表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドラゴンの人生探求  作者: 元毛玉
転生者を探す旅

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/389

奴隷解放

前回のあらすじ

再会を果たしたが奴隷になっていた為、解放手続きを待っていました。

エリーゼが解放手続きに奔走しています。

 エリーゼが満面の笑顔で、成果を報告してきた。


「ワールドン様!お待たせしました!全て手続きを終わらせましたわ!」


 物凄い走りでやってきたので、すんごい砂埃。

 従者の3人組は、また引き離されたんだろうか?

 まだ姿が見えないな。

 どうでもいいけど騒音で村人が驚いているし、砂煙で咳き込んでいるよ。


「早かったね。もっとかかると聞いてたけど?」

「ワールドン様の為にわたくし頑張りましたわ!」


 思ったよりも早く終わったのは良かった。

 さっそくルクルを迎えに行く。この村ともオサラバだね。


─────────────────────


「ワドー。これからよろしくー」

「あぁ!……コンゴトモヨロシク」

「ちょっと待ってくださいませ!」


 さぁ旅立ちだと思ったら、エリーゼからちょっと待ったコールがかかった。


「どうしたんですかー?エリーゼ様?」

「あなた、ワールドン様のご友人とはいえ、女神であらせられるワールドン様の素晴らしいお名前を、省略するなんて不敬でしてよ!」


 どうやら名前を省略した、あだ名呼びがお気に召さないみたい。


「えーと、ワド説明してあげてー」

「エリーゼ、友達はあだ名で呼んでいいんだ」


 それから、ワールドンの名前とワドのあだ名は、ルクル(当時はケタ)が名付けてくれた事を説明した。

 ……エリーゼは混乱している。

 そこにルクルから【伝心】(    )の合図が来た。


『ルクル、どしたん?』

『信者を増やされて困ってるんでしょ?』

『うん。何か良い対処案ある?』

『エリーゼ様も友達にするって言ったらどう?』


 ルクルの作戦はこうだ。

 エリーゼも特別に、友達にしてあげる事にする。

 あだ名で呼んで良い、特典があると伝える。

 友達になるには、布教活動をやめる事が条件。


(行けるのでは?この機会を逃す手はないね!)


「どうだろう?エリーゼ。友達になってよ」

「あ、あの!少し考えさせて下さいませ!」


 爆音を響かせて、どこかに去ってしまった。

 ま、気にせず移動しようか。どこにいっても勝手に見つけてくるでしょ。


(さて、出発しますか)


 そそくさと脱衣して服をしまいながら、ドラゴン形態に戻る。おっと、そこは光ガードだぜ。

 ばさりと翼を広げて、空高く昇っていく。さっきまでいた村の建物が、もう豆粒のようだ。


「おぉぉぉぉ!た、たかい……」

「落ちないようにしっかり捕まって」


 ルクルは背中に乗れる事を、最初は凄く喜んでいたんだけど、上空にきたら唐突に「思い……だしたー」と叫んでいた。高所恐怖症だとさ。


「無理無理無理無理!」

「あはは、流石にオーバーリアクション過ぎだよ?」

「冗談じゃなくて余裕ない。マジで一旦降りて……」

「ふむ、考慮はしよう。はい、したよ!(キリッ)」


 生まれたての小鹿みたいにプルプルしているけど、僕は気にせず空の旅を楽しむ。

 広大な海は遮るものが何も無くて気持ちがいい。

 ちょっと大きめの雲が無ければもっと青が映えるなと思いつつ、僕は風を感じながら飛んでいた。


(おや?)


 白の気配だ。最近はよく会うな。


『やぁ白!さきほどぶりじゃないか』

『あぁ金の……って今はワールドンだったか』


 白には往路でも会っていた。

 4ヶ月程前の事を「さきほど」と表現したのは意図的だ。白は人の時間単位など知らないからな。僕は賢いね。


『人と交流を持っているのは事実のようだな』

『あぁ背中のコレ?そうそう、友達なんだ』

『それだけでは無い。ついさっきも、人の女がワールドンを呼んでいたぞ』


 女?ルクルはどうみても男の子だよ?

