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第六章 底抜けの馬鹿者たち 6

 あっけにとられている3人にルクレが船と旗下兵器類についての説明をした。


「まんず、ロングスピアって呼ばれでるこの船だけんど、本当の名前は轟天号って言うだ。船の横にも大っきぐ書いであるべさ。ほんでな、驚がねぇで欲しいんだどもこれさっきがら船って言ってるけんども実は船でねぇんだ」

「船じゃないんだったら何なんだ?」

「ミサイルだべさ」

「さっきも言ってたが、ミサイルって何?」

「んーど、目標物破壊用の爆弾付きの大っきい弓矢だと思ってければいいべが?」

「ちょっと待て、・・・悪いがもう1回言ってくれるか?」

「目標物破壊用の爆弾付きの・・・」

「手に負えねぇほどヤベェ言葉が湯水のように溢れて来るなぁおい」

「あ、でも安心するべさ、この轟天号の爆薬は特別で金属にしか反応しねぇだよ。んだでミサイルって言っても名前だけみてぇなもんだべさ」

「えーと、じゃあ君の命令で動くって言うそのミサイルとやらは・・・?」

「ああ、普通に城だろうと山だろうと木端微塵にしてしまうだ」

「ダメじゃねぇか!」

「まぁそれを使うかどうかば判断するのが提督の仕事だべさ」

「だとよマルコス提督」

「身も蓋も無く軍事バランスを秤ごとへし折るモンだって事だけは良くわかった」

「わかってもらえて良かっただよ」

「「良くねぇよ!」」


 2人が口を揃えて吐き捨てるように言うとルクレがビクッと怯えた顔をした。


「あ、・・・ああすまん。気にしないでくれ。泣くな、泣くなよ」

「ぐぐ・・・はい、泣かねぇべさ」

「よーし、じゃあちょっと提督と話してくるからそこに居てくれ。話は盗み聞きするなよ」

「わ、わかっただ」


 ルクレにひきつった笑顔を向けたレントがマルコスの手を引いて部屋の隅に移動した。


「なぁマルコス、ネスカリカの神官どもはこれを未知の動力で動くただの船だと思ってるんだよな?」

「多分そうです。連中がこの部屋に入ってルクレと主従関係を結んでいたらと思うとゾッとします」

「こうなると世界で最も貴重な古代船どころの話じゃなくなる」

「そうですねぇ。こんな危険な代物だとわかったらおおごとです」

「これだけ目立つ船を持ってたら返せって絶対に言うだろうしなぁ」

「とは言えオレもこんな行政物件を掻払って平気な顔をして居られるほど神経が太くないです」

「あ、そうだ。これと同型の船があるんじゃないか?ルクレ付きの旗艦じゃなければ知らんふりしてそっちを返すってのはどうだ?」

「あー、確かにそう言うのあったらそっちを渡すってのはアリですね」

「おーいルクレー!」


 レントが呼びかけるとルクレが喜び勇んで駆け寄って来た。


「なんだべか?」

「さっきこの船みたいなのが5隻あるって言ったよな?」

「ああ、飛翔型爆雷戦艦だべか?」

「そうそう、その・・・いやちょっと待て。今の言葉をもう1回、・・・ゆーっくり言ってくれるか?」

「ふぇ?飛翔型爆雷戦艦のことだべか?」

「飛翔型って・・・おい、空飛ぶのかこれ?」

「飛ぶだよ。潜水も出来るだ」

「・・・ダメだこれ、同型と言えども返すわけには行かなくなったな」

「オレもう泣きそうです」

「とりあえずアレだ。隠匿しといて様子を見るか?」

「まずはハイネルド王に報告しないとダメですね。現物を見せる前に通信機のある所まで行きましょう」


 やりとりを見ていたルクレが首をかしげながら聞いた。


「なんで行かねばならねぇだ?この船から連絡を入れればいいだよ」

「そんな事出来るのか?」

「造作もねぇだよ。そごのパネルっこの地図さ点滅してるのが通信機だで、どごにかけるか教えて欲しいだ」


 言われたパネルを見ると周辺の地図が表示されている。


「すごい精密な地図だが小さすぎてよくわからないなぁ」

「どのあたりだべ?」

「ん?ああ、地図で言うとこのへんだが・・・」

「じゃあここを拡大するだ」


 拡大されたマップにハンニバルの家とシユケの物見櫓、そして飛空艇と思われる場所が点滅している。


「いまさら驚きはしないがちょっとこれはオレの常識の範囲を超えてるな」

「3つほど点滅してるだな。どれにかけるだ?」

「じゃあここの広場にある地点に頼む」


 呼び出し音が響き、やがて通話機が接続した。





《国王親衛隊、リンダ・リンクスである。この回線を知っているお前は誰だ?》



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