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ドラゴンの人生探求  作者: 元毛玉
ドラゴン外交

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新年祭の演劇

前回のあらすじ

温泉女将ママさん達の社員旅行にあわせて、幹部の慰安旅行も行います。

往路はカルカンの実話怪談の独壇場だったようです。


・久しぶりの登場キャラ紹介

───ボネロ・ハウクバン・トーハト国王。

 やたらオーバーアクションな演技派。

───リコー・トガン・パウス女王。

 裸族の女王。露出狂であり浮気好き。

───ルーベラ・ショコラ・ブールボン国王。

 お酒好き。ルマンドとは仲が良い。

───ロウム・バール宰相。

 ブールボンの財布。低身長を気にしている。

───ミレール・クト・メイジー女王。

 切れ長の面立ち。馬車での移動が嫌い。

───ボチョール・コ・モナリーガ国王。

 かつて剣聖と呼ばれた屈強な男。

───トール・キシリガム・リアロッテ国王。

 高齢の国王。

───コンペイトウ・サトウ連合盟主。

 ざっくばらんな性格。ワドとは意気投合。


「ただいま!」


 現地と復路は凄く楽しかった。

 生活習慣も、建築様式も全く異なる南半球の地。それにさ、女将さん達とも随分仲良くなったんだ。旦那の愚痴を言った人は、カルカンの怖い話の刑に処するって話になってからは、皆真剣にピュアピュアな話をしていたから、僕、ほっこりで大満足!


 船旅は、ノヤマ伯爵の船が最高だったね。

 海や魚との対話を優先したアクティビティーの数々。こういった旅行では部屋の中よりも体験の方が重要だと気づいたよ。

 今年はノヤマ伯爵の圧勝だった。リベンジ成功で、とても良い笑顔をしている。んで港町に着いた今は、皆で荷下ろし中だよ。


「ワドー、ガトー、ちょっとこっちにきてー。テープ切るからさー。やりたいでしょー?」

「お、僕が真ん中だからね!」

「吾輩の為の専用ハサミは用意してるかにゃん?」


 なんと港町に着くなりサプライズイベントだ。

 僕の帰りに合わせて、リニアモーターカーの開通式なんだよ!

 線路も車体も頑張って作ったから、なんだか誇らしい。それに、念願でもある憧れのテープカット。僕、嬉しすぎて泣いちゃいそう。


「それではテープカットをお願いします!」


 アナウンスを受け、テープを切る。


(これ、もっかい切りたいなぁ……やっぱダメ?)


 王都への帰路はリニアモーターカーへ初乗車だよ!

 サブロワ君がめっちゃ興奮していた。マナ工学的に学ぶ事が多いみたい。車体撮影もしていたから、撮り鉄でもあるのかもね。

 車体は、景色を置き去りに王都へと走り出す。


「これ、煙でない上に早いにゃん!」

「安全性とスピードの両立に苦労したのにゃ!」


 めちゃ早くて、すぐに王都に到着だよ!

 色々と新年祭の準備も始まっていて、王都はお祭りムードだね。お祭りは何度やってもいいもんだよ。


─────────────────────


 ザッッッパーーーーン!


 自室に戻るなり、久々の濡れ濡れのお仕事。

 冬だから寒いよぉ。お湯にしよっと。

 ついでに体をボディーソープで洗っていたら、リッツが凄く嫌そうな顔をした。それで、リッツも入る?って聞いたら「絶対、嫌!」だってさ。なんだよ全く。

 それからは新年祭に向けた怒涛のラストスパート。演技に課題がある僕も、部屋で水浸しになりながら必死に特訓だよ。


(棒演技の汚名を返上するんだから!)


 毎日のように特訓に明け暮れていると、新年まで後2日という所まであっという間だったな。

 トーハト王国の一団が少し予定より早めに到着したらしく、歓待の準備が急ピッチで進められている。僕も出迎えの為に、新設されたリニアモーターカーの駅へと向かった。

 出会うなり、ボネロから情熱的な挨拶を受ける。


「ワールドン様、相も変わらず美しい!是非、妃に」

「ボネロ殿、それ以上はやめてね。僕、一応この国の王様なんだから」

「では私が王配になるのでも構いません!何卒!」

「えぇー、キモイ……」

「あぁ!ありがとうございます!」


 僕は性別が無いし、種族も違うから、求婚されても正直困る。

 それに、暑苦しくて好みじゃない。いちいちオーバーリアクションなんだなボネロは。

 今も歌劇のような仕草をしているし、演劇俳優の方が向いているのかも?

