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神様によるペナルティ  作者: ずごろん
第三章 夏休み編
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67話 旅行③

遅れてすいません。

思いのほかGWやその後の休日で色々と予定が入ったりして書けていませんでした……。

「さぁ、着きましたよ。ここが私たちの滞在する建物ですね」


「…………」

「なんていうか、まぁ……」

「話には聞いておったが、これまたすごいのぅ」


優花ちゃんに案内されて、目的地についた僕たちは優花ちゃんが言った建物を見て呆然としちゃったんだ。いや、優花ちゃんの家もすごかったけどさ、もうこれ旅館だよね?そう思うくらい大きいんだ。だから僕は何も言えずにただその建物を見てしまったんだ。あっ、その後続いて言葉を出していたのは健吾と勇輝君ね。


呆然としたままの僕たちの様子をまるで懐かしいものを見るかのように真琴と小野君が


「やっぱりこういう反応になるわよねぇ」

「さすがにこれは想像出来んしな。初めて来たときのことを思い出すから懐かしいわ」


しみじみしながらそう言っていたんだよね。だから僕は


「やっぱり真琴たちもそうだったんだ?」


って聞いたんだ。すると


「そりゃ、こんな建物見せ付けられたら誰だって驚くわよ」

「せやなぁ。服部はこれが普通や思ってるから俺らの言うこと全然信じてくれへんかったからな」


2人はそのときのことを思い出したみたいで、苦笑しながらそう返してきたんだ。僕もそれに苦笑いで答えてくると、優花ちゃんが少し不満そうな顔をしながら


「確かにこの家は()()大きいばかり大きいと思いますけども、皆さんが驚かれるほどではないと思うのですが……」


って言っていたんだ。いやいや、この大きさが少しだけなわけないじゃない。まぁ、優花ちゃんだもんね、もはや突っ込んだら負けだよね、うん。僕以外もそう思ったみたいで


「まぁまぁ、それよりも早く入りましょ?ここで立ち止まっているのもあれだし」

「そうじゃのう。荷物も早く置きたいし、出来れば中へ案内してくれないじゃろうか?」

「……流されたような気もしますが……。確かにここで荷物を持ったまま立っているのもおかしいですね。それでは中に入りましょうか。それで一段落したら今後の予定でも決めましょうか」


そうそうに話を切り上げて中に入ろうとしていたんだよね。優花ちゃんはそれに気づいてまた顔をしかめていたけど、すぐに気を取り直して正門なのかな?の鍵を開けてくれて、僕たちを案内してくれたのであった。




………………

…………

……







「そういえば、ご飯はどうするの?」


優花ちゃんに案内された部屋に各自荷物を置いてエントランス?みたいなところに集合した後、僕はそうたずねたんだ。普通の旅行だったら外食でいいと思うけど、今回は違うからね。まぁ旅行といえば旅行なんだけどね……。

そんなことを考えながら返答を待っていると


「それは各自適当でいいんではないのですか?」


優花ちゃんはキョトンとしながらそう返してきたんだ。予想外の答えに


「えっ!?」


って思わず大きな声を出しちゃったんだ。そしたら真琴や小野君も不思議そうな顔をしながら


「別にいいじゃない。終始自由時間みたいなもんなんだから。適当でいいのよ、適当で」

「せやせや。ただこの涼しさを満喫したらええんや。折角避暑地に来たんやから普段やらなあかんことなんてせんで、ぐーたらしたらええんやって」


ってさも当然かのように言ってきたんだよね。だから僕は


「いやいやいや、折角こうやってみんなで来たんだから、一緒にご飯食べようよ!?」


って叫んじゃったんだよね。だって、各自適当にご飯済ませちゃったらそれこそみんなで来た意味がないじゃない?でも優花ちゃんたちはそれが普通だと思ってるみたいだし……。それだったら


「……僕がご飯作るからさ?ご飯だけでも一緒に食べようよ?」


僕は妥協案としてそう言ったんだ。料理は好きだからみんなの分を作るくらいなら全然苦じゃないからね。そう思っていったんだけど、


「……さすがにそれは悪いですよ」

「そうよ。折角遊びに来てるんだから、そんなことする必要ないわよ」


って優花ちゃんと真琴がすぐに反対してきたんだよね。だけど、ここで意見の押し合いに負けちゃったらほとんどみんなでご飯を食べることがなくなっちゃいそうなんだよね。だから僕は


「いや、絶対作るからね。みんなが食べないって言ったとしてもご飯作るからね!」


って言い切ったんだ。うん、もう決めたもんね!絶対作るもんね!

