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2話



なんか気持ち悪い。車酔いみたいな感じがする。

地面が消えたと思ったら、今度はジェットコースターに乗ったみたいな内臓がふわっとする感じがして、おさまったと思ったら車酔いみたいに気持ち悪い。ジェットコースターだけは本当にダメだ。あれにのるくらいなら腹を空かせたライオンに囲まれる方が3000倍ましだ。一瞬のこととはいえ最悪な気分だ。まあ気を取り直すとしよう。そろそろ目を開けて周りを確認しよう。実はさっきからドカバカと何かが暴れるような音と、ガーとかゴギャーとか獣の哭き声のようなものが聞こえるのでいい加減状況を確認した方いい気がする。


2匹の怪獣が戦っていた。

片や体高2メートル程のオオカミ?(尻尾が二股)と片や体長5メートル程クマ?(額に角あり)が血みどろの殺し合いを繰り広げている。どちらも相当に消耗、傷をおっているようで毛並はもちろんあたりには血がまきちからされている。規格外の怪獣なので詳しいことはわからないが、若干クマの方が有利に見える。

「ガー!!」

薙ぎ払いで横をむいてしまったオオカミの首筋にクマが突進し額の角を突き刺すと爆発した。パンという音と伴にオオカミの血が吹き出す。

てか爆発ってなに?でかかったり、角があったり、尻尾が二股なのは突然変異と考えれば納得できないことはないが、爆発はあかんでしょう、爆発は。常識とか考えてくれ。常識人たる俺の常識的思考はおいておくとして、首に深刻なダメージを負ったオオカミはもちろんだが、爆発は起こしたであろうクマも明らかに消耗が激しくなっている。いわゆる気とか、魔力とかを使う攻撃だったのであろうか。瀕死のはずのオオカミが最期の力を振り絞り、クマの首筋に噛付く。どちらも必殺の一撃は首を狙っていることから、生物としての構造、常識はある程度推察できた。

しかしクマも黙って噛まれているわけではなく先ほど爆発で負った傷口に鋭いかぎづめをのばす。5秒ほど両雄譲らず我慢比べをしていたが、オオカミが崩れ落ちた。クマも深く傷つき消耗しているが、決め手はやはりあの爆発だったのだろう。熱い戦いに思わず叫んで拍手してしまった。当然クマに気づかれる。とても瀕死の重傷を負っているように見えない眼光で、ガーと一吠して猛然と俺に突進してきた。

正直怖い。どう考えても俺より強い化け物が襲いかかってきているのに、口角が吊り上がることをとめられない自分がいる。



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