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神様によるペナルティ  作者: ずごろん
第二章 一学期編
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56話 文化祭準備①

[追記] 話にあわせてタイトルを微修正しました。

「さって、それじゃあ出し物について決めていくわよ!!」


神様に再会してから1ヶ月くらい経って、期末テストも無事?に終わった頃、教壇に立った真琴はバンッと黒板を叩きながらそう言い出したんだ。え?期末テストの結果だって?中間テストよりは手応えがあったから、中間テストのときよりは成績が上がっている……はず。

まぁ、それよりも真琴が教壇に立っている理由なんだけど……。僕もわからないんだよね。真琴が黒板を叩いた手の先にある『文化祭』という言葉を見ながら


「……なんで真琴が仕切っているんだろ?」


って呟いたんだ。真琴は体育委員だったはずだよね?


僕の呟きが聞こえたみたいで、優花ちゃんが


「こういうお祭りごとはどうしても自分がメインで動いていきたいみたいで、委員の人にお願いして代わってもらったみたいですよ?」


って教えてくれたんだ。いや、うん。真琴らしいって言ったら真琴らしいんだけどさ。それはどうなんだろうね?まぁ相手の人が問題なく変わってくれていたんだったら別にいいと思うけど……。


そんなことを思いながら成り行きを見守っていると


「さぁっ!どんどん案を出していきましょ?折角やるんだから大賞を取るぐらいの意気込みでしないと」


って言いながら真琴が自分で思いついた案を黒板に書いていたんだ。真琴が書いた案は


・劇

・ダンス

・お化け屋敷

・喫茶店

・合唱


の5つだったんだ。

劇もダンスも合唱も皆の前で発表しないといけないと駄目だから出来れば止めてほしいかな?お化け屋敷か喫茶店なら裏方をしていればいいから出来ればそっちの方がいいかなぁ。


そうは思ったんだけど、自分から手を挙げてそうしたいって言う勇気がない僕は皆もそう言ってくれないかなって思っていたんだけど、


「お化け屋敷とかいらんやろ?ある程度はそりゃ盛り上がるやろうけど、大賞は余程他がおもんなかってやっとワンチャンとかやん」

「喫茶店もどうかと思うッスよ?料理出来る人にだけ負担がどうしても多くなってしまうのが好きになれないッス」


って小野君と空元君がすぐにその2つを否定しちゃったんだよね……。ここで真琴がそれを否定してくれたら問題なかったんだけど


「あっ、やっぱあんた達もそう思う?そうよねぇ……。他のクラスの連中に頼まれたから一応入れたんだけど、やっぱりいらないわね」


真琴も2人の意見に賛成しちゃってお化け屋敷と喫茶店を消しちゃったんだよね。他のクラスの人に頼まれたってどういうことなんだろ?何で他のクラスの出し物にお願いされるんだろ?

それも確かに疑問だけど、誰かダンスとか劇を反対してくれないかなぁって思っていると、


「まぁ、無難に行くとするとやはりその3つが妥当なところじゃのう。過去の大賞を取っている出し物もその3つと後は映画が多いんじゃが……。候補にすらいれんかったってことは、篠宮さんは映画は嫌なんじゃろ?」


「えぇ……。って、丘神君もよくわかったわね?あたしがワザと映画を案から抜いていたの」


「さすがにもう同じクラスになって数ヶ月経っておるからのぅ。篠宮さんの性格からして、当日に本番を迎える出し物の方が好むじゃろう?」


「そ、その通りだけど、冷静に分析された結果を言われるのも少し歯がゆいわね……。まぁいいわ。それよりも何か案があるかしら?こういうのは早く決めてスタートダッシュを切ったほうがいいと思うから無ければこの3つのどれかにしようと思うのだけれど……」


丘神君と真琴がそんなやり取りをしてどんどんその方向で固まっちゃっていたんだよね。その後、真琴が追加意見が無いのか周りを見渡しても誰も手を挙げなかったんだ。みんなの表情を見ている限り、僕みたいに言い出せなくて言っていないって感じじゃなくてほとんどの人がそれで問題ないっていう顔をしていたんだ。ノリが良すぎるっていうのもこういうときはちょっと問題だよね……。はぁ……。

