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スライムスライム へなちょこ魔物使い  作者: 銀騎士
鉱山 採掘編

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94 ダンジョン都市アダック⑤ 修




「……丸いのが出てこないデシ」


 プニは不満そうな表情を浮かべている。


「あはは、なんでだろうねぇ。もしかしたら玉の黄の『瞬間移動』には回数制限があるのかもしれないね」


「あ、あの……た、助けていただき……あ、ありがとうございます」


 女たちの一人が喋るのも辛そうな表情を浮かべてシルルンに頭を下げた。


「あはは、運が良かったね。六人組の仲間なんでしょ」


 シルルンは思念で「三人を回復して」とプニに指示を出す。


 プニはデーモン種から『飛行』を奪っており、素早く飛行してヒールの魔法とファテーグの魔法を連続で唱えて、女たちの体力とスタミナが全快する。


「えっ!? 六人組!?」


 女たちは戸惑うような表情を浮かべている。


「良かった!! 生きててくれて!!」


 六人組が走り出して女たちに抱きついた。


「あ、あなたたちも生きてたの!?」


「そ、そうよ!! 私たちもこの人たちに助けられたのよ!」


 女たちは抱き合いながら顔をくしゃくしゃにして感極まった声を放って号泣している。


 しかし、安堵したのは束の間、上空から二匹の魔族が下りてくる。


「……どうやらザロスは死んだようね……あなたたちが殺ったのかしら?」


 デーモン種は『以心伝心』を所持しているので離れていても意思の疎通が可能なのだ。


 二匹とも女のような姿をしておりその姿は妖艶だった。


 女怪盗たちは恐怖で顔が蒼くなり、リザたちは表情を強張らせる。


「うん、僕ちゃんが倒したよ。ていうか、ここにいると次から次へと忙しいね」


 シルルンは警戒しながら『魔物解析』で魔族を視る。


デーモン セルキア レベル30 全長約1.6メートル

HP 2600

MP 3600

攻撃力1020+魔撃の杖

守備力770+ミスリルウィザードドレス

素早さ990+ミスリルブーツ 魔力の指輪+10 防御の指輪+10 幸運の腕輪+10

魔法 ウインドファイヤ エクスプロージョン ダークネス パラライズ インビシブル マジックドレイン カース スロー ディスペル シールド マジックシールド

能力 統率 憑依 魔法耐性 飛行 以心伝心 身体具現 威圧 能力耐性 魔撃 駿足 物理軽減



サキュバス リャンネル レベル35 全長約1.6メートル

HP 3900

MP 1100

攻撃力1300+ミスリルランス

守備力950+ミスリルファイタードレス

素早さ1000+ミスリルブーツ 力の指輪+10 防御の指輪+10

魔法 ウインド ファイヤ エクスプロージョン ダークネス パラライズ インビシブル ドレイン マジックドレイン アンチマジック

能力 魅了 強力 堅守 飛行 統率 威圧 魔法耐性 物理軽減 能力軽減



「う~ん……」


(片方は初めて見るサキュバスで『魔撃』も初めてみるね……)


 シルルンは表情を曇らせる。


 『魔撃』の効果は魔法の効果が一・五倍になるというものだ。


「……あなたは人族の男よね。なぜ効かないのかしら……」


 女デーモンはシルルンを怪訝な目で見つめており、その隣にいる女サキュバスの瞳が何度も怪しく光っている。


「あぁ、『魅了』なら僕ちゃんには効かないよ」


 シルルンはフフ~ンと胸を張る。


 彼は『魔物能力耐性』を所持しているので勝手に効かないと思っているが、何度も受ければ『魅了』されるのは言うまでもない。


 だが、シルルンは『反逆』を発動しているので、サキュバスが何度も『魅了』を放ったことにより、『魅了耐性』がついて、そこから『魅了無効』に進化した。


 そのため、彼には『魅了』が百パーセント効かなくなっていた。


「なっ!? なんでリャンネルが『魅了』を使えることを知っているのよ!?」


 女デーモンは驚きのあまりに血相を変える。


「それは僕ちゃんが魔物使いだから君たちのステータスを視れるからだよ」


「――っ!?」


 その言葉に、女デーモンと女サキュバスは大きく目を見張った。


 彼女らは魔物を連れている人族を極稀に見かけていたが、何らかの手段で強引に手下にしているだけだと思っていたのだ。


「魔物使い……それはどういったものか教えてもらえないかしら」


「ん~、魔物使いに目覚めると魔物をペットにする技が使えるようになって、魔物のステータスを視れるようになるんだよ。まぁ、誰でも魔物使いにはなれないけどね」


「……ペット? そのペットというのはこういうことをいうのかしら?」


 女デーモンは胸の谷間に手を突っ込んで何かを引っ張りだす。


「えっ!? スライム!? しかも六十センチぐらいあるじゃん!! でも、それは馴れているだけだね。魔物使いがいうペットって完全な主従関係だからね」


(でも、そんなデカイスライムがなんで胸から出てくるんだよ……?)


