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怪奇探偵・藤宮ひとねの怪奇譚  作者: ナガカタサンゴウ
ワンシックスの吸血鬼
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謎解きの時間

 その後、どうにか金田さんを日に当てた事で問題は解決した。

「なあひとね、何で金田さんが引き篭もりって分かったんだ?」

 そう、金田さんは引き篭もっていたから日に耐性が無く、日に当たる事で吸血鬼は消えたのだ。

「どこから話そうか……」

 ひとねは少し考えて

「まずは最初にあった二つの謎についてだ」と話し始めた。

「一つ目は家族以外への吸血衝動。 同姓にならともかく異性にも衝動が出ないのはあり得ない、それならば他の人と会っていないと考えるのが普通だ」

「ああ、なるほど」

 引き篭もりだったから家族としか出会わなかったわけだ。

「二つ目、夜になっても活性化しない理由だ。 元々彼が夜型だったようだね」

 夜型? 定時高校でも無く普通の高校生だった彼が夜型と断定する理由なんてあったか……?

「これについては違う発言のサポートがあった。 君なら覚えているだろう? チャットの内容」

「ああ、まあな」

「ならば思い出して見て欲しい、彼が夜に歩く現象についての会話だ」

 えっと……確かこうだったかな


『寝てる時に動く現象に対する目撃者は何人だ?』

『家族の三人です』

『それに対する印象は?』

『何故この時間に此処に、と』

『此処というのは?』

『廊下です、トイレに向かう廊下では無かったようなので』

『弟は中学生か?』

『小学二年生です』


 うん、こうだった。

「思い出したけど……」

「見たのが家族だけなのはあってもおかしくは無い。しかし三人とも見た、特に小学生の弟が見た何ていうのはおかしい

  夜に寝ていたなら寝るのは普通弟の方が先だ、例外はあるかもしれないが考えにくい」

「例外を無視か」

「それに弟までこの時間にいるのはおかしいと思ったんだ。夜型でも昼に廊下ぐらいでるだろう」

 少し無理やりな気がするがまあいい

「いつもこける事も要因となる」

「ああ、お前のようにか」

 歩くことに慣れていない、と。

「まあ……そうだ。 それにチャットに遅れた」

「ん?」

「昼寝の可能性もあるが普通の学生があの時間に寝坊するのは少しおかしいだろう?」

「まあ、そうかな」

「決め手は図書館だ」

「図書館?」

「二週間前から閉まっている図書館に行ったのが最後、という事は外に出ていないという事になるだろう?」

「……ああ」

「寧ろ図書館だけでも充分だったよ」

 そう言ってひとねは買ってきた抹茶アイスをすくって食べた。

「うん、美味い」


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