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ドラゴンの人生探求  作者: 元毛玉
娯楽を充実させよう

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開国1周年祭

前回のあらすじ

ワールドンカップと料理コンテストが無事に終了しました。

料理コンテストは、リッツもリゼも優勝できませんでした。

 ポポロのアナウンスが流れる。


「明日は建国祭です。皆様、遅れないようお願いします」


 明日からは建国1周年のお祭だ。今回は港町からも参加組がいて大規模なんだ。

 村の合計人数は180人なんだけどさ、港町は約2400人と規模感が全く違うんだな。

 元々は1万人を超えていたんだけど、カービル帝国に戻りたいって人達が出てったから、1/5くらいに減っちゃったの。


 んで、今回は600人だけの参加になった。移動手段の課題もあるし、そもそもまだ王都のスペースがそこまで大きくないから。

 リニアの線路と車体には、銀の最高品質マナ鉱石が必要らしい。早く探しに行かないとな。早めの第2回ドラ探が必要だよ。


 今年の建国祭では、コスプレ大会がある。

 ……けど、中身が別物過ぎて、僕的にはコスプレ大会と認められないけどね。

 村からは7チームが参加するよ!


「ワールドン様!港町からの国民が到着したにゃ!」

「うん。順次、通してくれる?」

「任されたにゃ!」


 港町から来た国民は、温泉宿に泊まるんだけどさ……僕の参拝をしたいんだと。ほとんどが初対面なのもあるしね。ってか、600人も覚えられる気がしないんだけど?


「ワールドン様!お目にかかれて光栄です!」

「ありがたや~ありがたや~」

「ハハハ……大袈裟だよ」


 僕は国王としてサボれないの。ガトーはサボって鍋パーティーに行っちゃったし。


「ワールドン様。私も鍋パーティーに行くのにゃ。後はテトサが案内するのにゃ!」

「うん、カルカンも楽しんで来てね」


(嘘だよ。行かないでカルカン!寂しいよ!)


 僕は、国王の公務を粛々とこなしていた。



 ドドドドドドドドド……バン!



「ワールドン様!お呼びですか!?わたくしがついてますわ!」

「エ、エリーゼ!?外務大臣の仕事はいいの?」

「ワールドン様が、寂しい思いをされている気がしましたわ!ですので、バラン卿に後を頼んで駆けつけましたわ!」


 相変わらずエリーゼは謎だけど……嬉しいな。

 日付が変わる時間まで挨拶は続いた。


「終わった~!」


 僕は急いでガトーに【伝心】(    )したよ。


『鍋パーティーまだ間に合う!?』

『ん?ワドか。ちょうど終わったとこだにゃん』


 ううう……ちょっと遅かったみたい。(シクシク)

 ん?なんかガトーが話しているみたいだ。僕はガトーの意識を読み取った。


ーーーガトーのお願いシーンVTRーーー

「なぁ、ルクルよ。鍋パーティーの延長戦をやりたいぞにゃん?」

「んー?もうお腹いっぱいだしさー、何人かは脱落して夢の中だよー?」

「でもな、ワドが参加できてないぞ。可哀想だにゃん」


〜〜〜ガタッ!と立ち上がる音〜〜〜

「ルクル様、私からもお願いしますわ!ワールドン様は国王として頑張ってはりますわ!」

「そうだそうだ!ワドにもご褒美必要にゃん!」

「んー、カール先生どうですー?」

「今日はお開きにして……明日、趣向を変えて開催でどうでしょうか?」


〜〜〜ガトーとストローが猛プッシュ!〜〜〜

「せやせや!明日やりましょ!あ、てか、もう今日か」

「吾輩からもお願いするぞにゃん!」

「じゃあさー、明日は闇鍋にしようかー!」

ーーーガトーのお願いシーンENDーーー


 ガトーとストローにマジ感謝だよ!流石は友達だよ!被害者友の会の仲間だよ!

 僕だけ仲間外れなのはヤだよ!

