南極で震える雪女
可哀想は可愛い
「ど、ど、ど、どうしよぉ!!!!!」
広大な土地に、一面真っ白な銀世界。濛々と雪が吹きすさぶ南極大陸、、、の一部が私のダンジョン。
同期のみんなは神に殆どが大陸、悪くて島国に飛ばされたみたい。、、、一人無人島の子がいるけど。でも、少なくとも私よりはマシだと思う。
「とりあえず、さっぶい!!!」
すこし考え事をしてただけで雪が体の半分を覆っている。、、、このままだと私、死ぬね?
あのね?確かに私は雪女。それなりに寒さに耐性があるの。でもね?限度ってあるでしょ?私、耐えられても-10℃くらいまでなの。ここ、-50℃。
「壁生成!!」
高さ3m、横3mの壁と、同じ大きさの天井を作って雪を凌ぐ。
「はぁ、、、あったかい」
DPを使って焚き火を起こした。凄く温かい。火って偉大だね。
ん?私は溶けないのかって?雪女は別に雪で出来てる訳じゃないし、猛暑って訳じゃなければ多少暑くても何とかなるの。
なぁんて考え事をしたり。南極に来てから初めて落ち着ける場所に入れた私は、そのままぼんやりと焚き火を眺めだした。
しばらくぼーっとしてて思った。壁、埋もれない?だってさっき数分外にいただけで埋もれかけたよね?じゃあ、この壁も埋もれちゃうんじゃ、、、
焦った私は壁に扉を作った。でも、開けるのはそっと。何が積もってるかわからないからね、うん。
それで、ガチャガチャとドアノブを回して開けようとする。
!?
あれ!?開かない!!!???やっぱり雪が積もっちゃってたの?ま、窓を作って確認するしか、、、いや、でもこれ以上無駄にDPを浪費する訳にもいかないし、、、ああもうどうすれば!!
、、、内開きだった。
まあそんなこともあるよね。大丈夫、私。失敗は誰にでもつきものだから。なんて考え事をしながら扉を開けて、、、、、、
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
私は押し入ってくる雪に部屋の奥まで押し流された。
「おのれ神め」
この恨み、はやさでべきか。いつかまた会ったら右フックを叩きこんでやる。
何とか脱出はできたは良いものの、このままじゃまた埋もれておしまい。どうすれば、、、。
そうやって、いろいろ考えて、ダンジョン機能のカタログを、穴があくほど見つめて、見つけた。
『雪吸収機構 5000DP』
「ぼ、ぼったくりだぁ、、、」
私に渡されていたDPは3000。なのに雪を吸収するだけでもう2000DPも必要。
神、私はいつかあなたを殺さなきゃいけないと思う。
「いつか殴る」
私は決意を新たに、迫りくる雪に埋もれていった。
ダンジョン
雪積もる
壁埋もれる
流される




