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ドラゴンの人生探求  作者: 元毛玉
ドラゴン外交

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屋台完全制覇

前回のあらすじ

猫魔族の国を移籍希望者を連れ出て、メイジー王国にやってきたワド達。

エリーゼからの熱血指導が始まるようです。

(いやー、凄い教育的指導だったなぁ)


 終日、エリーゼの教育的指導が続いて、結果的に諸々日程を再調整する必要が出た。

 ミレール女王は快く日程変更を受け入れてくれたので、今日はリゼと王都観光。リッツもこっち。んで、マイティは猫魔族の教育の続きだよ。

 充分に王都観光で英気を養う。温泉で疲れを癒し、王都料理に舌鼓。ま、お酒は僕の国の圧勝だったけどね。


 翌日には外交を済ませ、魔術具の売り込みも恙なく済ませ、ブールボンへと向かう事となる。

 でも、気になったのでおねだりおねだり。


「ねぇ、エリーゼ。この国の収穫祭があるんだって。ちょっと予定をずらして参加しようよ」

「ワールドン様!既に予定が押してますわ!」

「でもでも、僕、収穫祭行きたいなぁ(ウルウル)」

「全力で叶えますわ!」


 よしっ!泣き落とし成功だよ!ふふん(ドヤァ)

 呆れているリッツから何かツッコミが入ったけど、僕は気にしないよ?

 それにしても猫魔族の面々がお通夜モードだね。


「カルカン達も楽しんでね?」

「「「はいにゃー……」」」


 この外交の旅が終わるまで禁酒令が出ているそうだ。そして破ったら……エリーゼが本気で1発殴る。つまりソイツは死ぬ。

 エリーゼの猫魔族への熱烈指導は、魔獣の群生地に連れてかれて、黄金聖水と治癒の秘薬を使って、戦い続けるものだった。倒しても倒してもエリーゼがお代わりを持ってくるんだ。

 何人かはマジでやばかったみたいだけど、エリーゼが治癒の秘薬を無理やり飲ませて、戦いを続行させていた。

 というか、エリーゼは魔獣テイマーか何かなの?

 力と恐怖で魔獣を従えていたみたいだよ?

 4000体の魔獣がエリーゼの指揮で一糸乱れぬ連携だったとの事。


「あ、この串焼きおいしい!」

「これ僕も気に入ったよ!カルカンも食べないの?」

「……」


 リッツがオススメしてくれた串焼きを頬張る。

 カルカンにも勧めてみたけど、無言で食べていた。

 猫魔族の面々は、もう喋る気力も無いみたい。

 ちょっと可哀想だから、減刑を願い出てみる事をカルカンに耳打ちしたら「神様にゃ」と拝まれた。


(まぁ、助けるのは一度だけだからね?)


 僕のお願いだと即許可がでちゃうの。ふふふ。

 それで楽しく飲み食いして、お祭りの終わりに、そのままの勢いでブールボンに飛んだ。

 それがエリーゼ教育の第二幕の幕開けの合図。


 酔っ払い連中だったし、お腹一杯だったのもあってさ、エターナルウィングで猫魔族は皆リバースしたみたいだよ。それで「ワールドン様の大切な空輸邸を汚すなんて不敬ですわ!」となったの。

 不可抗力な気もするけど……頑張って!


 諸々恙なく熟し、サブロワ君の家にもお邪魔する。

 家族もサブロワ君のことを心配しているだろうから、【伝心】で近況報告してあげた。ミルネさんからは「銃を買ってくれ」と、せがまれたなぁ。

 とりあえず、カルカンには土下座で謝罪させたよ。

 二度とサブロワ君からお金を借りない誓約書まで用意して誠心誠意謝らせる。これは譲れないからね!


