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スライムスライム へなちょこ魔物使い  作者: 銀騎士
鉱山 採掘編

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58 ビャクス山賊団


「進め進めっ!! 殺せ殺せっ!!」


 魔物を皆殺しにしながら大部隊が中間ポイントを目指して進軍していた。


 彼らはメローズン王国内で指名手配されているビャクス山賊団だ。


 ルビコの街、ズンネの街、セーロの街を拠点に活動していた山賊団だが、王が軍を派遣するとそれを嘲笑うかのように全ての拠点から撤退し、この鉱山に集結したのだ。


 その数、およそ八千人。


「ビャクス様!!」


「あぁん? 何だ?」


「はっ、冒険者五人を捕まえました。いかが致しますか?」


 ビャクスの手下が跪いてビャクスに報告した。


「あぁん? 使えるのか?」


「はっ、分かりません!!」


「なら、死ね!!」


 ビャクスの言葉と同時に、ビャクスの側近が剣を振るった。


「えっ!?」


 手下の首が地面に転がり、手下は胴体から血を噴出して倒れた。


「それでどうしますか? 戦力は多いにこしたことはないと思いますが」


「あぁん? パロズン、お前に任せる」


「では、いつものやり方で」


 ビャクスの側近であるパロズンは捕らえられた冒険者の元に向かう。


「こいつらが捕縛した冒険者か?」


 五人の冒険者が両手と両足を縄で縛られて跪かされていた。


「はっ!!」


 パロズンは冒険者たちを見渡した後、手下に目配せした。


 すると、手下は冒険者たちの前に紙を一枚ずつ置いた。


「何の紙かは知ってるな?」


「なっ!? この紙は奴隷証書!! 俺たちを奴隷にするつもりなのか!?」


 冒険者は相手を射抜くような鋭い眼光を向けた。


「そうだ。だが、決めるのはお前たち自身だ。死か奴隷かを選べ」


 パロズンは冷酷に告げた。


「ふざけるなっ!? 山賊の奴隷になんかなってたまるかっ!!」


「なら死ね」


 パロズンの剣が一閃、冒険者の首が地面に転がり、身体は前のめりに倒れて、冒険者は胴体から血が流れ出して地面が赤く染まった。


「なっ!?」


 冒険者たちは大きく目を見張った。


 結局、四人はビャクスの奴隷に落ちたのだった。


 ビャクス山賊団の大半は罪人や難民が占めているが、首領であるビャクスを主人とする奴隷の数が異常に多く、油断できない存在だ。


 そして、進軍するビャクス山賊団の最初のターゲットは中層にあるキャンプ村だった。 




















 ワーゼたちは大連合を組んで西に移動して、キャンプ村に到着した。


 そこで大連合は解散し、ワーゼたちは北上して人族が仕切る採掘ポイントに移動した。


「ここにポリストンという男がいるはずなんだが呼んでくれないか?」


 ワーゼは採掘ポイントを守る冒険者たちに声を掛けた。


「……聞いたことがない名前だな、お前知ってるか?」


「知らねぇなぁ」


「そんなはずはないだろう。ポリストンはここで前から働いていたはずだ」


「俺たちも最近ここで働くようになったから詳しくは知らんが、そんな名前の奴はいないと思うぜ」


「まぁ、こんな仕事だ……死んだかクビになったんじゃねぇのか?」


「な、なんだと!?」


 ワーゼは驚きの表情を見せた。


 ポリストンという男は昔からの彼の友人だ。彼は採掘ポイントのガードの仕事は割がいいと聞いていたのでここまでやってきたのだ。


 ワーゼは辺りを見渡して状況を観察して顔を顰めた。


 彼のようにガードの仕事が目的で訪れた冒険者たちも、困惑しているように思えたからだ。


「まぁ、お前たちもガードの仕事が目当てだと思うが、そんなに割りのいい仕事じゃないぜ。基本、歩合だしな」


「俺はポリストンから手当てが一日五万はつくと聞いているが違うのか?」


 ワーゼは怪訝な表情を浮かべた。


「ぷっ、そんなにつくわけないだろ……手当ては一日五千円と飯が二食つくだけだ」


「……本当にそんな条件なのか?」


 ワーゼは怪訝な面持を深めた。


「まぁな……」


「……」


 ワーゼはいかにも解せないという顔つきで押し黙った。


「歩合も下位種一匹五百円、通常種一匹千円で、それもここの採掘ポイントから五キロメートル圏内の魔物だけだしな。まぁ、上位種だけは百万円だが今の戦力じゃ勝てるかどうかも分からない」


「……」


 ワーゼは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべていた。


 ポリストンから聞いていた話とまるで違うからだ。


 ワーゼは歩合の値段は下位種が一匹五千円、通常種は一匹十万円と聞いており、これでは地上に戻って冒険者ギルドの依頼を受けながら、魔物の素材を集めたほうが遥かにマシだと思うのだった。


