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ドラゴンの人生探求  作者: 元毛玉
約束の帰路

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盗賊団撃滅

前回のあらすじ

奴隷売買の詐欺を行っていたのは盗賊団と判明しました。

リコム伯爵と騎士団の協力を得て、ワド達は迎え撃ちます。

 盗賊団と判明するまでの流れはこうだ。


 村の中に騎士団2名が潜伏し、外に4名が潜伏。敵の伏兵や総数把握、退路確認を行う手筈になっている。

 内と外の連絡役は従者3人組だ。

 ルクルは親族と偽って、引取現場に立ち会う。

 そして僕らは、目立つから荒事になるまでは隠れているようにだってさ。


(カルカンとエリーゼはわかるけど、僕も問題児扱いなのは納得できない!)


 ちなみに昨晩は、エリーゼに話しかけ続けたかいもあり、信者エリーゼをキープ。

 僕の貞操は無事に守られた。


(僕、頑張った!)


 外の騎士からの連絡では、敵の規模が15人。その中に指名手配の、盗賊の頭領を確認したとの事。

 村の中にきた交渉役が5人。

 この盗賊団は強盗などの足がつきやすい事は避けて、出所不明な詐欺で稼いでいるグループだとさ。

 騎士団の人も「やっと尻尾を出した」とやる気に満ちている。

 交渉役が貴族の使者を装って、丁寧な言葉で甘言を口にしていた。そこにルクルが口を挟む。


「私は読み書きを勉強している最中なのですが、ここに『奴隷』と書いてあるのは何故でしょうか?」


 明らかに交渉役の雰囲気が変わった。

 だって、表情を取り繕うことも、瞬きすらも忘れているみたいだから。

 恐らく「どうせ読めやしない」と高を括っていたのだろう。


「いやいや、どこで学んだのか知りませんが、その講師が間違っていたのですよ」

「正しい知識を学ぶには大金が必要ですからなぁ」

「適当な事を教える詐欺師もいるそうですよ?それに引っ掛かったのでは?」


 交渉役が数名がかりで、口々に知識が間違っていると指摘する。


(うーん、詐欺師云々は自己紹介か何かかな?)


 埒が明かないと思ったのか、スッとルクルから【伝心】(    )のサインが出た。

 サインはビーチバレーのストレートブロックと同じ(ルクル談)らしい。


(ビーチバレー、やってみたいなぁ……)


『サイン見えてたでしょー?反応遅くない?』

『ごめんごめん、考え事してて』


 プレイするのを想像していたら反応が遅れたよ。


『ワドとカルカン君が講師したことにするから2人で出てきて』

『りょー、エリーゼは?』

『エリーゼ様は劇薬なので待機で』


 良かった。

 エリーゼよりは常識人だと判断されていることに安堵する。


「僕らが教えた内容が間違ってるって?」


 カルカンと二人で家の中から歩み出た。

 僕の姿と猫魔族のカルカンに驚くよね。

 一応、僕の服はエリーゼが購入した高級品だし、平民が着るような服じゃない。

 カルカンも高官だったらしく高価な衣装を着ている。


「貴方はどこの貴族家の御方でしょうか?」

「ん?僕はどこの家のものでもないけど?」

「は?」


 交渉役は明らかに混乱していた。

 またも頭を抱えているルクルから、サインが出る。


『ちょっとー!そこは素で答えたらダメでしょー!』

『あ……ごめん、打ち合わせに無かったから』


 僕に急なアドリブを求められても困るよ。


『今から軌道修正してよ「私の家柄をご存知無いなんて、あなたがたは本当に貴族のお抱えですか?」ってな感じで!』

『アイアイサー!』


 気を取り直して軽く咳をする。


「えーと……、私の家柄をご存知無いなんて……んと、あ、あなたがたは貴族のオカカですか?……お抱えですか?」


 ルクルとカルカンが、揃って額に手を当てて「あちゃー」って感じの表情をしている。

 ちょっと間違っただけじゃん。ミス責めないで!


「はん!ハッタリかよ!その服どこで手に入れたんだ?まさか盗んだのか?」

「ちげぇねえ。もしくは娼婦かも?貢がせたのかもな!ガハハ!」

「この女は極上だな!高く売れるぞ!」


(あらら……メッキが剥がれちゃったよ詐欺師さんって感じ。こっちのボロに釣られて相手もボロ出してやんのwざまぁw)


 交渉役の1人が僕の腕を掴んできた。なーんか下卑た表情で、視線も舐め回すようで気持ち悪いな。

 どう対処するのが良いか、ルクルに【伝心】(    )で相談しようとしたその刹那、突風が吹き抜けた。


 チュドーーーーーン!