 でも、彼の応対がお仕事だから、文句ばかりも言ってられない。とはいえ苦行だ。そんな拷問にも思える時間を過ごしていたら、パウス王国の一団が到着したと聞き、ボネロにリコーちゃんを推してみる。


「リコーちゃんが到着したらしいから、出迎えにいくね。所でリコーちゃんを娶れば良くない?」

「いえ、あの露出狂は既に王配が3人もおりますし、子供も出産しておりますので、対象外です」


 なんと。リコーちゃんってば既婚者&母親だったのか。プライベートなお茶会で恋バナをたっぷりしていたから、てっきり独身なのかと思っていた。

 ん?衛兵とか従者の若いイケメンにちょっかいかけているってのは浮気なのか……今気づいたよ。

 そんな訳で再び王都駅へ。

 リコーちゃんが到着し、挨拶を交わす。


「リコーちゃん、ようこそ!僕の国へ」

「ワールドン様、お誘いありがとうございます。それにしても凄い乗り物ですね」

「でしょ?早いよね!」

「あと、神像の出来が素晴らしい。是非、制作者を紹介して下さい」

「う、うん」


 リニアモーターカーや神像を褒めてくれて、特に神像に関しては参考になるとまじまじと見ていた。

 制作者のボンを迎賓館に呼んで、会わせてみる。


「其方、大変よい体をしているな」

「あっし、こんな綺麗な女王様に褒められると照れやす。モノ作りしか取柄が無いんで」

「そんなことは無いぞ、あの神像は素晴らしかった。是非、私の裸体像も作って欲しい!」


 リコーちゃんって、変な趣味しているよね。

 なんだかんだで、押して押して押しまくってボンをお持ち帰りしたよ。ま、なるようになるでしょ。ボンも大人なんだから。

 日没後の最終列車でブールボン国王とメイジー女王が到着した。まだ頻繁に往来が無いから、1日に28本のみの運行なんだ。せっかく作ったんだから、もっと本数増やしたいし、駅も増やしたいよね。

 まずはブールボン王国の面々と挨拶。


「やぁ、ルーベラ君。おひさ!」

「ワールドン様、新年のタイミングでの呼び出しは、少々しんどいです」

「ロウム殿、なぜ先に挨拶するのだ?それに忙しいなら国に残ってれば良かったではないか?」

「陛下が勝手にお酒の商談をまとめて来そうで、ほっとける訳ないでしょう!」


 お目付け役としてロウム君も来ていた。というか、相変わらずシークレットシューズだ。でも、僕は学習したから華麗にスルーするよ!

 わいわいとやり取りをしていたら、メイジー女王の一団も列車から駅のホームに降り立った。


「ミレール殿、お久しぶりだね!」

「ワールドン様!この汽車が欲しい!」

「これは汽車じゃないよ。リニアモーターカーだよ。輸出できるかはギルドマスターに聞いてみるね」

「あぁ、ルクル殿が一番欲しい!」


 ミレール女王は、革新的な移動手段にやっぱりご執心のようだよ。その辺の汽車や馬車だと、比較にもならないからね。港町ナーハから王都までホバーバスとリニアモーターカーで約90分。既存の馬車や汽車では15時間はかかる。

 その差は圧倒的なのだ!(ドヤァ)


 時間も遅いので、温泉宿に連れて行って寛いでもらう。歓待も兼ねて、ミレール女王と一緒に温泉にも入ったよ。滝湯がお気に召したみたい。僕は寝湯が好きなんだけどね。

 あ、リコーちゃんは混浴露天風呂デビューをした。

 湯着をつける混浴風呂なのに、全裸でね。

 てっきり湯着をつけてくると思っていたボンは、目のやり場に困っていたな。だけど「モデルにしてくれ」と、堂々としていたリコーちゃん。

 ボンもお仕事となれば真面目に対応し、裸像は既に完成した。


(作るのめっちゃ早くない?あ、進化してたね)