 だが、地上に戻るにしても簡単ではなく、彼はポリストンの行方が気になったので、ワーゼたちはガードの仕事を諦めてキャンプ村まで引き返した。


 ワーゼたちはキャンプ村に到着して中に入った。


 彼らの目的はポリストンの行方の情報だ。


 ワーゼたちはキャンプ村の中央に建ち並ぶ店の周辺で情報を集めた。


 すると、採掘ポイントをガードする冒険者たちがよく利用する酒場の情報を入手できた。


 場所は『鉄壁の盾亭』だ。


 ワーゼたちはすぐに向かって『鉄壁の盾亭』に到着した。


 『鉄壁の盾亭』の外観は、砦を小さくしたような堅牢な作りだった。


 ワーゼたちは店の中に入ってポリストンの情報を聞いて回ると、すぐにその情報に辿り着いた。


 つまり、ポリストンは『鉄壁の盾亭』にいたのだ。


「ポリストン!!」


「ワーゼか!? 久しぶりだなオイ!!」


 ワーゼとポリストンは嬉しそうに手を取り合った。


「それで、なんで採掘ポイントにいなかったんだ?」


「まぁ、座れよ」


 ワーゼたちは頷いて席についた。


 ポリストンは注文を聞きにきた店員に、ビールを七つを注文した。


 しばらくすると、店員がビール七つをテーブルに置いて下がっていった。


「久しぶりの再会に!!」


 ポリストンが音頭をとり、七人はジョッキをガシッと合わせてビールを口にした。


「で、それでどういうことなんだ?」


 ワーゼは怪訝な表情を浮かべている。


「二ヶ月前までは採掘ポイントで俺もガードの仕事をしていたんだ」


「なんで辞めたんだ、割がいい仕事だったんだろ?」


「あぁ、採掘ポイントを仕切ってたボスが死ぬまではな……」


「今は違う奴が仕切ってるのか?」


「そうだ。ガドーっていう男が仕切っている。実質ナンバー二だった男だ」


「そいつが賃金を下げたから辞めたのか?」


「そうだ。まずは掘り手の連中が賃金を下がられて、そして、俺たちも賃金を下げられたって感じだな」


「だが、そんな安い賃金で働こうって思う奴は少ないだろ?」


 ワーゼは不思議そうな顔で言った。


「いるだろ。賃金がいらない連中がな……」


「……奴隷か!?」


「まぁ、そういうことだ。だが、最初の頃はポイント自体が枯渇寸前とか噂が流れててな、どんな採掘ポイントもいつかは枯渇して廃坑になるからな。それならば先に辞めて別の仕事を探すと辞めていった連中もかなりいたが」


「なるほどな、うまく乗せられたということか。だが、そんな噂を流して何のメリットがあるんだ。買った奴隷と入れ替えるだけの話だろ?」


「ガドーは金にうるさい男だからな。徐々に入れ替えてもいいがその分コストがかかる。だが、一番恐れたのはおそらく、一気に入れ替えると暴動が起こることだろうな。奴からしてみればそれが一番無駄なコストだからな」


「話は分かった。最早この鉱山では稼げないということだな」


 ワーゼは表情を強張らせる。


「そういうことだ。だが、採掘ポイントの掘り手やガードの仕事を辞め、地上に下りた者たちもいるが、それ以上にこの鉱山の採掘ポイントを目指してやってくる者たちが多いのも現状だ」


「はっ、俺たちのようにか?」


 ワーゼは決まりの悪い顔をする。


「そうだ。だが、この鉱山の大規模な採掘ポイントは二箇所しかない。俺がガードをしていた採掘ポイントと亜人や獣人が仕切っている採掘ポイントの二箇所だが、そのどちらも人族は働けない訳だ。そうなるとこの鉱山に訪れた者たちの半数以上は地上に引き返すが、残りはここに残って魔物を狩り生計を立てるが、やがて奴隷に落ちる者が続出しているのが現状なんだ」


「まるで、負のスパイラルだな。だが、それがどうしたというんだ?」


「俺はこの二ヶ月間、仲間たちとあらたな採掘ポイントを探していたんだ。人族がそこで稼げるような大規模な採掘ポイントをな」


「なんだと!? それで見つかったのか!?」


 ワーゼは大きく目を見張った。


「いや、発見には至っていない」


「なんだそりゃ!?」


 ワーゼは呆れたような顔をした。


「しかし、俺たちはまだ諦めてはいない」


「そ、そうなのか。しかし、夢のある話だなオイッ!?」


 ワーゼの言葉に彼の仲間たちも無言で頷いた。


「俺は二度ほど大連合を組んで採掘ポイントを探したがその二度とも失敗に終わった。結局は魔物の数が多すぎて大連合でも長時間の滞在は難しく、二度とも撤退に終わったんだ」


