られていた。2人で話すらしい。

 あぁ、また嫉妬でムカムカする。でもちゃんと説明してくれるって言っていたから待つんだ。

 カルカンを寝かしつけたアルが、入れ替わりで戻ってきたよ。


「今、姉とルクルが混浴露天風呂の方に2人で行ったのですけど?あれってつまりは……」

「内緒話なだけだから!そういうのじゃないの!」

「そ、そうでしたか。てっきり父上の命令かと勘繰ってしまいました」


 なんで混浴露天風呂で内緒話するんだろ?あぁ~またムカムカしてきた。


「アル!とことん飲もう!」

「え?私は結構限界なんですけど?」

「僕と飲むのがヤダって事なん?」


 僕が絡み酒したら、アルはしどろもどろになった。カルカンが潰れているから付き合って貰うよ。


(ん?なんか今日はマイティが特に静かだな?)


「マイティどうかした?」

「薬の効果が効きすぎてるだけです。お構いなく」


 そうは言ってもさ、顔が赤くて全身汗だくだし心配だよ。


「アル、僕はマイティを休ませてくるよ」

「は、はひぃ……しょうひひました」


 酔い潰れ一歩手前のアルを残して、女性部屋へマイティを運んだ。


「マイティ大丈夫?お水飲む?」

「ありがとうございます」


 マイティが水を飲んで、落ち着くのを待ってから質問した。


「それで薬ってなに?」

「それは……ルクル様が戻られたら説明があると思われます。ちょうどその事を、お嬢様は追求されていると思いますので」


 ルクルとマイティの接点が全く分からない。


「マイティに使われた薬をルクルが知ってるの?」

「正確には私ではありません。私は数多く近くにいたので、少し影響を受けただけです」


 という事はリゼに使った薬の影響って事か。

 少しの影響でマイティがこんな風になるなんて、なんて強力な薬を使っているんだリゼは!


(絶対、体に良くないよ!心配になってきた……)


 マイティが眠って少ししてから、ルクルとリゼが戻ってきた。


「ワド……ごめん俺のせいだ……」

「違うの!リゼが悪いの!」


 2人が口々に謝るけど、説明が無くて分からない。



「僕にちゃんと説明してくれる?」


なにやら薬の影響が肥大化しています。

既に人を辞めてるマイティですら、影響が深刻なようです。


7章「ドラゴン王国の基盤作成」の本編はここまで。

今回の別キャラ視点の閑話は3話予定です。


・カービル帝国の兵士長のメコソン視点

・勉強を教えて貰う事になったリッツ視点

・ワドの誕生節をお祝いしたエリーゼ視点


となります。


次回はメコソン視点の「閑話:向かない転職事情」です。

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まだ人族でいたいって > 言われてみると近すぎると超人化。国内にいるだけでも長寿効果くらいはありそうだなあ。黄金聖水( ´艸`)を取り込む事も多そうだし。 リゼ、何か仕込んだね? ワドにも効く…………
 やっぱり温泉は施設が充実していて、いろんな楽しみ方があるのが良いですよね!  最後にルクルとリゼが、慌てながらワドに謝罪しましたね。 〝香り〟や〝薬〟や〝ワドの身体の火照り〟……これまで意味深な記…
えっ、続き気になるのにここで閑話またぐんかーい!の気持ち( ^o^ ) ずっっっっとなんかワドにおくすり仕込んでましたもんね。前話?ではなんかいよいよ効果っぽいの出てきちゃってるし……。 ついにルクル…
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