 僕も鍋パーティーしたいんだよ!闇鍋でも全然いいよ!


 それから、ガトーと合流して鍋パーティーの様子を【伝心】(    )で共有した。カルカンがめっちゃ鍋奉行をしていたなぁ。楽しそう。

 明け方までガトーとキャッキャキャッキャと女子会オールしていた。


 さぁ、今日は建国祭だよ!


「えとえと……挨拶だけど、以下省略!乾杯!」

「「「乾杯~!」」」


 僕は学習したから長い挨拶はやめといた。昨日の港町の国民挨拶で、飽きたってのもあるけどね。


「コスプレ大会をお昼から始めます!参加者はそれぞれの待合室で待機して下さい!」


 ポポロからのアナウンスだよ。風の拡声器魔術具を使っていても、連日の声の張り上げで掠れてきているな。癒そうとすると「私は長生きしたいので」ってやんわり断られるの。

 そんなこんなでコスプレ大会とは名ばかりの仮装大賞が始まったよ。


「エントリーNo.1 黄金聖水での農作!」


 フウカナット村の面々が、農作の様子を仮装して表現していた。ジャックは木の役なんかい!これ豆の木なん!?

 最終的に黄金聖水がビールになっていた。黄色の全身タイツ姿のヴェスト達が、イイ笑顔しているな。


(他は色々ありすぎて省略!レベルはお察し!)


「エントリーNo.7 ガトー様の変身!」


 え?これトスィーテちゃんの許可取ったの?下着役の子がいるんだけど……バレたらヤバない?

 僕は隣で見ていたガトーを、思わず凝視したよ。


「あちゃー、これ畳んだ下着が見えちゃった時のだにゃん。バレたらヤバいにゃん」

「僕、秘密守るから!黙ってるから!」

「なんかカルカン辺りからポロッとバレる未来しか見えないんだが……どう思うにゃん?」


 同じ未来を思い描いたな。カルカン操縦不可能だから、不可避っぽい気がする。僕はそっと目を反らした。


「ワド……バレたら一緒に謝ってにゃん」

「う、うん。あ!そうだ!カルカンを生贄に用意しとこうよ!怒りのはけ口は必要だよ!」

「何か暴露ネタ仕入れとくにゃん」


 合格のファンファーレが会場に鳴り響いた。ボンのスコアゲージの再現度は完璧だったよ。ゲージの伸び方とか、SEも完璧じゃんね?


「なーんか、殺気飛ばしてる奴がいるぞにゃん?」

「ん?あーそれは刺客の人だよ」


 そうそう、仲居さんの中に刺客が1人混ざっている。セトチ村から移住してきた女性だよ。

 ルクルが、敢えて泳がせるから手出し無用と言っていた。捕らえ過ぎると、全ての工作が筒抜けなのがバレるからだって。なので、バレる前提のダミー工作員だけ全員見つけて、帝国に送り返している。


 リゼが黒い笑顔で、刺客の女性に近づいて行った。あ、なんかリゼ怒っているかも?これ多分、社会的に抹殺されそうだけど、大丈夫?


「ワドよ、なんか伝心で読み取ったらさ……」

「ダメだよ!ガトー!それR18だから!」

「お、おう。口にするのは避けるぞにゃん」


(見ないふり。気付かないふり)


 仮装大賞の合格2チームから、僕とガトーが投票して優勝を決めるんだけど、意見が完全に割れた。


・僕は黄金聖水を優勝させたくない。

・ガトーは変身ミスったのを優勝させたくない。


 これは永遠に平行線だね。

 アルから「じゃんけんで優勝を決めてはどうか?」と提案貰ったけどさ、そんな気軽に優勝を決められないよ!


