表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無能だとクラスで馬鹿にされてた俺、実は最強の暗殺者、召喚された異世界で見事に無双してしまう~今更命乞いしても遅い、虐められてたのはただのフリだったんだからな~  作者: 空地 大乃
第三章 冒険者となった暗殺者編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

60/189

第59話 隙だらけだったからつい

「行くぜ!」


 ダリバが大剣を構えて相手との距離を詰めに入った。ダリバは見た目通りの戦士タイプだ。遠距離攻撃の手段も持っていない為、先ずは相手に近づかなければ話にならない。


「ヒャハッ! 近づけるもんかよ――真空刃!」


 相手の盗賊が声を上げて右手を振った。すると距離を詰めようとするダリバの肩の肉が裂けた。


「グッ!」


 ダリバがうめき声を上げる。腕を振れなくなる程深い傷ではないが出血はそれなりにある。


「こんな程度で俺が止められるかよ!」


 だがダリバは足を止めること無く前に突き進んでいった。


「ヒャハハ! 強がるなって!」


 更に男が両手を交互に振っていく。その度にダリバの全身に切り傷が増えていった。


「お、おいダリバは大丈夫かよ!」


 スカーレッドが緊迫した声を上げた。意気揚々と飛び出したダリバだったが動きに鈍りが見えた。

 

 その間も相手は手を振るのを止めずなます切り状態だ。


「リョウガ! あいつ敢えて切り刻んで楽しんでいるようだよ!」


 マリスが顔を歪め嫌悪感を顕にした。確かにダリバを甚振って楽しんでいる気配があるな。


「もう見てられないね!」


 スカーレッドが火に包まれたナイフを投擲した。援護のつもりだったようだがしかし投げたナイフは全て弾き飛ばされてしまった。


「ヒャハハッ! 無駄だ! このウァイズ様の真空刃があれば近づけさせる前に全てを終わらせる事が出来るのさ!」


 ウァイズがあの男の名前のようだな。しかし近づく前にか――


「ヒャハッ! 後悔するなら暴虐の狼の邪魔をした自分の愚かさを恨むんだな!」

「ぼ、暴虐の狼だと?」


 ダリバが疑問の籠もった声を上げた。どうやらそれが盗賊団の名前になるようだな。


「さぁこのまま細切れにしてやるぜヒャハッ!」

「なんだ近づくのは簡単じゃないか」

「ふぇ?」


 ウァイズが間の抜けた声を上げて後ろに回り込んだ俺を振り返った。その瞬間にはきっとウァイズは上空から自分の胴体を見下ろす形になっていたことだろう。


「へ? どうして俺の体が見え、え? 俺、頭だけ? しょ、しょんな、この俺が――」


 そこで言葉は途切れ自由落下した頭部が地面にボトンっと落ちた。


「悪いな。隙だらけだったからつい」


 俺はそう呟きつつ地面に転がったウァイズの頭部を見下ろした。そうして事切れているのを確認した後で元の位置に戻った。


「ダリバさん大丈夫ですか?」


 盗賊の脅威が去った後は依頼人がダリバの傷を見てくれた。どうやら薬も運んでいたようなので傷によく薬を傷跡に塗布していた。


「問題ねぇさ。だが結局いいところなかったな」


 弱ったなと言わんばかりに頭部を擦るダリバだ。


「まぁ今回は相手が悪かったな。遠距離から攻撃出来るあいつとダリバは相性が良くないだろうからな」

「そういうリョウガは余裕そうだったけどな。たく」


 ため息混じりにダリバが言う。まぁ俺はどんな距離でもある程度対応出来るからな。


「しかし相手が暴虐の狼とは驚きました。まさかそんな連中に狙われるなんて」

「知ってるのかい?」


 依頼人の様子を見てスカーレッドが聞いていた。確かに今の口ぶりだと有名な連中なようだがな――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