そんなことを思いながら、1人肩を落としていると


「ほぼ全員問題なさそうね。それじゃあ、この3つから……、いや、2つから決めましょうか」


真琴は誰も反対の声をあげなかったのを確認してから、さらに絞るために進行を進めようとしたところで急に合唱を消し始めたんだよね。何で消したんだろって思っていると


「おい篠宮っ!!何で合唱消しとんねん!!それこそ大賞を狙えるやつやろっ!!」


って小野君がすぐに抗議の声をあげたんだ。大賞を狙えるかはわからないけど、どうして消したのかわからなかった僕は真琴の反応を待ってみ――


「じゃかましいわっ!!あんたがジャイ○ン並みにオンチだから外したに決まってんでしょうがっ!!」


ることもなく、真琴が小野君に向かって大声でそう言っていたんだよね。あまりの声のボリュームにちょっと顔をしかめながら僕は優花ちゃんの方を向いたら、優花ちゃんも軽く苦笑いしながら頷いてから「小野さんは本当に歌は駄目なんですよ」って小声で教えてくれたんだ。そんなに駄目なんだ……。どれだけ駄目なのかを確認するために今度お願いして……、あっでもジャ○アン並みっていうのが大げさじゃなくて本当のことだったら怖いからやめておこうかな、うん。


その後、いつも通り真琴と小野君が言い争いが始まり、小野君が教室を強制的に追い出されるまで続いたのであった……。


…………

……


「コホン。邪魔者もいなくなったわけだし、さっさと出し物を決めてしまいましょうか」


小野君が教室を出て行った後、真琴は一度咳払いをしてからそう言ったんだ。結局合唱が消えて、残ったのは劇とダンスだけど、どうやって決めるんだろ?そう思っていると


「あたしとしては劇をしたいところなんだけど……、誰か台本を書けるって人はいないかしら?」


って真琴は言ってから皆の反応を待っていたみたいなんだけど、誰も手を挙げなかったんだよね。真琴はその反応が返ってくるのがわかっていたみたいで全然気にしていないみたいだったんだけど、皆をチラッとみた後は何故かずっと優花ちゃんの方を見ていたんだよね。それに気付いた優花ちゃんはすごい勢いで首を横に振っていたんだ。なにしているんだろうと思っていると


「はぁ……。今回(・・)は台本を書ける人はいないみたいね。書いたことがない人でも皆でフォローするから大丈夫なんだけど……」


って言ってからもう一度皆の様子を伺っていたみたいなんだけど、やっぱり誰も反応しなかったんだよね。あっ、もちろん僕もとてもじゃないけど出来ないと思うから手を挙げようなんて思ってないよ?やっぱり漫画でも小説でも読んでる方が楽しいもんね。

そんなことを考えながら、早く台本を書く人を探すのをやめてくれないかなって思っていると


「……誰もいなさそうね。仕方ないわねぇ。それじゃあ、今回の文化祭の出し物はダンスってことで決定でいいわね。幸いにしてダンス部に所属している子がいることだし」


って真琴が言ったんだ。劇は諦めてくれてホッとしたんだけど、そうなるとやっぱり出し物はダンスで決定なんだ……。中3のときもダンスだったんだけど、とある曲でどうしても変なクセがついちゃってよく怒られてたなぁ……。あの時は健吾がその度に庇ってくれたからどうにかやり遂げれたけど、今回は大丈夫だよね?そうそう曲が被ることなんてないと思うし……。

って、それよりもダンス部ってあったんだね。見学のときは気が向いたままに見て回っただけだったから見逃しちゃってたのかな?まぁ、それよりもダンス部所属の人って誰なんだろって思って周りを見渡そうとしたところで


「やってくれるわよね?委員長?」


って真琴はいつも以上にいい笑顔で委員長―宇佐美さんに話しかけていたんだ。

実際だと大賞を取る出し物って毎年全然違いますよね。

後、他のクラスから出し物で喫茶店などにしてくれと頼まれていた理由は主に京との触れ合いの場を作ってくれということです。京は人見知り故に余り話したことがない人との接触は出来るだけ避けようとしてしまうので……。

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