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十八話目 言いたいことがあるなら言えっ!

おはようございます!

今日は休みですぜ(ΦωΦ)フフフ…


頑張っていきましょう!


「……蒼真を助けてやらなきゃ!!」


小雪の覚醒により、兵士がガラリと居なくなった懲罰房周辺に辿り着いた徹は、懲罰房と書かれた表札のある建物の扉をドンドンと叩いた。

するとーー



「……あぁん?何だよお前。


ほう、なるほど。お前ら、俺らに喧嘩売ったのか?買ってやるよ、楽しいんだよなあ、そういうのっっ!!!」


扉から出てきた白く長い髪を風になびかせている目つきの悪い男は徹を見るなり、全てを把握したように剣を取り出して、徹に振り下ろした。



「あっ、危ねえ!!」


だが、男の剣は、白い剣によって遮られた。

それも、男の背後から。



「……やめてください。

俺の客人です、本当にお願いします!」


「はあ?お前、あれだけボコられてまだそんな気力があるのかよ。


ちぇっ、しゃあねーなー!

んじゃ、あと3時間、俺のストレス解消の糧になってもらおうか!

ほら、中入れ!」



彼の剣を遮ったのは、

目の色も髪の色にも何一つ輝きのない蒼真だった。

彼は、男に連れて行かれるなり渋々といった感じで懲罰房の中へと消えていこうとする。



「……待てっ!!

蒼真、俺達、騎士団を作ったんだ!!


これでもう、お前は嫌な思いしなくて済むんだよ!俺らと一緒に来い!……な?」



「だってよ?

蒼真クン、俺と遊ぶよりもこっちを選ぶ?」


男は笑いながら蒼真の肩をポンポンと両手で叩いた。

徹の呼びかけに怒りを覚えたのだろう。



「……さっさと失せろ!

俺はお前らの騎士団なんか入らねェ!!」


彼は辛辣な表情で、中へと消えていった。

彼の涙も辛そうな表情も背中を見せていては徹にも梓にも伝わることはなかった。



「……マジかよ。

余計に嫌われちまった……」


「だな……どうすっか?ら

流石にアレじゃ、助けようがねぇよ」



ーーだが一人。

分かる人物が居た。


彼は、珍しくも大きい声で叫んだ。



「……蒼真ぁぁぁぁぁぁ!!


伝えたいことは伝えないと、伝わらない!!

真正面から言わなきゃ、徹達も分かんないんだ!!


だから、ぶつけてみなよ!

君の心を!聞いてくれる人に!」



ーードクン。ドクン。

蒼真の鼓動は大きくなる。


脈打つ鼓動は次第に叫びへと、

大きな変化を遂げようか。



「そうだね、伝えたいことは言わなきゃ、伝わらない。


嫌だと思っていて、騎士団の中でこんな目に合うなら俺はこんなクソッタレな国抜けてやる!!」


蒼真は大きな声で叫び、

感情を露わにした。


嫌だと思うことを嫌だと行ってなにが悪い。

辛いことを辛いままにしてはいけない。


誰かを頼ること、それが大切なんだ。


彼の乾ききった瞳には、潤いと一粒の光が射し込んだような気がした。



「……あぁん?

何だよお前、俺様に逆らうのか?


この……《円卓の騎士》副団長の俺様にィィ!?

蒼真ァ、んなことしたらどうなるか分かるよなあ?」


男はーー間違った行動をしてしまった。

吹っ切れた彼の行動を、次に行うべくする行動を読めなかったのだ。



そしてーーー



「……《光の礫よ、閃光が如き速度で駆け巡れ!!眩く世界を照らす光は俺を新たな道へと進ませてくれようか!!光輝の礫(ルーメ・メテオ)!》」


ーー刹那。

彼の詠唱が完成する頃、太陽からの陽光が副団長を名乗る男に目掛けて大量の礫として懲罰房ごと吹っ飛ばした。


中から出てくるは、汚れた金髪と汚れた容姿、だが、瞳だけは光り輝き、邪を祓い、世界の始まりを告げる光となる男。


光輝の魔術師(ルーメ・マジシャン)》の姿そのものだった。



「……もう、我慢しなくていいんだ。

俺らは仲間……もう、あんな辛い思いはしなくて良いんだ!!」


彼を照らす光もまた、彼のモノ。

光は礫となりて、射しこめば剣となる。



「何事だ!!