「今年は引き分けって事でー、優勝なしにすればー?賞金は来年上乗せにしよーか」


 ギルドマスターから思わぬ助け舟があり、なんとか穏便に決着したよ。黒歴史が優勝しなくて済んで、僕とガトーは胸を撫で下ろした。


 夜は誕生節のお祝い1日目だ。リゼ&カルカンからは、3Dホログラムの魔術具を貰った。転写の魔術具で撮影した映像が、宙に浮かび上がって見える新技術なんだ。


「リゼ氏のリテイクが大変だったにゃ」

「ルクルからホログラムの原理を聞いて作ったの。ワドに喜んで欲しくて頑張ったの」

「二人共ありがとう!めちゃ大事にするね!毎晩でも眺めてたいよ!最高に素敵だよ。僕、とても嬉しい!」


 ドドドドドドドドド……!


 その直後、リゼは顔を真っ赤にしてトイレに行くと爆走したよ。その走りは、まるでエリーゼのようだね。


(そんなにトイレ我慢してたの?体に悪いよ?ってかカルカンは置いてって!持ってかないで!)


「シュココー!シュシュシュシュ!コー!」

「えと……これ、リッツなんて言ってるのー?ワド教えてくれるー?」

「んと、リゼお姉ちゃん!惜しい惜しいー!だよ?」


 リッツ語を理解出来るのは、僕とマイティだけなんだ。リゼやエリーゼでも解読失敗あるみたいだし?【伝心】(    )はダメって言われて頑張ったのだ!(ドヤァ)


「ねぇ、何が惜しいのー?」

「僕も知らないの」

「…………」

「…………」

「ちょっと君達ー?黙秘権使うのなんでー?」


 ルクルの質問に、リッツとガトーはだんまりだよ。ガトーは言いつけを守らず【伝心】(    )した後、リッツから脅されたみたい。

 とある秘密をトスィーテちゃんにバラされたく無いらしくて、僕が聞いても黙秘するんだ。


「ま、いいかー。で、これ俺とリッツからのプレゼントねー。ガトーの分もあるよー」

「お、吾輩のもあるのか?気が利くにゃん!」

「ありがとう。なんだろ?」


 僕とガトーはガサゴソと麻袋から中身を取り出した。寝間着と部屋着の10点セットだ。ガトーも同じみたい。


「ありがとう。でも何で寝間着と部屋着?」

「シュコー!シュコー!シュコー!」

「これ以上の進行はヤなんだってー」

「「凹むにゃん……」」


 マナ吸収素材で作られた服だった。部屋の大気中にあるマナ成分を薄めないと、更に進化しちゃう診断を受けて、これにしたんだとさ。いい加減諦めようよ?

 それから僕らは、闇鍋パーティーをしたんだ。皆で食材を持ち寄って暗闇の中で食べるの。だけど、僕がほんのり発光しているから、全員で目隠しする事になった。


「はぁ……はぁ……はぁ……」


 トイレから戻ってきたリゼは何か興奮していて、ちょっと近寄り難い感じだったし、目隠しで更に興奮していた。

 目隠しで食べるのは大変だから、具材を取ったら参加者の誰かが食べさせるんだよ。僕がリゼに食べさせたり、リゼがルクルに食べさせたりしていたんだけど……



 ゴッ!バターン!



 リゼがグーパンで自分自身の顔を殴った。

 マイティ曰く「睡眠薬が間に合わないと判断なされました」だってさ。ご自愛してよね?



ワドはリッツ語を習得してしまいました。

といっても防護服を来ているリッツ限定の言語なので、世の中では全く役にたたないですがw

でも、マイティの意図汲み取り能力の方が高いので、リッツ語を覚えたのはマイティが先です。


次回は「ボードゲームリベンジ」です。

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 お邪魔しています。ワド君大変ですね~。  王様の謁見のためとはいえ、訪問者対応はえらいしんどっかったんじゃないでしょうか? でもちゃんと、鍋パーティーを延長してあげるんなんて、みんないい人ですよね…
[良い点] ワイワイキャキャ、見ていて癒されます…! [一言] お休みリゼ! ワドォォォ、残念やろぉぉぉあ
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