気合を入れるために小さくガッツしていると、


「……はぁ。京はこうなったら聞かないもんねぇ。降参よ、降参。でも、朝昼晩全部任せてたら、本当に京が遊ぶ時間がなくなるから、どれか1食だけ!それがあたしが妥協できる条件よ」


って真琴が軽くため息をついてから呆れたようにそう言ってきたんだよね。真琴にしてはすぐ折れてくれたんだけど、1食だけかぁ。それでも1日1回はみんなで食べられるだけまだいいよね?うん。そう思った僕は


「わかったよ。本当は全部作ってもよかったんだけどね。それじゃあ、晩御飯をみんなで食べよ?夜の7時ごろには作るから、みんなその前に帰ってきてね」


って答えたんだ。さすがにその時間からはどこにも出かけないだろうし、晩御飯の後はみんなで遊べるしね。僕はただその思惑のためにそう言ったんだ。そしたら


「夜の7時って……。その時間にするのなら、さすがに今日は作らないわよね?もしそうなら今すぐ取り掛からないといけなくなっちゃうし……」


って真琴がまるで様子見をするような感じにそう言ってきたんだ。まぁ、今から食材の買出しに行かないと間に合わない時間だもんね。初日が全く遊べなくなっちゃうことを危惧して言ってくれているんだろうけど、


「いや、もちろん作るよ?思い立ったら吉日っていうでしょ?初日をサボちゃったらそのままズルズルいっちゃいそうだからね」


って胸の辺りで軽くこぶしを握りながらそう言ったんだ。やっぱり最初が肝心だからね!

そう思って、うんうんと1人うなずいていると、僕に何を言っても無駄と察した真琴は


「そう……。それだったら何か手伝うことがあるかしら?」

「そうですね……。あまり手伝えることはないと思いますが、微力ながらお手伝いさせていただけますか?」


って言って、その後に続くように優花ちゃんもそう言ってきたんだ。僕のことを気を使って言ってくれたんだろうけど、買出し以外で手伝ってもらおうとは思っていなかったからなぁ。だから僕は


「それじゃあ、買出しを手伝ってもらえる?あっ、でも結構な量を買うつもりだから男手の方がほしいかも?」


って言ったんだ。すると真琴と優花ちゃんはふと一瞬視線を合わせて頷いていたんだよね。どうしたんだろって思っていると


「わかったわ。男手と言っても2人くらいで十分でしょ?」


「うん。2人もいれば全然大丈夫だよ?」


って真琴が聞いてきて、それにそう返すと


「ですよね。それでは中山さんと丘神さんにお願いしてもいいでしょうか?」


「お、おう」

「全然それはかまわんが……」


「なら決まりね!それじゃあ、よろしくぅ!」


「2人ともお願いしますね」


真琴と優花ちゃんは何故か小野君を引きずるように引き連れて早々に出て行ったんだよね。その一連の動作の速さに呆然と見送っていると


「……ったく、余計なお世話だ」

「……ほんとじゃのう」


健吾と勇輝君が何やら呟いていたんだよね。だから


「どうしたの?」


って聞いたんだけど、


「いや、何でもないから気にするな」

「うむ。それよりも早く行かないと間に合わんじゃろ?俺らもすぐに出るとするかのぅ」


って2人とも答えてくれなかったんだよね。うーん?なんだったんだろ?まぁ、特に何でもないって言ってるし、気にしなくてもいいのかな?それよりも勇輝君が言ったようにそろそろ出ないと時間も押してるもんね。

さて、今日は何作ろうかな?


とりあえず健吾と勇輝君の意見を聞いてから決めようかな。


そんなことを考えながら僕は出発したのであった。

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