……テメェ、裏切ったのかよ!?」


《円卓の騎士》の拠点から出てきた西木は、蒼真の顔と目の前で起こっていることを見るなり、憤怒の表情で彼に殴りかかった。



「……最初に裏切ったのは、お前だ!!」


彼の拳を簡単なまでに受け止めて、

反射的に腹部を蹴り飛ばす。


予想よりも大きな力に唾液混じりの吐息を吐くと、後ろへ後退し、腹を抑えてうずくまりながら彼は闘志を燃やそう。



「……テメェは、《混沌の魔女》の倅!!

この世で生きてちゃいけねえんだよ!


黙って死んでおけば良かったんだ!!」


前の彼にならこの言葉は間違いなく届いていただろう。

だが、今の彼はーー




「……そうだな。


でも、そういうのは全部受け止めてくれる仲間が出来たから、きみらにはもう用はない」



ーー特に興味もなく、

彼を簡単なまでに視界から外した。

小雪に駆け寄った蒼真は、嬉しそうに笑顔でお礼の言葉を紡ぐ。



「……本当にありがとう!!

君には感謝をしても仕切れないくらいだ!!


言わなきゃ、伝わらない。

そんな簡単なこと、今更気付かされるなんて思ってなかったんだけどね……でも、忘れてたよ。


辛いことを辛いままにするのは、

本当に辛くなるからしてはいけないことなんだって!!


どうして、簡単なことを忘れてしまうんだろう。

分からないけど、こうして思い出せたんだ。


俺を君の騎士団に入れて欲しい!!」


小雪も笑顔で返した。



「うん、ていうか、おかえり!」



「ああ、ただいま!!」



小雪と蒼真、徹と梓は喫茶マリアに帰るべくして後ろを振り向かずに去って行った。


これからは大切な仲間が居る。

それだけで、今までの辛いことは全て忘れられるんだ。


蒼真の心はいつになく安堵していた。



だがーーそれは簡単に破壊されてしまう。

行く手を阻む、最強の存在の手によって。



ーー《円卓の騎士》拠点にて。

大きな卓上テーブルが置かれた拠点の内部。

テーブルの真ん中で、剣を取り出した男はニヤリと微笑んで、詠唱の手向けを。



「《燃え盛る火の如き破壊力で手向けを、炎から逃れられる道など存在せず、一点の目標を狙えば、逃すことは邪の道へ。

赤蓮の一振り(ロッソ・スイング)!!》」



大きく掲げた巨大な斧は、莫大なまでの魔力を纏わされ、振り下ろされた。



ーー直後。

《円卓の騎士》の拠点の半分が壊滅し、

完全なまでに破壊された。


燃え続ける炎と轟音の中、蒼真は思い出した。


《円卓の騎士》に住む、最強の存在を。

炎を消すことができない恐怖を。


恐れ慄けば、火は灯される。

光さえも簡単に焼き尽くす、


最悪の業火を。味わえ。


遅くなった上に、少しだけ短くてすいません。

今、小説を書いてる時間と完全なスランプで頭に何も浮かんでこないのが影響で長い長い連休を貰ってしまいました。


また、このようなことがあるかもしれませんが、その時はご勘弁を!!

他の二作もなるべく早く更新します。


エタることだけは、絶対に阻止できるように頑張ります!毎日投稿とは程遠い更新速度になっていますが、応援の方よろしくお願いします!

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