 ブールボンの滞在も延長して収穫祭参加。屋台を回っていたら、ロアンヌちゃん発見。リッツとめっちゃ意気投合していたね。

 そして、予定より4日遅れでトーハト王国へ。


 ロイクブーケ村の紹介で、キャンメル伯爵と面会。

 ドラゴン引越の時に渡した手紙は、喜んでくれていたみたいだよ。プレゼントしたマナ鉱石にも感謝を述べられた。今後とも協力関係で合意。

 それから、伯爵の紹介で国王との会談に臨んだ。


「はじめまして、オレは国王のボネロ・ハウクバン・トーハトと申し……」

「僕の名前はワールドン。よろしくね、ボネロ君」

「一目惚れしました!結婚して下さい!」

「は、はいーーー?」


 なんかしつこく求婚されたよ。僕がいくら女性じゃないと説明しても「それでも構わない!」と聞く耳持ってくれなかった。エリーゼの笑顔の圧が高まり続けてヤバいと思ったから、逃げ出すように撤収した。

 マイティから珍しく好判断です、と褒められたけど珍しくってのは余計じゃないかな?それだと普段は、ダメダメな判断に聞こえるんだけど?違くない?


(お、こっちも収穫祭間に合った!)


 トーハト王国でもお忍びで収穫祭に。屋台は今までと全く違っていて、炒め物や蒸し料理が多い。こうして食べ比べてみて始めて分かる。その土地の文化の違いや食材の違い、味の好みの違い。

 ケタ探しの旅の時には港町だけだったから気づかなかったな。まだまだ世界は知りたい事だらけだよ。


「収穫祭終わっちゃうの寂しい。僕、もっと堪能したかったなぁ」

「分かりましたわ!全力で延長させますわ!」

「わわっ!ストップだよエリーゼお姉ちゃん!」

「ワールドン様、迂闊な事を仰らないで下さい」


 僕が素直な気持ちを吐露したら、エリーゼが暴走しかけてたので、それをリッツが必死で止めている。マイティからも叱られた。僕、涙目。

 そこにカルカンがそっと告げる。


「ワールドン様、北の大陸は時期が遅いはずにゃー。カイナ諸島だったらまだやってるかもにゃ!」

「それだよ!」

「それですわ!」


 急遽、予定になかったカイナ諸島行きを突貫決行。

 リッツとマイティが、カルカンをKYだとチクチク口撃していたんだけど、なんだかカルカンは嬉しそうにしていた。


(まぁ、そういう所も含めてのKYだよね)


 リッツから、天蠍節までに戻る事を条件に許可が出たよ。エリーゼは、リッツから厳重注意されて、凄くしょんぼりしている。リゼに叱られるって言葉が、エリーゼには一番効くみたいね。


(天蠍節まで後6日もあるんだから余裕だよ!)


 って事で、やってきました久々のカイナ諸島!とても穏やかな人が多くて、静かでのんびりできる。

 タイミングが良かったみたいで、収穫祭は明日からだってさ。僕の日頃の行いが良いからだよね!


「お久しぶりです、ワールドン様」

「お久~!サブレー君」


 彼はサブレー・ハート侯爵。

 物件巡りの時にも大変お世話になっていたんだ。

 元々はカシーナック大陸の亡国の貴族だったらしいけど、ここに流れ着いたそうだ。彼を慕って領民も海を渡って来たんだ。彼は平民になろうとしたんだけど領民達が全員で止めたんだとさ。

 彼自身はお飾り領主と言うけどさ、領民が心の底から認めている領主がお飾りな訳ないよね。実は僕の理想の統治者像なんだ。


「「「乾杯~~!」」」


 カイナ諸島では1週間も収穫祭を行うみたいでさ、毎日がお祭り騒ぎでめちゃ楽しかった。久しぶりに砂風呂も堪能する。たまにならアリだね。


「コン君、めちゃイケル口だよね!もっと飲もう!」

「おー!ワールドン様の持ってきた酒は旨いなぁ!」

「ですにゃ!ワールドン王国のお酒は最高にゃ!」


 ついでにサトウさんにも会ったよ。

 サトウ=ゼイノフル連合国の盟主。サブレー君の紹介で会ってみたんだ。めちゃ気が合うんだよね。名前もコンペイトウって長かったんで、あだ名をコンで呼んでいるの。既にマブダチだよぉ!

 カルカンも一緒に収穫祭で飲んだくれていた。

 色んなお話が聞けたけど、なんとコン君はお父さんが異世界人なんだってさ。元々は佐藤って苗字だったんだって!


