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神様によるペナルティ  作者: ずごろん
第二章 一学期編
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50話 第3のペナルティ①

【追記】話の流れにあわせてタイトルを変更しました。

「京ちゃんまたにらめっこしてるの?そんなに見続けても何も変わらないわよ?」


「いや、そうは言うけどさぁ……」


僕はかれこれ1()()()気持ちの整理が出来ずにいるものを手に持ちながら何度目かわからない溜息を吐いたのであった。


「何を京ちゃんは悩んでるのかしらねぇ……。そんなにそれを着るのが嫌なの?」


「嫌なのかって……。僕は男なんだよ?こんなの着るのおかしいじゃない」


そう、今僕が持っているのは女子用の水着なんだ。しかも所謂旧スクって呼ばれているやつなんだよね。僕の学校は中間テストが終わった後の体育が水泳で、本当はもっと早く着ていたはずなんだけど、体育祭で倒れたのもあって丘神先生から2週間は出来るだけ安静にしているようにと言われて見学していたんだ。それでその次の週についに参加出来るって思っていたんだけど、ちょうどあれが被っちゃって見学したんだ。僕としてはあれが来るのは未だに慣れないし、認めたくはないんだけどね……。来るたびに男の子としての僕がいなくなってしまいそうな気がするし……。それはともかく、そんなこともあって何だかんだ1ヶ月もの期間が経過してからついに水泳の授業に参加出来るようになったんだよね。泳ぐことは好きだから嬉しいんだけど……、嬉しいんだけどっ!!この水着を着ないといけないのが……。そう思いながら何度見ても形が変わらない水着を見て、改めて溜息を吐いていると


「ハァ~……。もう何回も言ってるのに聞いてくれないから最近言ってなかったんだけど……、京ちゃんは女の子なんだから全然おかしくなんてないのよ?下着もそうだったし、スカートもそうだったでしょ?」


お母さんも僕の真似したかのような溜息を吐きながらそう言ってきたんだよね。でも……


「いや、そうなんだけどね?でもこれを着ると何かが失っちゃう気がするんだよね……」


やっぱり抵抗がある僕がそう愚痴をこぼすと


「もう今更って感じじゃない?真琴ちゃんや優花ちゃんとはお風呂まで一緒に入ったんでしょ?もう何も恥ずかしいことなんてないじゃない?」


「いや、恥ずかしいとかじゃなくてね?上手く表現出来ないんだけど……」


少し僕が思っているのとはズレているから訂正しようとしたんだけど、結局上手く言葉にすることが出来なくて言いよどんでいると


「……まぁ、思い悩むのは京ちゃんの勝手だけど、明日には着ないといけないんだし、一度くらいは着ておきなさいよ?いざ着るときになって前後反対に着ていたなんてなったら目も当てられないからね」


そう言い残してお母さんは部屋を出て行ったんだ。

……確かにどうせ明日には着ないといけないことだもんね……。も、もしかしたらいざ着てみたらなんてことないかもしれないしね?よし、そう思ったら実行あるのみ。男は度胸だ!

そう思い僕は着ている服のボタンを外し始めたのであった。


…………

……


何となくいつもより重い手を動かしながらなんとか服を脱ぎ終わり、いざ下着を脱ごうとしたところで


「京が水着だと聞い「うわぁぁっ!?」うぉっ!?」


修兄がいきなり部屋に入ってきたんだよね。そのことに驚いた僕は思わず大声を出しながら急いで脱いだ服を手繰り寄せたんだ。それで出来るだけ修兄に下着が見えないように服で隠しながら顔を真っ赤にして修兄を睨んでいると