 訳がわからないので、ルクルに【伝心】(    )で相談してみる。


『どう思う?』

『ひぃ!……えと、まず「ついさっき」を確認して……たかっ……あと呼んでた時の事を……ひぃ!』

『怖がるか喋るかどっちかにしてよ』

『無理いわ……ひぃ!……ないで!』


 あ、なんか背中が妙に暖かいんだけど、なんか嫌な予感するんだけど、なにか背中から垂れてきているんだけど……マジ勘弁してよ。

 とりあえずアドバイス通りに聞いてみる。


『ついさっきは僕に会った時かな?』

『そうだな会った直後だな』

『僕を呼んでたってどんな風に?』

『えーとだな……伝心で丸ごと伝えよう』


ーーードラゴン再現VTRーーー

「ワールドン様!一日でも早くお傍にまいりますわ!あぁ神様!どうか一日でも早く!」

『人よ。ワールドンは金だな?盟友の白だ。近くに行きたいのか?』

「はい!白様!わたくしワールドン様のお傍に一日でも早く行きたいのですわ!」

『そうか……では手助けをしてやろう』

ーーードラゴン再現ENDーーー


『という事があって、人の航海が早くなるように嵐を起こしてやったのだ』

『あぁぁぁぁエリーゼ!お前……くぅ……』

『何か必死に繰り返し祈っておって、少々煩かったのでな。おせっかいだったか?』


 船旅で追いついた、謎パワーが判明した。


 エリーゼの狂気の祈りを、騒音に思った白が祈りの内容を聞き、前日に僕が名乗っていた名前と同じだったから知り合いだと認識したようだ。

 雷の一柱である白は、雷雲を操作して嵐を起こし、暴風で無理やり航行速度をあげてやったらしい。


『ありがとうよぅ白よ。助かったよ』

『そうか良かった。何故泣いているのだ?』


 ほぼ理解してしまったんだよ。でも強がって否定する。


『これは目汁だ。涙では無い!』

『そ、そうか?』


 海の上では問題を起こさないと思っていたら、やらかしていた。再現イメージ共有した事で、他の船員が甲板で「神と交信した!?女神の使いとは本当だったのか!?」と驚愕していたのまで丸見えだった。


(新大陸の布教速度が早い原因はこれかぁ!)


 どうりで、やたら布教が早いわけだよ。てっきり信心深い土地柄なのかと思っていた。でも、なんか異常な速度で広まるのには、違和感があったんだ。それがやっと腑に落ちたよ。


『ではまたな』

『あぁ。白、またね』


 白と別れた後は、元の大陸まで戻って、猫魔族の国まで飛んできた。刺激しないぐらいの距離にある水場へと、ゆっくりと下降する。


「あぁぁぁー!会いたかったよー地面ー!」

「泣きながら地面に抱きつかないでよ」


 ルクルは泣き叫びながら、地面に抱きついている。


「もう空の旅は嫌だー!」

「泣きたいのはこっちだよ……」


 背中がなんか臭うので、人に変化し、近くの水場で体を洗った。ドラゴンだと水場が浅すぎて、背中が洗えないからね。

 念入りに洗って、ついでに髪も洗う。思いっきり髪をかきあげた。

 ふと、声の主に視線を向ける。

 なんか、ルクルが「前隠せ!」と言っていた。


(ドラゴンの全裸見てるから今更じゃない?)


 ここにはルクルしか居ないから、面倒で光ガードを出していない。

 せっかくのサービスサービスなんだからさ、喜んでくれてもいいのにね?



 着替え終わる頃には、見知った猫魔族が近くまで来ていた。



「ワールドン様!お久しぶりです!あっ、にゃ!」

謎パワーには雷を司るドラゴンが関与していたようで……。(苦笑)


1章「転生者を探す旅」の本編はここまで。


次回は船乗りバタック視点の「大嵐と船乗り達」です。


※色でのキャラ呼称の補足

本作の最高位ドラゴンの7柱は色で呼ばれています。

金、銀、白、黒、赤、緑、青、となります。

特にドラゴン達は敬称も付けずに色で呼び合っているので、唐突に色だけの呼称で出てくる事もあります。

分かりづらくて申し訳ないです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元毛玉作品集
新着順最近投稿されたものから順に表示されます。
総合評価順人気の高い順に表示されます。
ドラ探シリーズ「ドラゴンの人生探求」の関連作品をまとめたものです。
本日の樽生ラインナップ樽酒 麦生の短編集です。
セブンスカイズ
代表作。全25話。
なろう執筆はじめました!なろう初心者作家向けのエッセイです。
― 新着の感想 ―
流石に超人エリーゼもこんな伏線がなければ高速で海を渡ったりとか異常なレベルの布教したりとかは出来なかったのか。 ワールドン は マーキング されました
龍の時間感覚表現が何か好きです。 人とは違う流れを生きているんだなって実感できます。 白とのやり取りでもしかしてと思ったら、エリーゼ関連だったのは笑えたw 最後の「にゃ」つけ忘れっ子も何かありそう。
ルクルの高所恐怖症が発覚!空を飛ぶのは高いとこにいる以上に恐怖だったでしょうねw エリーゼの、ワドのためなら他のドラゴンも利用してしまう執念がすごいですね!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