 シルルンは疑惑の眼差しを女デーモンの胸に向けている。


「完全な主従関係……」 


 女デーモンは今までずっと探していたピースがカチッと嵌ったような感覚を覚えて微笑が口角に浮かんだ。


 シルルンは大きいスライムを『魔物解析』で視る。


 スライムメタル レベル1 全長約60センチ

 HP 50

 MP 50

 攻撃力 25

 守備力 100

 素早さ 50

 魔法 シールド

 能力 捕食 堅守 眠りのブレス


「へぇ、スライムメタルっていうんだ」


(普通のスライムより圧倒的に強いけど魔物として考えると弱いね……)


 だが、シルルンは物欲しそうな表情を浮かべていた。


「それで私たちを見逃してくれるのかしら?」


「見逃す? 僕ちゃんはそっちの仲間を殺したんだよ?」


 シルルンは訝しげな眼差しを女デーモンに向ける。


「それはさすがにカチンときたけど『魅了』も効かなかったし、私は勝てない戦いはしないタイプなのよ。それに元々、私とザロスはリーダーの座をめぐって争っていたからザロスが死んだのなら私がリーダーね」


「ふ~ん、そうなんだ……今後、人族を襲わないと約束するなら見逃してもいいよ」


「――なっ!?」


 女デーモンは雷に打たれたように顔色を変える。


「ふ、ふざけるなっ!! そんな条件呑める訳がないだろがぁ!!」


 女サキュバスは目じりを険しく吊り上げて激昂してシルルンに目掛けて槍の一撃を放ったが、シルルンは剣で槍を弾き返し、そのあまりの衝撃に女サキュバスの手から槍が弾け飛ぶ。


「そ、そんな……」


 女サキュバスは大きく目を見張って信じられないといったような表情を浮かべている。


「次はないよ?」


 シルルンは鋭利で容赦のない視線を女サキュバスに向ける。


「……だけど、人族から攻撃してきたらどうするのよ」


 女デーモンは戸惑うような表情を浮かべている。


「その場合は攻撃してもいいよ。僕ちゃんが言いたいのは戦意のない者を襲うなってことだよ」


「わ、分かったわ……その条件を呑むしか私たちに選択肢はないようね」


「うん、分かってくれればいいんだよ。で、そのスライムがいる場所を教えてほしいんだよね」


「教えてもいいけど条件があるわ」


「えっ!? どんな条件なの?」


「私を一時的にあなたのペットにしてほしいのよ」


「えっ!? なんで!? どういうことなの?」


 シルルンは面食らってぽかんとする。


「私たちはこの転移エリアをずっと抜けようとしてるんだけど、私たちはどうやっても出口に入れないのよね。他に出口がないか探してみたけど見つからないのよ」


「へぇ、そうなんだ。なんで出口に入れないんだろうね」


「それは私たちにも分からないわ……」


 女デーモンは深刻な表情を浮かべている。


「……たぶん、出口の先が安全地帯だから入れないのよ。要するに魔族であるあんたたちは魔物扱いになってるのよ」


「えっ!? 出口の先は安全地帯なんだ……だったらさすがに魔族は入れないだろうね」


「ちょっとどういうことなのよ? 人族や獣人、亜人は入れるのになぜ魔族は入れないのよ?」


 女デーモンは不審げな眼差しをシルルンに向けている。


「ん~、言われてみると確かにそうだね……まぁ、このダンジョン自体が魔物らしいからダンジョンルールが存在するんだろうね」


「えっ!? なんて言ったの今!?」


「ん? このダンジョン自体が魔物っていったんだよ」


「そ、そんな……嘘でしょ!?」


 女デーモンはガツンと頭に衝撃を受けたような顔をした。


 このダンジョンが魔物であることを彼女が知らなかったことには理由があった。


 それは女デーモンたちがこのダンジョン内で自然発生した存在だからだ。


 そのため、外の世界の魔族と繋がりが無いので歴史が浅く、自分たちが見たもの経験したものだけが全てだった。


「えっ!? 知らなかったんだ」


「……そ、それじゃあ、私たちはこのダンジョンの餌ってことなの?」


「まぁ、このダンジョン内で死んだらそうなるかもね」


「……まぁ、いいわ。とにかく私をペットにしてほしいのよ。あなたのペットになれば私は出口に入れると思うのよ」


「へぇ、なるほど……よく考えたね。その方法なら僕ちゃんも入れると思うよ」


「あなたが言った完全な主従関係という言葉でピンっときたのよ。それで私の仲間を十人ほど連れて行くつもりだから仲間も一緒にペットにしてほしいのよ」


「えっ!? マジで!? なんかめんどくさくなってきたなぁ……」


「そ、そんなこと言わないでよ。私たちはこの方法でしか出口に入れないんだから」


「え~~~っ!? こっちは十人もテイムしないといけないのにスライムの居場所だけじゃつり合いがとれないよ」


「……仕方ないわね……私の胸を触らせてあげるわ。それならつり合いがとれるでしょ」


 女デーモンはシルルンの腕を掴んで自身の胸に引き寄せた。


「ひぃいいいぃ!?」


(胸に吸い込まれて死ぬっ!?)