「「ハイ!猫魔族のちょっといいとこみてみたい~!ほら、一気!一気!」」

「「「ぷはーーーにゃーーー」」」


 毎晩の様に楽しい宴が続く。本当に楽しいな。ん?なんかリッツがゴミを見るような目で冷たい眼差しをしている。


「り、リッツ!?どしたの?」

「ワールドン様。あたしとの約束覚えてる?」


(や、約束?なんだっけ!?)


 腕を組んで指をトントンしているリッツからは、とてもひんやりしたオーラが漂っているよ。こういう時にはカルカンを生贄召喚だ!

 呑兵衛をむんずと捕まえて、リッツに突き出す。


「カルカン!リッツのご機嫌取って!」

「んーなんらーうぃっく!リッツ氏?誕生節おめでとうにゃー……うぃっく!」


 僕はさーっと血の気が引く音を聞いた気がした。

 天蠍節に突入しているじゃん!楽しすぎて忘れていたよ!


「ワールドン様。あたしに天蠍節(・・・)までに戻るって言ったよね?」

「はいにゃー……」

「んー?なんらーワールドン様は語尾マネるの禁止にゃー。紛らわしいのにゃーうぃっく」


 僕がリッツに叱られていると、コン君がジョッキ片手にやってきたよ。ニコニコとご機嫌だ。


「どうした?ワールドン様もっと飲め!宴だぞ!」

「サトウ様、これはあたしの国の問題だから口を出さないで!」

「はいにゃー……」

「サトウ氏も語尾禁止なのにゃ!うぷ……おえぇぇ」


 コン君も一発で黙らされた。

 なんか圧がエリーゼに似ている。師弟は似るのか。

 ササッと別れを告げて、帰り支度をする。コン君には今度改めて遊びに来てと伝えた。


「ワールドン様!新年祭に誘ってくれてありがとな」

「うん、是非来てね!」


 ドラゴン形態になって帰りの途に就く。今度は飛ばし過ぎないように慎重に。だから2日もかかった。


─────────────────────


「ワドー。天蠍節に収穫祭をやるってのにどこで道草食ってたんー?お前を待って延期してたんだぞー」

「ワドよ。なんか後ろ暗い時の表情してるぞにゃん?ちょっと吾輩に伝心で見せてみろにゃん」


 僕は今、めちゃくちゃ吊るし上げられているよ!

 マイティもリッツも擁護してくれない。

 リゼも「困ったの」と言って視線を反らすの!僕の方が困るの!

 あ、カルカンは借金返済の為、既にドナドナ済み。


「ワド、なんで伝心ブロックしてるにゃん?」

「なんの事かな?僕、ワカンナイ」

「お?黙秘権か?黙秘権1秒につきスイーツを1日お預けの刑にするよー」


 僕は慌ててブロック解除。目を閉じて断罪の時を待った。

 当然ながらギルティ認定された。デスヨネー。


「ワドだけずるいにゃん!ずるいにゃん!吾輩がラザの相手で苦労してたのに各地の屋台を巡るにゃんて」

「お、今の語尾アレンジはポイント高めだよ」

「ふふん(ドヤにゃん)じゃなくて……ワドだけずるいぞにゃん!」


 僕は必死にガトーを宥めた。けど、何かご褒美あげないとコレ止まらないな。



(ん?そういやラザはどうなったの?)

建国前に巡った各国へ、遊びに行ってます。

予定スケジュールの調整は、エリーゼ・リゼの睡眠管理の日々でもあります。

1日ずれると、2日ずれていくので、どんどん押していくのです。


次回は「遊園地完成&ご近所引っ越し」です。

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 お邪魔しています。  ワド君、ちょっと遊び過ぎたようですね。日程も頭から抜けたようなので、大変です!  エリーゼさんが、頑張っちゃってますね。あんまり、まわりの人に迷惑をかけないようにほどほどがい…
ワドは収穫祭忘れてましたね〜、流石ドジドラゴン。 ここらでキャラ詳細とか見たいです!結構頭の中がごちゃごちゃしてまして…
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