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子どもの成長

わたくしとフォロス様が婚姻式を挙げて

早くも、20年以上の歳月が経っています。


20歳の春に、フォロス様に似た黒い髪に

わたくしと同じ金茶の瞳の嫡男ランディーが、

23歳の夏に、わたくしと同じ薄紅色の髪に

フォロス様と同じ紫水晶の瞳の娘、シャノンが

元気よく、産声をあげて、誕生しました。


わたくしは、今、40歳となりました。


元々、童顔なので、フォロス様いわく、まだ、

20歳に見えるそうで。娘と並ぶと、本当に、

歳の離れた姉妹のようだそうですよ。


今や、20歳の青年となった次期辺境伯の

ランディーは、父親に似て強い騎士に成長し、

17歳の少女となった辺境伯令嬢シャノンは、

わたくしよりも、箱入り娘に育ちました。


子ども達の成長を見守りながら、辺境伯夫人

として、穏やかに、暮らしています。





「ねえ、フォロス様」


「カトリーネ? 何か、あったの?」


「ランディーだけじゃなくて、シャノンも

婚約者が決まるかもしれないわ。」


「ランディーは、ポーラ嬢になるんだよね。

って、シャノンも? 誰と!?」


「あら、まだ、内緒よ。子どもの成長って

こんなに、早いのね、知らなかったわ。」


「うん。私たちが出会ったのも、子ども達と

同じくらいだから、そろそろ恋愛や結婚に

ついて、考える時期なんだね。」


「うふふ。そうね。」

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