「いや……、その……、なんだ。すまなかった。まさかまだ着替え中だと思わなかったんだ……」


修兄は素で僕に謝ってきたんだよね。でも、いつまで経っても部屋を出て行ってくれる様子がなかったから思わず


「わかったから、早く出て行ってよ!!」


って叫ぶと修兄は「はいっ!!ごめんなさいっ!!」って言いながら部屋を出て行ってくれたんだよね。


そこで力が抜けた僕は思わず座り込み、ホッと一息ついたところで今の動きが完全に女の子だったことに思い至り、1人自己嫌悪に陥っていると


「京ちゃん、ちゃんと着替えるときくらいは部屋の鍵をかけておきなさいよ……って、あら?まだその格好のままなの?」


お母さんが部屋に入ってきて僕に話しかけてきたんだよね。そういえば僕まだ下着姿のままだった……。改めて水着に着替えるか、もう諦めて服を着直すか考えていたんだけど


「あれ?修兄は?」


今すぐまた入ってこられたら困るけど、さっき出て行った修兄をお母さんが怒っていると思っていた僕はお母さんにそう尋ねると


「修矢の今回の行動はさすがに許されることじゃないから巌さんに怒ってもらっているわ。私が言うよりも巌さんに言われた方が修矢も反省するでしょうしね」


っていう答えが返ってきたんだ。修兄は今父さんに怒られているのか……。僕がこの姿になってから僕の前ではその面影もなくなっちゃったけど、身体が男だったときは父さんはかなり怖かったんだよね。僕がいないところで怒られているということはかなり厳しく怒られているんだろうなぁ。少し同情しそうになったけど、いきなり僕の部屋に入ってきた修兄が悪いんだし、これに懲りて僕の部屋に入ってくるときはせめてノックをしてから入ってきてくれるようになってくれたらいいんだけどね。そんなことを考えていると


「それにしても……」


お母さんがそう声をかけてきて、お母さんの方を向くとお母さんはすごいニヤニヤしながら


「さっきの動作、どう見ても女の子だったわよ?いやぁ、京ちゃんは嫌だ嫌だ言いながらしっかり女の子をしててお母さん安心したわぁ♪」


そう言ってきたんだ。ついさっき自己嫌悪に陥ったところをピンポイントで突かれた僕はゲンナリしながら


「そこは僕も自己嫌悪してたから突っ込まないで……」


とだけ返したのであった。

そこで会話が途切れたんだけど、お母さんは全然部屋を出て行こうとしなかったんだよね。何でだろうと思ってお母さんの方を見ると


「それで?修矢のせいで有耶無耶になっちゃってるけど、京ちゃんは結局どうする?今から水着を着るか、後で着るか」


お母さんは僕にそう尋ねてきたんだよね。

どうしようか迷っていたんだけど、やっぱり一度は着ておきたかったから


「う~ん……。一応着るつもりだよ?ここまで脱いじゃってるし……」


そう答えるとお母さんは笑みを浮かべたんだ。非常に嫌な予感がした僕は


「1人で着替えられるから大じょ……「お母さんが手伝ってあげましょうか?」いや、だから……「手伝ってあげましょうか?」……」


断ろうとしたんだけど、無理矢理押し切ろうとしてきたんだよね。でも、ここで押し切られたら何されるかわかったものじゃないと思った僕は


「いや、本当にいらないって。ただこれを着るだけでしょ?」


そうお母さんに言ったんだけど、お母さんは呆れたような表情をしながら


「確かにただ着るだけならそれでいいけど、ちゃんと着方を気をつけないと股ズレとか怒っちゃって危ないわよ?」


「え?そ、そうなの……?」


お母さんが怖いことを言ってくるからおっかなびっくり聞き返すと


「えぇ。それも京ちゃん1人でも大丈夫ってことならお母さんは出て行くけど、本当に大丈夫なの?」


「うっ……」


真剣な表情で返され、不安になってきた僕は思わず唸ってから


「そ、それじゃあお願いします……」


って言葉を言ってしまったんだ。

その言葉を聞いたお母さんは満面の笑みを浮かべてながら僕に迫ってきて、


「えぇ、もちろん。それじゃあ……」


と説明をしながら本当に手取り足取り水着の着方を教えられたのであった。


そして一通り水着の着方を教えてもらった?後、お母さんから股ズレは滅多に起こることじゃないし、起きるときはどれだけ気をつけていても起こるからこの説明は本当はいらなかったと言われてまたからかわれていたとわかった僕はお母さんを部屋から追い出した後、また溜息を1つついていたのであった……。

はい、今回から水着回です。

まぁ、まだ学校にすら行ってませんが……(・ω・`)


今回はあまり読み直していませんので、後日読み直して見つけた部分は改めて修正します。

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