 ボンが進化して作るの早くなった、と言っていた事を思い出したよ。

 温泉宿では牡丹鍋を出して持て成した。僕も鍋パーティーでは食べそこなったから、堪能したよ。

 ミレール女王とリコーちゃんと僕で女子会もした。

 どこの国の女王も大変なんだね。僕、この国で良かったな。と、思わずにいられない女子会だった。

 ボネロは鬱陶しかったので、ルーベラ君に引き取って貰って、今頃はカール先生の所で飲んでいるはず。


(明日も来賓多いし、大忙しだよ)


─────────────────────


 翌日。

 異世界での大晦日に相当する朝だ。

 早朝にリアロッテ王国とモナリーガ王国の一団が駅へと到着した。


「やぁ、ボチョール殿。来てくれて嬉しいよ!」

「ワールドン様、来ない訳にはいかないので。所で、我が国の山脈が崩落した事についてご存じでは?」

「サァ?ボクニハナンノコトダカサッパリダヨ?」

「……噂ではワールドン王国にタングステンドラゴン様が現れたそうですが?本当に知らないので?」

「あ、トール殿!ようこそようこそ!」

「ハハハ、儂の事より、ボチョール殿を優先してください」


 疑っているのかボチョールがぐいぐい来るよ。

 知らなければ無罪なはずだから、僕は「えー?何それ知らなーい」のスタンスを守るべく頑張った。

 そもそも、立つ鳥跡を濁さずを出来なかったガトーとラザが悪いんだから!僕、悪くない!


 各国の首脳達と遅めの朝食を済ませ、レジャー施設などを案内して回る。遊園地もオープンしているので案内したけど、巨大な遊具施設に皆は驚いていた。


「ワールドン様、あの屋敷はなんです?」


 リコーちゃんから質問されたけど、僕はあそこに近づきたくない。必死にのらりくらりと会話を交わしたけど、ミレール女王も興味を持ち始めて観念した。


「あれは、ホラーハウスだよ」

「「ホラーハウスとは?」」


 何というか、ルクルとカルカンがタッグを組んだ時点で、嫌な予感しかしないよね。二人は行きたがっているけど、僕は必死に抵抗を続ける。

 そんな所へ朗報。コン君が到着したってさ!


「ごめんねぇ、僕も行きたいのは山々なんだけどぉ、これからサトウ殿を出迎えに行くのぉ」

「ワールドン様、なんかキャラ変わってますよ?」

「ふふっ、同じ趣味の誼みで、見逃してあげます」


 二人から色々と言われるも、ホラーハウスを回避し、駅へと向かったよ。にしてもさ……


(露出趣味は無いから!誤解だよ!)


 急いで駅のホームへと駆けつけると、最後のサトウ=ゼイノフル連合国の一団が、ちょうど列車から降りたところだった。

 お互いに片手を上げて挨拶を交わす。


「よっ!ワールドン様。来たぜ!」

「よっ!コン君。ようこそだぜ!」


 ようやく誘った各国の全員が揃った事に胸を撫でおろす。

 コン君に王都を案内しながら、遊園地へと向かっていたら、その道中で会ったルクルは何だか大変お怒りモードだよ?どうしたんだろ?

 でも、とりあえずコン君を紹介しておく。


「ルクル!こちら、コンペイトウ・サトウ殿だよ!あ、僕がコン君ってあだ名つけたから!」

「はじめまして!ルクル殿!」



(ん?なんで【伝心】のサインなの?)

ワド、リコーちゃん、ミレールでの女子会を終えた後も

リコーちゃんは朝までハッスルだったようで…

ボンは寝かせて貰えず大変だったようですよ?


次回は「シンデレラ開演」です。

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― 新着の感想 ―
 お邪魔しています。  ワド君が国を作って間もないというのに、他の国とも上手くやっていそうだし、国同士をつなぐ鉄道とかできて(リニアなんて凄い!)、発展っていう言葉浮かびますね。
ボン…おめでとう…羨まc 晴れて変態仲間ですね〜、もう…
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