「西と東、どっちに行ったんだ?」


「両方だ。どちらも上層から下りてくる魔物の数が多すぎて、大連合では移動はできても滞在は不可能と悟った。しかし、今度は三隊の大連合で東に行く予定だ。どうだお前たちも一緒にくるか?」


「はっ、面白そうな話じゃねぇか!! もちろん、参加させてもらうぜ!!」


 ワーゼの仲間たちも皆一様に頷いた。


「そうか、助かる。一人でも多いほうが滞在時間が延びるからな。出発はまだ先の話だが今日は飲み明かそうぜ!!」


 話が終わり、皆が一斉にビールをあおって宴会が始まった。


 ワーゼはビールを飲みながら、考え込むような表情を浮かべていた。


 (あいつも採掘ポイントを探すと言ってたから、どこかで出会うかもしれないな……)


 ワーゼはビールを一気に飲み干したのだった。



















「やはり、ここもか……」


 兵士たちの報告を受けたベル将軍が呟いた。


 ルビコの街、ズンネの街、セーロの街には山賊たちの拠点があるとの情報を得たベル将軍は拠点に踏み込んだが、すでに逃亡しており、どの街の拠点ももぬけの殻だった。


 だが、彼女は山賊たちが消えたことにより、三つの街の治安は向上するだろうと安堵していた。


 ベル将軍は王より勅命を受けており、すなわち、ビャクス山賊団の殲滅を命じられていた。


 その兵数は三千名。


 しかし、ビャクス山賊団は姿を消したのだ。


 そのため、ベル将軍は斥候を放ち、ビャクス山賊団の足取りを調査させた。


 数日後、斥候は帰還した。


「なに!? ビャクス山賊団が鉱山に現れただと?」


 ベル将軍は驚きの表情を見せた。


 どこかの街に拠点を移すだろうと彼女は考えていたからだ。


「はっ、ルビコの街から南下したところにある鉱山に、山賊たちが登っていくのを多数の者たちが目撃しているようです」


「だが、鉱山とはいえ、山岳に拠点を作成されると攻めるのは難しくなるな……」


 ベル将軍は険しい表情を浮かべる。


「はっ、その鉱山は国が管理している鉱山ではないので軍はいません。拠点を作成するのは容易でしょうな」


「……放置すればどうなる? 奴らは奪うだけの輩だ。奪う物がなければ自然と瓦解するのではないか?」


 ベル将軍は探るような眼差しを側近に向ける。


「はっ、放置するなら見張る必要がありますが、あの鉱山の直径は五百キロメートルほどあり、兵三千ではとても見張れません」


「なるほどな……」


「そして相手はあのビャクスです。周辺の山賊たちをまとめ上げ、自身の勢力に取り込んだ手腕は侮れません。おそらくビャクスなら自給自足も可能だと思われます。だからこそ街ではなく鉱山を選んだのだと思われます」


「……やろうと思えばやれるが、あえてやらなかっただけというわけか……やはり、潰すしかないようだな」


 ベル将軍は覚悟を決めたような顔をした。


「はっ、それもできるだけ早急に」


 ベル将軍は王に斥候を飛ばし、全軍で鉱山に進軍したのだった。



















「全く楽な仕事だよな、あいつらの仕事はよ!」


 男が執務室に入り、自身の椅子に腰掛けてぼやいた。


 男の名はガドー。人族が仕切っている採掘ポイントのボスである。


「確かに。俺たちが集めた鉱石を数えてるだけですからねぇ」


 男の名はグリド。ガドーの側近の一人である。 


「しかも、俺たちが鉱石を集めれば集めるほど、あいつらの給料が上がるらしいぜ」


 あいつらとは国から派遣される監査官たちのことである。


「……やってられないですねぇ」


「だろ? それで進捗状況はどうなっている?」


「掘り手の数が二千人ほどでガードの数が五百人ほどってところですかね。この中には奴隷以外の者たちも含まれています。そいつらはどうしますか?」


「そいつらをクビにするつもりはない。代えがきかない有能な者たちだからな。そこをケチるとろくなことがない」


「なるほど……」


「むしろ、給料を上げてやるほうがいいかもしれん。ほとんどが奴隷に代わっているから有能な者たちの負荷も相当に上がってるだろうからな」


「それを聞いて安心しました。これからも奴隷を増やしていく以上、有能な者たちに辞められると効率が悪くなりますからねぇ」


「ははは、お前も大変そうだな。よし、お前の時給を十円上げてやろう」


「――っ!?」


(えっ!? 俺の給与形態って時給だったのかよ!? しかも十円かよ!!) 