 シルルンは目の中に絶望の色がうつろう。


「ちょっと、あんた何してんのよ!!」


 リザはシルルンの腕を掴んで射抜くような鋭い眼光を女デーモンに向ける。


「……そ、そうよ。セルキアは何もしなくていいのよ。胸は私が触らせるから……」


 女サキュバスは一転して強引にリザからシルルンの腕を奪い取り、自身の胸に引き寄せながらシルルンを見つめて恍惚な表情を浮かべている。


 サキュバス種にとって異性の強さは何よりも優先されるのだ。


 つまり、彼女はシルルンのあまりの強さに欲情したのだ。


「はぁ!? あんたこそ何を言ってるのよ!! あんたなんかにボスは触らせないわよ!!」


 リジルが女サキュバスからシルルンの腕を奪い取り、女たちは火花を散らして睨み合う。


「ひ、ひぃいいぃ!? なんでケンカになってるんだよ!? ……わ、分かったよ……連れてくる仲間もペットにするからケンカはやめてよ!!」


「……まぁ、あなたがそれでいいのならこっちは揉めるつもりはないわ」


「ふぅ……」


 シルルンは一触即発状態から脱してほっと安堵の胸を撫で下ろした。


「じゃあ、先にスライムの居場所を教えてもらってから君たちをペットにするけどそれでいいかい?」


 シルルンはデーモンが落とした剣とローブと指輪三個を魔法の袋にしまって女デーモンに尋ねた。


「それでいいわ」


 シルルンたちは戻って巨木に乗って浮かび上がる。


「……すごい移動方法ね」


 女デーモンは呆れたような表情を浮かべている。


「いくデス!!」


「デシデシ!!」


 シルルンたちは魔法陣を通り抜けて進んでいくと通路は行き止まりだが、地面には小さな魔法陣あった。


「あれが出口に繋がる魔法陣よ」


 魔法陣は五メートルほどの大きさで、シルルンたちは上空から降下して魔法陣の前に集まった。


「僕ちゃんはスライムをテイムしてくるから皆は先に出口に入って待っててよ」


 シルルンは巨木を魔法の袋にしまいながら言った。


「……分かったわ。気をつけてねシルルン……」


 リザとリジルは女デーモンたちに鋭い視線を向けていたが、しばらくすると身を翻して魔法陣を踏んで、その姿が掻き消えた。


 シルルンは思念で念のために「仲間たちを護れ」とプルとブラックに指示を出した。


「分かったデス!!」


 プルとブラックは嬉々として魔法陣を踏んで姿が消えた。


 シルルンはプニだけを残して、ペットたちにも魔法陣を踏むように指示を出してペットたちは素直に魔法陣を踏んで姿が掻き消えたのだった。






















「で、スライムがいる場所はここから遠いのかい?」


「フフフッ、スライムはこの上にいるのよ。まぁ、私たちの拠点のひとつなんだけどね」


「えっ!? そうなんだ」


 女デーモンたちは上空に上がっていき、プニがシルルンの肩から首の後ろに移動して二本の『触手』で両肩をガッチリと固める。


「いくデシ!!」


 シルルンは浮き上がり、一瞬で女デーモンたちに追いついた。


「あはは、すごく速くなってるね」


 プニはデーモン種から『飛行』を奪っているので今までとは比較にならないほど飛行スピードが上昇していた。


「ここよ」


 シルルンたちは天井付近まで上昇しており、女デーモンは一見するとただの壁にしか見えない壁を押すと、壁が回転して入り口になっていた。


 女デーモンたちは壁の中に進入し、シルルンたちも追いかける。


「こんな入り口をよく発見できたね」


「私たちは出口をずっと探していたのよ。でも、この入り口を見つけたときは別の出口を見つけたと心躍ったわ。けど、スライムがいただけだったけどね」


「ふ~ん、そうなんだ」


 シルルンたちは曲がりくねった通路を歩いていくと広い部屋に出た。


「えっ!? 女の魔族ばっかりだけどたくさんいるんだね」


「ここには女魔族だけで二百人ほどいるのよ」


「……そ、そうなんだ」


(や、やべぇ……ここはスライムがいる場所というより魔族の拠点じゃん……)


 シルルンは思わず額に汗がにじみ出る。 


 女魔族たちの中には胸が丸出しの女魔族たちも多数いて、シルルンたちが歩いていくと女魔族たちは奇異の目をシルルンに向けていたが、シルルンの周り集まってきてシルルンの匂いを嗅いだり、身体中を触り始めた。


