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馴染みの剣鬼  作者: スタミナ0
七話「忘れ敵」西端
141/1102



 それは静かに歩んでいた。

 訪れた地上に星空を招き、空に虹を引く。

 まるで極北の夜を連れて来る獣。

 その真紅の瞳は前を見据えていた。

 地響きを伴って踏みしめる一歩は、まだ目的地まで遠い。ただ、その獣は世界に厭われた存在だった。

 美景を作るその力も。

 その獣性とは反する美貌も。

 吐き出す呼吸でさえ。

 この世を滅ぼすとされた憐れな堕とし()

 獣は孤独だった。

 数多の国をその足跡の中に沈めた破滅の歩は、いま最も大陸の中で人間の騒ぎ立つ土地を目指している。遠くの山陰の奥から、耳をくすぐる剣戟や蛮声の響き。

 獣の胸裏が湧き立った。

 彼らは人間ではない。

 理性を無くして奪い合う(どうほう)なのだ。

 何より。

 その中に、強い力の反応がある。

 自分に似た魔力(性質)の持ち主が感じられた。

 歓喜に銀の体毛が波打つ。

 その足先は強く土を踏みしめた。

 星空は一歩ずつ。

 熾烈な戦場へと引き寄せられていた。





逃げたい(作中のキャラの誰かの代弁)。

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