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無能だとクラスで馬鹿にされてた俺、実は最強の暗殺者、召喚された異世界で見事に無双してしまう~今更命乞いしても遅い、虐められてたのはただのフリだったんだからな~  作者: 空地 大乃
第四章 暗殺者の選択編

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第125話 もう驚くのに疲れた

 俺たちは一度陣地まで戻ってから盗賊を倒したことをゴングに伝えた。するとゴングも状況を知りたそうだったので番をマリスと交代し俺と一緒に現場に戻ってきたわけだが――


「マジかよ……こいつら手配書も回ってる【闇盗団】じゃねぇか。しかもボスまでいやがるし……」


 どうやらゴングはこの盗賊団について知っていたようだな。手配書が回っているというからそれなりに有名な盗賊団だったわけか。


「なんかもう規格外過ぎて驚くのに疲れたぜ」


 頭を掻きながらゴングが言った。ちょっと呆れているようにすら思える。


「とにかくこいつらの持ち物は大した事ないが耳は切っておくといいぞ。ギルドで討伐が認められれば懸賞金が出るからな」

 

 確かに懸賞金が出てるような盗賊ならそれも必要か。俺はゴングと耳を切っていく。切り取った耳は俺が魔法の袋に入れておくことにした。


 ゴングも俺が倒した手柄なんだから当然と言っていたしな。そういうところは律儀だな。


「死体はどうする?」

「放置でいい。この辺りなら適当に処理されるだろうからな」


 ゴングの言う処理とはこのあたりに出る魔獣なんかを指しているようだな。喰われてしまえば死体はもう残らないってことか。耳を切っておくのは死体なしでも証明できるようになんだろう。


 こういった突発的な出来事では一々ギルドの調査を待っていられないだろうからな。


 とりあえずゴングに確認してもらった後は俺たちは陣地に戻り夜の番を続けた。その後は朝までは特に何もおこらなかったわけだが、朝になりゴングから説明を聞いたイザベラたちから声が掛かった。


「聞いたよ。あんたら私たちが寝ている間もやってきた盗賊を相手して倒したんだって? あの連戦の後で大したもんだよ」

「本当ですね。逆だったと思うとゾッとしてしまいます」

 

 クルスが青い顔でそういった。昨晩は随分と疲れていたようだな。だからこそもしそうなっていたらと考えてしまったのかもしれない。


「しかも闇盗団ってかなりの大物じゃない? それをたった二人でやっちゃうんだからね。本当ゴングも良く戦おうなんて気になったよね」

「うるせぇな。もういいだろうがそのことは」


 パルコに言われてゴングがばつの悪そうな表情をしていた。どうやらその辺は本人も気にしてる部分だったらしいな。


「でも二人と言っても、ほとんどリョウガがやったからね。私はそこまでのことしてないよ」

「……ま、ゴーレムの相手してくれたからその分手間は減ったがな」


 遠慮がちに答えるマリスだったが、その部分に関しては助かったと言えなくもないからな。


「そ、そう? なんか昨夜も言われたけど、リョウガがそこまで言ってくれるなんて珍しいから照れるなぁ」


 俺の言葉にマリスが頬を赤くして照れていた。

 どうにもこの手のことに対しては素直すぎるな、こいつの反応は。


「本当にまさかあの後まだ盗賊に襲われているなんて思いませんでしたよ。本当にありがとうございました」


 俺たちの会話を聞いていたモンドからもお礼を言われた。隣に立っていたエンデルもペコリと頭を下げている。


「おかげでどんな売り物よりも大事なモノ(・・)が傷つかずに済んでますからな。感謝の言葉もありません」

「……そうか。まぁ俺は仕事をこなしただけだが――そういえば闇盗団のボスとやらが言っていたぞ。七頭という盗賊連中もオークションに狙いを定めているとな」

 

 盗賊から聞き出したことをモンドに伝えるとその眉がピクリと反応した。


「七頭ですか。確かに今回開催される規模のオークションならその可能性はあるかもしれないですね」

「その様子だと七頭のことは知っているのか?」

「えぇ。七頭は七つの盗賊団を束ねている組織だという話は商人の間では有名ですからね。しかも一つ一つの盗賊団もかなりの猛者揃いのようですから狙われると厄介かもしれませんね」


 厄介か。だが思ったよりもモンドには余裕がありそうだな。


「そんな連中に狙われるオークションでも行くのか?」

「はは。商売に危険は付き物ですよ。それに私の回りにはこんなにも頼もしい護衛がいるわけですからね。信頼してますよ」


 そう言ってモンドが笑った。話はそこで終わり朝食を摂った後、俺たちはトルネイルへの旅路を再開させるのだった――

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