 村の外壁を突き破ってなお、吹き飛ばされていく交渉役A。

 僕の隣には、見事な正拳突き残心を決めるエリーゼがいた。


「ワールドン様に許可なく触れるなんて、万死に値しますわ!」


 彼女の身に纏う砂埃が、先程の突風を起こしたのはエリーゼの正拳突きだと証明している。


(は、速い……僕が目で追えなかった……)


「あ、後から音が轟いたんですけどー?」

「エリーゼ様、人間辞めてますにゃ!」


 そう、まるで白の雷光のよう……あ、まさか白のやつ、力貸していたりしないよな?

 他の交渉役4人も混乱中だ。参ったな、予定に全く無い流れなんだけど?


 外の騎士から「敵本隊は既に逃走開始」と連絡が入った。

 ルクルと目配せして残敵を掃討しようとしたら、エリーゼから待ったがかかる。


「ワールドン様!御御腕おみうでが汚れてしまいましたわ!今すぐお清め致しますわ!今すぐ!」

「いや、エリーゼ、この人達を捕らえないと……」

「ワールドン様を清める方が最優先ですわ!全力で清めますわ!」

「はい!イエッサー!」


 尋常では無いエリーゼの圧力に僕は屈した。

 交渉役Aが、汚い手で僕の腕を掴んだことがどうしても許せないらしい。

 ローズの香りの石鹸を、丸ごと1つ使って念入りに清められたよ。

 結局、村の中の4人を拘束し、村の外では従者と騎士団で協力して7人倒した。

 外の敵は武装していて抵抗が激しく、捕縛できず殺傷したとの事だ。

 村の中ではシラフのカルカンが大活躍で、3人をあっさりと捕縛していた。

 ちなみにエリーゼに殴られた人は原形をとどめてないバラバラぐちゃぐちゃのスプラッタだったとの事。怖いね。

 引き続き、外の騎士が敵を尾行している状況だ。


「戻りを待つしかありませんね」

「あれ?僕、場所わかるけど?」


 調査の戻りを待つとか悠長な事を言っているので、僕のマナ感知で追える事を伝えた。

 盗賊は分からないけど、騎士6人のマナは覚えてあるので追跡可能だよ。

 さすがに距離が離れすぎると、ちょい精度下がるけれども。


「ではワールドン様に案内をお願いしても?」

「え?そんな事しなくても僕が乗せて飛ぶけど?」

「「ご勘弁下さいませ!」」


 飛ぶのに賛成したのはエリーゼだけだった。

 おかしいな。

 高所恐怖症に配慮して、今回は低空飛行を提案したけど、皆頑なだったよ。

 エリーゼに足音を立てないよう注意して、地上から向う事になった。エリーゼはいつも足音が爆音だからね。

 こんな感じの追跡もスニーキングミッションみたいで楽しかったな!


─────────────────────


 そうして辿り着いたのは、人里から少し離れた温泉宿だった。


「ルクル、ルクル!僕、温泉はじめてなんだけど!」

「ワド、主旨変わってるぞー」

「温泉の前に汚物を消毒ですわ!徹底的にやってやりますわ!」

「相手が可哀想に思えますにゃ……」


 騎士が確認した相手の見た目を、僕が【伝心】(    )で全員に共有する。

 共有した直後には、エリーゼが立ち上がって行動に移ろうとし、騎士から注意されていた。


「では全力でいきますわ!」

「待って下さい!出来れば主犯格は確認できるように原型をとどめて下さい!」

「顔を残すように全力ですわ!」


 捕縛じゃなくて原型って依頼が、既に危険臭ハンパないよね。

 宿の中から「えいっ!えいっ!えいっ!えいっ!えいっ!えいっ!えいっ!」と聞こえてくる。

 そして「ラストですわ!」の掛け声を最後に何も聞こえなくなった。わずか10秒の出来事。


「ルクル、中の様子見てきてよ」

「やだよー、ワドが行きなよー」

「カルカンいってくれる?」

「こ、怖いですにゃ!」


 皆が先を押し付け合う中、騎士の面々を前衛に恐る恐る中に入ったそこは、トマト祭りの跡地だった。

 盗賊団の顔だけは綺麗。胴体には大きな穴ができて、内臓や背骨がはみ出してミンチ肉状態。

 あ、上半身と下半身も綺麗に分離しているね。辺り一帯が血の香りで充満している。

 ルクルは吐き気を我慢しているみたいだったよ。


「あ!ワールドン様!お待たせしましたわ!敵は全力で排除しましたわ!」



 一同、ドン引きであった。

血まみれ温泉宿になってしまいました。

盗賊団の部屋周りだけが被害受けているので、他の部分はそれなりに無事です。


次回は「初温泉」です。


※色でのキャラ呼称の補足

本作の最高位ドラゴンの7柱は色で呼ばれています。

金、銀、白、黒、赤、緑、青、となります。

特にドラゴン達は敬称も付けずに色で呼び合っているので、唐突に色だけの呼称で出てくる事もあります。

分かりづらくて申し訳ないです。

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ワドの盗賊団との交渉の時の大根役者ぶりに笑ってしまいましたwオカカw それにしても、エリーゼの化け物っぷりはもう恐怖ですね、やばいですね(ToT)
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