「ほら、触らない……もう、こっちよ」


 女デーモンが女魔族たちを追い払う。


「う、うん……」


 シルルンたちは女デーモンに強引に手を引かれて連れていかれるが、女魔族たちも一緒についてくる。

  

「ついたわよ。この部屋の中にスライム好きの魔族がいるけど気にしないでスライムを見たらいいわ。私は出口に連れて行く仲間を連れてくるわね」


「うん、分かったよ」


 シルルンたちが部屋に入ると女魔族たちはついてこなかった。


「……ふぅ」


 シルルンは額の汗を腕で拭って辺りを見渡した。


 すると、部屋中にスライムメタル種が佇んでおり、中央には三人の女魔族が石の上に腰掛けてスライムメタル種たちに囲まれていた。


 シルルンは壁側に移動して『魔物解析』でスライムメタル種たちを視ていく。


 (大きさは三十センチから六十センチぐらいでバラバラだけど、スライムメタルしかいないから進化先がないのかな?)


 シルルンは考え込むような表情を浮かべていると、スライムメタルたちがシルルンに寄ってきた。


「う~ん……『捕食』をもってるから何でも食べるんだろうけど、スライムメタルだから鉄が好きなのかなぁ……?」


 シルルンはスライムメタルたちの頭を撫でながら、魔法の袋から鉄の塊を取り出して目の前にいる深緑色のスライムメタルの前に置いた。


 深緑色のスライムメタルは上目遣いでシルルンを見つめていたが、嬉しそうに鉄の塊を『捕食』した。


「ふ~ん、やっぱり鉄が好きみたいだね」


 だが、それを見ていたスライムメタルたちがわさわさとシルルンに寄ってきて、物欲しそうな表情でシルルンの身体にまとわりついた。


「あはは、鉄の塊はいっぱいあるから心配しなくてもいいよ」


 シルルンは魔法の袋から鉄の塊を次々に取り出して地面に置いた。


 すると、スライムメタルたちは嬉しそうに鉄の塊を『捕食』し始めた。


 だが、シルルンはいつの間にか女魔族たちの前に移動していた。


「――っ!?」


 シルルンは虚を突かれたような顔をした。


「お前は人族のくせに軽減系の能力を持ってるんだな……動かすのに苦労したぞ」


 スレンダーな女魔族がめんどくさそうに言った。


「君は鉄を持ってるんだね!! 良かったら何かと交換してほしいな」


 小柄な可愛い系の女魔族が期待に声を弾ませた。


 彼女の首筋には三歳ぐらいの小柄な女魔族がしがみついており、女魔族たちの周辺には大量の武器が地面に突き刺さっていて防具類なども地面に大量に散乱している。


 シルルンは即座に『反逆』を発動し、激しく動揺しながらも辺りを観察しながら『魔物解析』でスレンダーな女魔族を視た。


 ベルフェゴール レベル1 全長約1.6メートル

 HP 8000

 MP 19600

 攻撃力 3300+癒しの杖

 守備力 2700+癒しのローブ

 素早さ 2100+癒しの靴 魔力の指輪+10 防御の指輪+10

 魔法 エナジードレイン テレポート エクスプロージョン インビシブル パラライズ アンチマジック ドレイン マジックドレイン マジックリフレクト サンダー

 能力 魅了 号令 瞬間移動 飛行 空間操作 亜空間 威圧 魔法無効 能力耐性 魔道具無効 並列魔法 瞑想 水刃 能撃



「や、やべぇ……」


(どうやら僕ちゃんはベルフェゴールに『空間操作』で強制的に移動させられたみたいだね……それに『能撃』も視たことがない。これはもしかして女デーモンに嵌められたのかもしれない……)


 シルルンは表情を強張らせながら『魔物解析』で小柄な可愛い系の女魔族を視る。


 アリス レベル1 全長約1.3メートル

 HP 10000

 MP 36000

 攻撃力 4600+不思議な杖

 守備力 4900+不思議なドレス 不思議なリボン

 素早さ 4800+不思議な靴 魔力の指輪+10 防御の指輪+10

 魔法 テレポート ヒール キュア デス サイクロン アクセラレイト ドレイン マジックドレイン アンチマジック ディスペル ヘビーウエイト ダークネス

 能力 魅了 号令 豪力 金剛 威圧 飛行 物理耐性 魔法耐性 能力耐性 魔道具耐性 貫通 回避 集中 治癒 瞑想 連続魔法 疾走 氷刃 魔撃


「ひぃいいいいぃ!?」


 (アリスはステータスの値が五千に届きそうだよ!! アクセラレイトの魔法とヘビーウエイトの魔法、『金剛』も視たことがない……)