 グリドは放心状態に陥った。


「まぁ、今後はガードを増やしていく予定だ。掘り手はいくらでも増やせるが攻め込まれたら終わりだからな」


「第二ポイントみたいにですかい?」


 ちなみに、ガドー達が仕切っている採掘ポイントを第一ポイント、亜人や獣人が仕切っている採掘ポイントを第二ポイントと呼ぶこともあるのだ。


 これは採掘ポイントを発見した順番でもある。


「確かにそれもある。第二ポイントは亜人や獣人に奪われたからな。だが、第二ポイントが枯渇しない限り、攻めてくる可能性は低いと俺は考えている。それよりも、この鉱山にビャクス山賊団がきているらしい」


「ここを攻めるつもりなんですかね?」


「それは分からん。軍から逃げてきただけなのか、何か目的があってきているのか分からんが警戒はしといたほうがいいだろうな」


「分かりました。現在、掘り手でガードに回せそうな奴隷を調べてみます」


「あぁ、そうしてくれ」


 グリドは一礼して執務室から出て行ったのだった。

















「進め進め!! 殺せ殺せ!!」


 魔物を皆殺しにしながらビャクス山賊団が突き進む。


 しかも、その数は冒険者や傭兵を強引に奴隷にして増える一方だ。


「ビャクス様、中間ポイントに到着しました。調べることがありますので今日はここにて野営にします」


「あぁん? 分かった」


 ビャクス山賊団は中層に繋がる五本のルートの前で堂々と野営の準備に取り掛かり、周辺の魔物は皆殺しにされて五本のルートを調べる偵察隊が放たれた。


 そして、偵察隊が側近たちのテントに帰還した。


「何ぃ!? 通れるルートは一本しかないだと?」


 パロズンは眉間にしわを寄せて聞き返した。


「は、はい……」


「まぁ、いい。夜が明け次第そのルートを進軍する。準備をしておけ」


「ちょっと待ちなよ。八千以上もいるんだよ? 効率が悪いし無駄よ」


 女は訝しげな目をパロズンに向けた。


 彼女の名前はウェーサ。ビャクスの側近だがビャクスの女でもある。


「だが、ルートは一本しかないんだぞ?」


「ルートが一本しかないんならこじ開ければいいのよ」


「なっ!?」


 パロズンは驚きのあまりに血相を変える。


「本体として私が五千を率いるから、あなたは残りを率いて一番左のルートをこじ開けて進んでちょうだい」


「なっ!? 俺がこじ開けるのかよ!?」


 パロズンは雷に打たれたように顔色を変える。


「そうよ、何か問題ある?」


 ウェーサは訝しげな眼差しをパロズンに向けた。


「ちっ、分かったよ……」


 (こいつに逆らうと後が面倒だ……)


 パロズンは苦々しげな表情を浮かべて了承した。


 彼は手下を再編成して夜が明けるのを待つのだった。


 一方、数あるテントの中で、一際大きいテントの中にビャクスはいた。


 そのテントの中でビャクスの女に加わる予定の女十人が、全裸の女に説明を受けていた。


 この女たちは冒険者や傭兵だった者たちで、死か奴隷かを迫られて奴隷を選択した者たちだ。


「あなたたちはビャクス様に気に入られれば抱かれることになります。奴隷証書があるので拒否はできませんが、嫌なそぶりを見せると見せしめとして手下の男たちに犯されることになります。その点を頭にいれて行動してください」


 全裸の女の説明に、女たちは固唾を呑んだ。


 彼女らは山賊の首領であるビャクスは、オークのような豚のごとき醜い男なのだろうと思っていた。


 女たちは全裸の女に案内されて、山賊の首領であるビャクスの前に立たされる。


 ビャクスの周りには二十人ほどの丸出しの女が寄り添っていた。


「ビャクス様、今日入った女たちです」


「あぁん? 今日は十人か……」


 不服そうなビャクスが顔を上げて、女たちに視線を向けた。


 だが、女たちはガツンと頭に衝撃を受けたような顔をした。


 目の前にいる男は見たこともないぐらいに美形だったからだ。


「それでは服を全て脱いで、ビャクス様に全てを見せなさい」


 その言葉に、女たちははっとしたようよう顔をした。


 女たちは顔を熟れたトマトのように染めながら、おずおずと服を脱ぎ出した。


 彼女らはこれほどの美形な男に品定めされることが、逆にとても恥ずかしかった。


 女たちは一人ずつ前に出されて、ビャクスに触られ揉まれ嗅がれて選別されていく。


 しかし、首領であるビャクスには誰にも知られていない秘密があった。


 それは、ビャクスの本当の姿だ。


 ビャクスは『変化』の上位能力の『変態』を所持しており、『変化』は自分と同じ種族ならどんな姿にも変化できるが、『変態』はあらゆる人や物に変化できる能力だ。


 故にビャクスの真の姿は女たちが予想した通り、オークのような豚のごとき醜い男だったのだ。

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