第三章 軍旗強奪祭り 6
悲しいことに今回参加者がゼロでした^^;
なんとか次回感謝イベントには参加していただけるように
努力いたします。今後とも東天紅をよろしくお願い致します。
サンテックスがしばし広場を眺めてからつぶやいた。
「同じ目線からならともかく、この場所で上から一望出来ると言うのはどうなんだろうな。ハイネルドには不利過ぎやしないかね。」
「王子はそれも承知の上で言ってるのさ。で?どう見る?」
「そうだな・・・まず南北に別れて向かった6人だが本気では逃げておらん。いかにも囮ですと言うように手を抜いて走っている。これは違う。」
「ほう。」
「見てみろ、もう追いつかれてしまっている。」
サンテックスの言うように、あっという間に護衛が蹴散らされてハイネルドらしき裸の少年が次々と捕まった。
そして兵士達は体に縛り付けた布を確認すると、それぞれ首や手を左右に振った。
偽物だという合図だ。
「ほら見ろ、囮にしてもお粗末過ぎるな。」
「なるほどな。」
「さて問題は中央突破を図る24名だが、少し偏りがあるな。」
「あるか。」
「ああ、南側の中段付近の護衛が多い。内部で二手に別れるとしたら階段の切り替えがある北側よりも直にまっすぐ上に抜けられる南側が有利だと見たんだろう。」
「と言うとハイネルドはどこに?」
「先頭ではなく中段の南側、つまり右側に居る。」
「それが答えで本当にいいのか?」
「そうだ。それ以外に残った道は無かろう。そしてその道は一番困難な道だ。まず突破は不可能、十中九まで上には辿り着けん。」
サンテックスが語り終えるとハットンが肩を震わせた。
怪訝そうに様子を伺ったサンテックスが唖然とした。
ハットンが涙を流して、だが笑っていたのだ。
「ははははは、最っ高だ。驚けよサンテックス。王子はあんたがそう読むのを予見していたよ。これが笑わずにいられるかよ。」
「な、なんと・・・・まさかそんな・・・・。」
「そうだよなぁ。俺もまさかと思ったよ。歴戦の勇士にして稀代の戦術家。俺たちもあんたにやられてその凄さを知ってる。それが、ははははは。」
「まて、待て待て、それじゃあ王子は?一体王子はどこなんだ!!」
「ははははは・・・・・・あそこだ。」
ハットンが指さしたのは西壁だった。
「王子が言ってたよ。選択肢が左右に分かれたらまず7割は左から調べるってな。しかも囮だとわかりきった相手だから調べてシロならすぐに他の確認に向かう。徹底して調べる事はしないってな。」
「それはまぁわかった。だがあの3人の若者は王子ではなかったし旗も持ってなかった。違うかね?」
「違わねぇよ。あの3人は王子じゃねえし旗も持ってなかった。」
「意味がわからんよ。どういう事だね?」
「あの3人は王子じゃない。だが、兜を被った護衛の中に王子が居たのさ。」
「え?な・・・な・・・」
「王子が疾走する学生の群れの中に入った時に、仮面と兜を取り替えてフードの付いた
長衣を羽織ったのさ。」
「・・・・・あ!!」
「やっとわかったかい。正面で小競り合いをしている間に王子は、ほら、もう北壁の入口に居るぜ。レントもそろそろ合流する頃だろう。ぷっ、ふはははははっ、」
「ああっはっはははははは、これは傑作だ。」
「だろ?だろ?あんたもそう思うだろ?俺たちは今歴史を見てるんだぜ。もう嬉しくて悲しくておかしくて訳がわかんねえよ!」
階段を上り、北壁への角を曲がりながらレントは回復薬を口に流し込んだ。
「にっげっ、苦すぎるよこの薬。」
レントの言葉に申し訳なさそうに黒装束を着た男たちが頭を下げた。
「本当だったら西壁がゴールだったのに、軽傷だった上に回復薬まで用意しやがって。おかげで第2ラウンド突入じゃねえか。」
走りながらレントが誰に言うともなく愚痴を吐いた。
そのレントに遅れる事数分、クロロがその後を追いかけて走って行った。




