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無能だとクラスで馬鹿にされてた俺、実は最強の暗殺者、召喚された異世界で見事に無双してしまう~今更命乞いしても遅い、虐められてたのはただのフリだったんだからな~  作者: 空地 大乃
第四章 暗殺者の選択編

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第91話 ナツの行動

「結局あのリョウガという少年は出ていってしまった。恐らく冒険者ギルドにも話は伝わるだろう……」


 リョウガが出ていった後、村長はそう呟き頭を抱えた。


「この事が冒険者ギルドに伝わればきっともうギルドはわしらの依頼を受けなくなる。万事休すだ。本当に申し訳ないことをした」

「親父……気持ちはわかるが今は俺たちで出来ることをしないと」


 村長は自分の行動を悔いているようだった。そんな村長にハルヤはそう声をかけた。


「できること? 何かあるのか?」


 村長がハルヤに問いかけた。そしてハルヤは頷いた。


「俺たちでこの村を守るんだ。あいつの言いなりになっていたら結局村は終わってしまうんだからな」

 

 ハルヤが決意めいた表情で答えた。ラミアの言う通り生贄を差し出せばその場は助かるかもしれない。だが小さな村だ。そんなことを繰り返していてはいずれ限界が来る。


 それならばいっそ一か八かでも戦ってやろうと考えたのかもしれない。


「それなら私も協力するよ。あのラミアとも決着をつけたいし」


 話にマリスが加わり協力を申し出た。マリスは結局村に残り依頼を続けることを決めていた。


「それに……確かにリョウガは村を出たけど戻ってきてくれるんじゃないかって私は思ってる」


 マリスが遠くを見るような目で言った。マリスはリョウガがこのまま何もせず終わるとは思ってなかった。


「しかしラミアはあの強さだ。よく考えてみたらあの子がもし戻ってきたところで……」

「そんなことない。リョウガの方が強いよ。来てくれたら間違いなく頼りになる」


 マリスがはっきりとそう答えた。リョウガとの付き合いはまだ短いがそれでもマリスはリョウガの実力は理解している。


「しかし、だとしても本当に戻って来るかは……」

「村長大変です!」

 

 ハルヤが怪訝な顔で口にしたその時だった、村の女性が家に飛び込んできて叫んだ。


「ナツが、ナツがいないんです! それに他の子に聞いたらラミアを倒してやるって出ていったって……」

「な、何だって! 本当かそれは!」


 ハルヤが村人の肩を掴んで聞き返す。それに村人は答えなかったが悲痛な表情が全てを物語っていた。


「馬鹿な! なんでそんな無茶を!」

「……まさかリョウガに言われて?」


 マリスはナツとリョウガとのやり取りを思い出していた。あの時にリョウガに指摘されたことで自分で動こうと考えたのかもしれない。


「だとしたらナツの奴、ラミアが塒にしている洞窟に一人で向かったというのかなんて無茶を……」


 村長が肩を落とし言った。マリスが村長に詰め寄る。


「村長! その洞窟はどこに!」

「むぅ洞窟はここから――」

 

 村長がラミアが塒にしている洞窟の場所を伝えるとマリスが顔を引き締めその場から駆け出した。


「お、おい! 君までどうした!」

「ナツは私が連れ戻す! だから待ってて。それと――もしリョウガが戻って来たらそう伝えて!」


 声を張り上げるハルヤにそう答えマリスはナツを連れ戻すために村を出たのだった――

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