 シルルンは恐怖に顔を歪めながら『魔物解析』で小柄な女魔族を視た。


 ミニデーモン ネルネル レベル1 全長約40cm

 HP 260

 MP 500

 攻撃力 700+グルグル飴

 守備力 500+ミスリルウィザードドレス

 素早さ 400+玩具の指輪+10

 魔法 ウインド ファイヤ エクスプロージョン ダークネス パラライズ インビシブル マジックドレイン カース スロー ディスペル シールド マジックシールド

 能力 統率 憑依 飛行 以心伝心 身体具現 威圧 物理軽減 能力耐性 魔法耐性 加撃 駿足 必中 堅守 人型特効 風刃


「……」


(ネルネルはアリスたちに比べると弱いけどミニデーモンという種族が気になるね。もしかしてミニシリーズじゃないのかな?)


 シルルンは難しそうな表情を浮かべている。


 だが、彼は何よりもアリスたちのレベルが一でこの強さなことに驚きを隠せなかった。


 ちなみに『能撃』は能力攻撃が一・五倍になり、『金剛』は守備力が三倍になる激レア能力だ。


 アクセラレイトの魔法は術者の魔力を基準に素早さが上がるという魔法で、ヘビーウエイトの魔法は重力を操って対象の動きを鈍らせる魔法だ。


「ねぇ君!! 聞いてるの!?」


「ひぃいいぃ!? も、もちろん聞いてるよ……」


「スラちゃんたちは鉄が好物なんだよね。だから鉄がほしいんだよ」


「……うん、けど、地面に刺さってる武器とかは鉄製じゃないの? それをあげればいいじゃん」


「ここにある鉄製の武器や防具はスラちゃんにあげたんだけど吐き出したんだよ。一度吐き出すとスラちゃんたちは見向きもしないんだよね」


「えっ!? そうなんだ……なんでだろうね」 


 シルルンは女魔族の周りにいるスライムメタルを『魔物解析』で視てみるが、特に変わったところはなかった。


「私にも分からないけど、吐き出すスラちゃんと吐き出さないスラちゃんがいるのは分かってる」


「へぇ、そうなんだ」


 その言葉に、シルルンは『魔物解析』で順番にスライムメタルを視ていく。


 すると、『鉄硬化』を所持しているスライムメタルを発見した。


 『鉄硬化』は『捕食』と同時使用で鉄を一段階硬くできるというものだ。


 ちなみに『鉄硬化』の効果は次のようになる。


 鉄→鋼

 鋼→ミスリル

 ミスリル→HQハイクオリティミスリル


 一度『鉄硬化』された鉄は再度『鉄硬化』できず、HQミスリル以上は『鉄硬化』することはできない。

 

「だいたいの理由は分かったよ。だけどそれよりも先に確認しときたいんだけど僕ちゃんはここにスライムをペットにするためにきたんだよ。スライムを連れていくけどいいんだよね?」


「私たちの周りにいるスラちゃんはダメだよ。あと無理矢理に連れていくのもダメ」


「あはは、それなら大丈夫だよ。僕ちゃんはスライムテイマーだからね」


「スライムテイマーってのはなんだ?」


 ベルフェゴールは訝しげな眼差しをシルルンに向ける。


「人族には職業があるんだよ。僕ちゃんは魔物使いという職業で魔物を使役できるんだけど、その魔物の中でスライムに一番適性があるからスライムテイマーなんだよ」


「へぇ、いいなぁ……私たちには職業なんかないんだよね。その肩の上にのってる小さいスライムはペットなんだよね?」


「うん。プニは超珍しいスライムなんだよ」


 シルルンはフフ~ンと胸を張り、それを横目で見たプニもシルルンを真似をして胸を張った。


「うわぁ、いいなぁ……私もスライムテイマーになりたい……」


 アリスは目を爛々と輝かせている。


「で、お前がスライムテイマーなのは分かったが、何がだいたい分かったんだ?」


「スライムメタルの中に『鉄硬化』をもってる個体がいて、そのスライムメタルが鉄を吐き出してるんだよ。スライムメタル種にとって『鉄硬化』された鉄は興味がなくなるみたいだね」


「なるほどね。吐き出した武器や防具をスラちゃんの前に置いても見向きもしないのはそういうことなんだ」


「だったら、吐き出した武器や防具がここにあっても意味はない。お前の持ってる鉄と交換しろ」


「それは別に構わないけど武具一つに対して鉄の塊が一個でいいのかい?」


「……いや、十個だな」


 ベルフェゴールは思い悩むような表情を浮かべていたが、しばらくすると答えた。


 彼女が逡巡していた理由は、魔族たちには通貨の概念がなく、明確な物の価値も分からないからだ。


 そのため、魔族たちの主な収入源は宝箱で、あとは冒険者たちや他の魔物から奪うだけだった。


「うん、十個でも問題ないよ」


(鉄の塊は一個百円ぐらいだからぼろ儲けだよ)


