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第六章 底抜けの馬鹿者たち 5

 ルクレが座り込んでいるレントからマルコスたちに向き直った。


「へば、お2人のどっちかが船長になるって事でいいべか?」

「純血種のヒューマンじゃないと登録できないってのはどういう事だ?」

「亜人種や別進化した異種の血がへえってると情報が読み込めねぇだ。それを前提としてプログラムされてねえだよ」

「異種にはどういったものがあるんだ?」

「巨人、有角、多節足、エルフ、オーク、グレイヴォー、ドワーフなんかの純血種、それど混血種だべか」

「ああ、じゃあ私はワルキューレ族だから無理ね」


 そう言ってルネアがマルコスを見つめた。戸惑ったマルコスがレントの方を向くと、ショックから立ち直ったレントもまたマルコスを見つめていた。


「なんで2人ともオレを見てるんですか?」

「わかってるだろ?消去法でお前しか居ないんだよ」

「そんな、・・・団長、オレが船長とかやって大丈夫なんですか?」

「いやもうお前しか居ないんだからやれ」

「やれって言われても・・・」

「今更敵が少しばかり増えたって変わらないのはお前も同じだろ?それとも何か?クロロにやらせた方が良いか?」


 一瞬あっけにとられていたマルコスがとんでもないと言うように首を横に振った。


「ダメです!この子を女好きのクロロに付けるだなんてとんでもありません!」

「ほら見ろ、やっぱりお前しか居ないじゃないか」

「・・・わかりました。じゃあルクレさん、お願いします」

「口内粘膜がら情報ば取得するのが嫌みてぇだがらマルコス様がらは血ば採取するだよ」

「あ、いやあの・・・あの・・・ちゅーの方でお願いします」


 恥ずかしそうに食い下がったマルコスをレントとルネアが軽蔑の目で見た。


「だってだって、オレ今まで生きて来て1回もちゅーした事無いんですよ。この機会を逃したら死ぬまで出来ないかも知れないじゃないですか!」

「あー、わかったわかった。もう何も言うな、好きなだけしなさい」

「男って哀しい生き物ですわねー」

「いやルネア、お前だって元男じゃないか」

「レ・ン・ト・様、次にそれを言ったらちゅーの事サンドラお嬢様に話しますよ」

「すみません、もう言いません。勘弁してください」


 と、ドサリと音がして目を向けるとマルコスが恍惚の表情で倒れていた。


「マ、マルコス?」

「団長、幸せ過ぎてオレもう今死んでもいいです。我が人生に悔い無しです」

「おまえ・・・初めてのちゅーが機械で悔い無しとか生身の女性と付き合えるのか?」

「オレもそれは自信無いです。もうルクレに惚れてしまいました。オレの初恋です」

「おいおいおい・・・お前に船長の適性が無かったらその初恋すぐ終わるからな」

「え!そんな!・・・いや、でも・・・そうなりますよね・・・」

「ルクレ、どうだ?マルコスに適性はあるのか?」


 ルクレがニッコリと笑うとマルコスの両手を握り締めて言った。


「申し分無しで合格だべさ」

「ご先祖様ありがとおぉぉおおおお!!!」

「へばマルコス様、船長として登録するだで所属国と部隊名ば教えてけろ」

「ファウンランド王国所属、総軍副司令、マルコス・マティス」

「えーと、・・・副司令・・・マティス・・・と、登録完了だべさ」

「これでマルコスが最も貴重な遺物の船長か。付いて来た甲斐があったな」

「あ、ありがとうございます」

「だば、改めますてマルコス副司令様。提督就任おめでとうございますだ」

「ルクレ?・・・今なんか聞き捨てならない言葉が出てきたんだが」

「・・・もしかして提督って言ったか?」

「言ったけんども・・・変だっただか?」

「提督ってのは艦隊の総大将の事だぞ、船長とか艦長って言わなきゃダメだろう」

「だども・・・」

「だども?」

「だどもこの船の船長になるってごとはオラの主人になるってこった」

「ん・・・まぁ、そうなるか・・・な?」

「オラは遠隔ネットワークの総括権限ば持ってる最高責任者だで、その主人は提督つうて問題ねぇべさ」

「つまり・・・この規模の船の遺物がどこかに眠ってる・・・のか?」






「んだ。遠隔ミサイルが40基、戦闘用艦艇が12隻、この船ど同じような飛翔型爆雷戦艦が5隻あるだ」

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