 シルルンはほくそ笑みながら思念で「武具を数えながら全て『捕食』して」とプニに指示を出した。


「わかったデシ!!」


 プニは『飛行』しながら地面に突き刺さっている武器や地面に落ちている防具を次々に『捕食』していく。


「わぁ、すごいね!! 小さいのにそのスラちゃんは飛べるんだね!!」


 アリスは感心したような表情を浮かべており、プニは全ての武具を『捕食』すると、アリスの目の前まで『飛行』してフフ~ンと胸を張った。


 プニは『フフ~ン』のスキルを習得した。


 だが、『フフ~ン』のスキルには何の効果もなかった。


「か、可愛い!! このスラちゃんは可愛過ぎるよ!?」


 アリスはプニの頭を撫でようと手を伸ばすが、プニはさっと回避してシルルンの肩に戻る。

                                             

「武器が三百十二個で、防具が八百三十八個あったデシ!」


 プニは魔法の袋に『捕食』した武具を吐き出して、シルルンの肩に戻った。


「うん、ありがとう」


 シルルンはプニの頭を撫でる。


 プニは嬉しそうだ。


 シルルンは魔法の袋から巨大な鉄の塊を取り出してベルフェゴールの前に置いた。


「この巨大な鉄の塊一つでだいたい鉄の塊が五百個分ぐらいあるんだよ」


 シルルンは魔法の袋から巨大な鉄の塊を次々に取り出して、地面に巨大な鉄の塊を二十三個並べた。


「……かなりの量だな」


 ベルフェゴールは軽く目を見張った。


「小さく切ってスライムメタルにあげたらいいと思うよ。君たちなら簡単に切れるだろうから」


「……そうだな」


 ベルフェゴールはめんどくさそうな表情を浮かべながら『亜空間』を発動して空間が大きく開き、『空間操作』で巨大な鉄の塊を次々に開いた空間の中に入れていくが一つだけ残した。


 スライムメタルたちはその光景をじーっと見つめている。

 

 アリスは軽く腕を振るうと巨大な鉄の塊は細かく切られて地面に落ちた。


「はい、並んでね」


 アリスが細切れになった鉄を拾うとスライムメタルたちはアリスの前に並び、アリスは嬉しそうに鉄をスライムメタルたちに与えている。


「じゃあ、僕ちゃんは壁側にいるスライムをテイムするからいくよ」


「……待て、お前は人族だが有用な情報をもってそうで使えそうだ。ここに残って私たちの力になれ」


「あっ!! それ賛成!! 君が残ればその小さいスラちゃんと一緒に遊べるから残ってほしいな」


「ひぃいいいいぃ!? い、嫌だよ」


 シルルンは恐怖に顔を歪めて出口に向かって逃走した。


「……ちっ、無駄なことを」


 ベルフェゴールは苛立たしげに『空間操作』でシルルンを引き寄せた。


 すると、シルルンはアリスたちの前に移動していた。


「おかえり」


 アリスはにっこりと微笑んだ。


「ひぃいいいいいいいぃ!?」


 シルルンの顔が驚愕に染まる。


 シルルンは何度も逃走したがその度にアリスたちの前に戻されていた。


 しかし……


「……ちっ」


 ベルフェゴールは苦虫を噛み潰したような顔をした。


「どうしたの?」


「あの人族は元々軽減系の能力を持ってるから『空間操作』が効きにくいのは分かっているが、ほとんど効かなくなってきた……」

 

「えっ!? そんなことがあるの?」


「……分からんが実際に起こっている」


 ベルフェゴールは不可解そうな表情を浮かべている。


 シルルンは『反逆』を発動しているので『空間操作』に抵抗して吸収して『空間操作耐性』に目覚めており、そこからさらに『空間操作無効』に進化していた。


 そのため、彼には『空間操作』が百パーセント効かなくなっていたが、そんなことはシルルンは知らない。


 シルルンは必死の形相を浮かべて出口を目指して駆けていたが、気がつけば出口は目前だった。


 だが、何者かに遮られてシルルンはやわらかいものにぶつかって動きが止まる。


「そんなに慌ててどうしたのよ?」


 女デーモンは訝しげな眼差しをシルルンに向ける。


「ひ、ひぃいいいいいいいぃぃ!?」


(胸に吸い込まれて死ぬ!?)


 シルルンは目の中に絶望の色がうつろう。


「いいところにきた。そいつを逃がすなよ」


「はぁ? いったい、どうしたのよ?」


「そいつはなかなか使えそうだから仲間にすることにした」


「それはダメよ。この人族は私たちが見つけてここに連れてきたんだから私たちのものよ。それにこの人族がいなきゃ私たちはこのエリアの出口に入れないのよ」


「……その口ぶりだと出口への入り方が分かったのか?」


 ベルフェゴールは驚きの表情を見せる。


「この人族がいれば出口に入れることが分かったのよ。私たちはこの人族と一緒に出口に向かうわ」


「……ちっ、それなら仕方ないか……その人族からはいろいろと情報が聞けると思ったんだがな……」


「そんなに情報が欲しいなら、ここに篭ってないで冒険者を捕まえて聞き出せばいいのよ」


「それはめんどくさいから嫌だな」


 ベルフェゴールは即答した。


「好きにすればいいわ。私たちは先に進むわ」


 その話を聞いていたシルルンはほっと安堵の溜息をついた。


「ふ~ん、見た感じ弱そうなのに本当にリャンネルよりも強いのか?」


「身体も小さめね」


「でも、いい匂いがする……」


 女魔族たちはシルルンを囲んでシルルンの身体中を触りながら匂いを嗅いでいる。


「ほんとに『魅了』は効かないわね……」


「……だな」


 シルルンは視線を女魔族たちに転ずると、十人ほどのサキュバスたちの瞳が連続で怪しく光っていた。


「ひぃいいいぃ!? や、やべぇ!?」


(女デーモンは十人ぐらい仲間を連れてくるって言ってたけど、二十人ぐらいいるじゃねぇか!?)


 シルルンは愕然とした表情を浮かべている。


「あたいに任せときな!!」


 ガチムチな女サキュバスはシルルンの両肩をガッチリ押さえ込んでシルルンの顔に目掛けて『甘い息』を吐いた。


 彼女はアミラたちよりもガチムチなのにもかかわらず、その姿に違和感はなかった。


 アミラたちはガチムチだが顔だけ見れば美人だ。


 そのため、顔と身体がアンバランスなために違和感を覚えるのだが、ガチムチな女サキュバスにはそれがなかった。


 つまり、ガチムチな女サキュバスの顔はブサイクだっだ。


「ひぃいいいいぃ!?」


「あたいの『甘い息』も効かないのかい!! それなら直接流し込んでやる!!」


 ガチムチな女サキュバスは目を閉じて口を尖らせて顔をシルルンに接近させた。


「ぎぃやぁぁあああああああああぁぁ!?」


 シルルンは顔を左右に振りながら絶叫し、接近するガチムチな女サキュバス顔を見たプニも目を剥いて恐怖した。


「プニ、ラッシュデシ!!」


 プニは『触手』でパンチの連打を放ち、ガチムチな女サキュバスの顔を迎撃する。


「はっ! あたいにはそんなパンチは効かないねぇ……まるでそよ風のようだよ」


 だが、プニはパンチの連打を止めずに打ちまくり、ガチムチな女サキュバスの唇がシルルンの唇に到達する寸前にガチムチな女サキュバスは大きく目を見張って動きを止めた。


「『甘い息』が出ない……あ、あたいに何をした?」


「さぁ……僕ちゃんは知らないよ。ただ能力は唐突に目覚めるけどその逆もあるんじゃないの?」


 シルルンは両手を頭の後ろで組んで白々しい口笛を吹いている。


 それを横目で見たプニもシルルンを真似して『触手』を頭の後ろで組んで白々しく口笛を吹いている。


「ぜ、全部だぞ……? あたいの魔法や能力が全部使えないんだ……」


 ガチムチな女サキュバスは座り込んで放心した虚ろな顔を浮かべている。


「えっ!? 全部使えないんだ……」


「魔法や能力って唐突に使えなくなったりするんだな」


 女魔族たちはザワザワと騒ぎ始める。


「力を失ったお前は留守番だ。いいな?」


 サキュバス種のリーダーであるリャンネルが言い放つ。


「ぐっ……」


 ガチムチな女サキュバスは半ば死んでる人のような表情を浮かべている。


「うぅ……」


(なんか可哀相に思えてきて見てられないよ……)


 シルルンは罪の意識に苛まれて奪った能力や魔法を返そうかと思い始める。


「お前ほどの者ならまたすぐに力を取り戻せるだろう」


「まっ、そりゃそうだ」


 ガチムチな女サキュバスはすっと立ち上がってその瞳に光が蘇る。


「立ち直るのはぇなオイッ!!」


(何食ったらそんな短絡的な考えになるんだよ?)


 シルルンは信じられないといったような表情を浮かべている。


「あん? 何か言ったか?」


 ガチムチな女サキュバスが鋭い視線をシルルンに向ける。


「ぼ、僕ちゃん何も言ってないよ」


 シルルンは両手を頭の後ろで組んで白々しく口笛を吹いて誤魔化しており、プニも『触手』を頭の後ろで組んで白々しく口笛を吹いている。


 プニは『白々しい口笛』のスキルを習得した。


 しかし、『白々しい口笛』のスキルには何の効果もなかった。


「それでこっちの準備はできてるけど、あなたはスライムをペットにしたのかしら?」


「あっ、そうだ!! 忘れてたよ。今からテイムしてくるよ」


 シルルンは壁際に移動して『魔物解析』でスライムメタルたちを視ていく。


(『鉄硬化』を持ってる個体はなかなかいないね……)


 シルルンは『鉄硬化』を所持していスライムメタルを三十匹目でやっと発見した


 そのスライムメタルは六十センチメートルほどの大きさで灰色と黒色の中間のような色でシルルンに近づいてきた。


「透明でいけるかな?」


 シルルンは掛け声すらなしに透明の球体を作り出したが、自身が想像していた大きさよりもあまりに巨大だった。


 その理由は、彼が『大魔物使い』に目覚めたことやレベルが急激に上がったことによる変化なのだが、そんなことはシルルンは知らない。


「まぁ、いいか」


 シルルンは巨大な透明の結界で灰色と黒色の中間のような色のスライムメタルを狙ったが、傍にいた二匹のスライムメタルも結界に入ってしまった。


 だが、それでもテイムは一瞬で完了した


 スライムメタルたちはシルルンのそばに寄ってきて上目遣いでシルルンを見つめている。


 シルルンは魔法の袋から鉄の塊を三個取り出してスライムメタルたちの前に置くと、スライムメタルたちは嬉しそうに鉄の塊を『捕食』した。


「仲間になったデシか?」


「うん、仲間になったよ」


「やったデシ!」


 プニは同じスライム族だからか大喜びしている。


「う~ん……問題は名前なんだよね……」


 シルルンは表情を強張らせた。


 スライムメタルたちの体色は『鉄硬化』を所持している個体が黒色と灰色の中間色で他の二匹は赤色と黄色だ。 


「まずは黒色と灰色の中間色のスライムの名前は……ブラックはいるからグレイ……いや、グレイもいるから黒色と灰色の中間色だからミドル。よし、君の名前はミドルにする」


 シルルンに名前を与えられてミドルは嬉しそうだ。


「赤色のほうはレッド……いや、レッドはいる……けど、濁った赤色だから、ガーネット! で、黄色のほうはヒヨコみたいな色だからピヨ! 君たちの名前はガーネットとピヨだよ」


 ガーネットとピヨも喜んでいるのでシルルンはほっとしたような顔をしながら、スライムメタルたちを連れて女魔族の元に移動した。


「……意外に早いのね」


「まぁ、僕ちゃんはスライムテイマーだから早いんだよ」


「ペットにするにはもっと時間がかかるものだと思っていたわよ。まぁ、用事もすんだことだし出口にいきましょう」


 シルルンたちはスライム部屋を後にした。


 女魔族たちは次々に飛び降りていくが、シルルンはスライムメタルたちを抱えてプニの『飛行』でシルルンたちは魔法陣の前に降り立った。


「……ていうか、十匹ぐらいって言ってたのに二十匹ぐらいいるじゃん」


 シルルンはうんざりした顔をしている。


「皆が行きたいと言い出して大変だったのよ。これでもかなり絞ってこの数でダメならさっきはうやむやになったけど私の胸を触らせてあげるわ」


「ひぃいいいぃ!? わ、分かったよ!! その数でいいよ」


 シルルンは恐怖で顔が蒼くなる。


「……あなたがそれでいいのなら私は構わないけどね」   


「それで私たちはどうしたらペットになれるんだ?」


 リャンネルがシルルンに質問を投げかけると、女魔族たちの視線がシルルンに集中した。


 女魔族たちの種族と数はデーモンが三匹、レッサー デーモン三匹、サキュバスが十匹、レッサー サキュバスが三匹、小人のような魔物が一匹、目玉のような魔物が一匹だ。


「動かないでいてくれたらいいよ。準備はいいかい?」


 女魔族たちは緊張した面持ちで頷いた。


「じゃあ、テイムするから抵抗しないでね」


 シルルンは巨大な赤色の球体を一瞬で作り出して、巨大な赤い結界で女魔族全員を包み込んでテイムは一瞬で成功した。


「……こ、これがペットになるということなの……」


 女デーモンは雷に打たれたように顔色を変える。


 彼女は主に仕えて力になれという思いと体の底から湧き上がるような力がとめどなく溢れ出てくるのを感じていた。


 女デーモンは視線を女魔族たちに向けると、女魔族たちは戸惑うような表情を浮かべていた。


 しかし、リャンネルだけは恍惚な表情を浮かべていた。


「……い、いまさらだけどあなたの名前を聞いてなかったわね。私の名前はセルキアよ」


「僕ちゃんはシルルンだよ。じゃあ、順番に魔法陣を踏んで出口に入ってね。中に入ったらペット化を解除するからね」


 女魔族たちは次々に魔法陣を踏んでその姿が掻き消えた。


 最後に残ったシルルンたちも魔法陣を踏んで姿が掻き消えたのだった。

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