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神様によるペナルティ  作者: ずごろん
第二章 一学期編
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34話 GW【前半】⑥

「た、対一般人用の秘密兵器?」


対一般人用って何!?他に努力するところがあった気がするんだけど……。最初からあまり目立たないところに置くとかさ……。


そう思いながら、新しく出てきた本棚を見てみると、優花ちゃんが対一般人用って言った意味がわかったんだ。そこには


「す、すごい……。参考書とか普通(・・)の小説がちゃんとある……」


それに、さっきは本当に本で埋め尽くされていたんだけど、こっちの本棚はちゃんとぬいぐるみとかの小物を置いたりしているんだよね。だけど……


「……これはマズいんじゃないかなぁ?」


置いてあるぬいぐるみの中で、アニメに出てきていたキャラのがあったんだよね。一番重要なところを言わずに誓約をかわそうとするキャラだったんだけど。これってアウトだよね?


「ねぇ、優花ちゃん?これはダメじゃない?」


そう言って、そのキャラを指差すと


「…………もし、指摘されることがあれば、UFOキャッチャーで偶然目にとまって、可愛かったから取っただけで、そういうのだとは知らなかったって言えば問題ありません」


いや、それで誤魔化せてるわけじゃないからね?その誤魔化し方は分かる人には分かると思うし……。それに、次また来たときに、まだ飾ってるじゃないって指摘があったらどうするんだろうね?


「そ、そうなんだ……。それで、これからどうす「そんなの決まってるじゃない!!」……る……?」


まぁ、それは優花ちゃんのことだろうし、何か対策はしてあるんだろうと重い、もうその話は終わりって感じに今から何をするのかを尋ねようとしたら、真琴が遮ってきたんだよね。


「決まってるって?」


何をするのかは大体予想がついているけど、あえて真琴にそう尋ねると


「そりゃあゲームに決まってるでしょ!朝の約束を果たす時が来たのだぁっ!!」


「ですよねー……」


真琴からは予想通りの答えが返ってきたんだよね。やっぱり覚えてるよね……。僕としては忘れていて欲しかったんだけど……。べ、別に勝負をしたら負けるからとかじゃないんだからっ!!万が一の可能性も無いことに越したことがないだけなんだからっ!!


「それで?どのゲームにするの?」


「えっとねぇ……。ブリーズブラウって格闘ゲームなんだど……、やっぱりないよ「ありますよ?」ね……って、え?」


なんで持っているの?僕がそのゲームって指定しておいて言うのはなんだけど、やっぱり男の子の方が持っている割合が多いゲームだと思うんだけど……。

僕が不思議そうな顔をしていると、


「だって、このゲームは声優の方が有名な人が多いではないですか?好きな声優が多かったので、買ったんですよ」


「そ、そうなんだ……」


「それよりも、さっさとやりましょうよ!」


「そうですね、それでは準備しますか」


僕としては、もうちょっと優花ちゃんとそっち系の話をしたかったんだけど、痺れを切らした真琴がそう切り出して、準備を始めたんだよね。まぁ、やっぱりわからない話されてたら面白くないもんね。

そうしているうちに、準備が終わったっぽくて、ゲーム音が聞こえ始め


「よぉし、それじゃあ、さっさとやるわよ!ルールはどうする?」


「ルール?」


すぐに始めるのかと思っていたら、真琴がそう聞いてきたから聞き返すと


「ほら、1回勝負だったら味気ないじゃない?だから何本先取にするか決めようって話よ」


「あぁ、なるほど……」


確かに1回だけじゃあれだもんね……。それに、それだけだとどっちが強いかとかもわからないもんね。やっぱりハッキリさせないとね


「それじゃあ、3回勝負の2本先取でどうかな?」


「あら?てっきり5回だと思っていたけど……、まぁいいわ。優花もそれでいいわね?」


「えぇ、私も異論はありません。それでは京さん。どちらから戦いますか?」


「う~ん、それじゃあ、持ち主の優花ちゃんからお願いしようかな?」


「ふふっ。わかりました。お手柔らかにお願いしますね」


「こちらこそ!」


絶対に、負けないんだからっ!!


…………

……


『LIMIT OVER FINISH !!』


「ま、負けた……」


「ふぅ。とりあえず、これでこちら側が王手ですね」


そう優花ちゃんはしたり顔をしながら言ってきた。うぅ、まさかここまで強いとは……。1戦目はどれくらい強いのかなって様子見程度のつもりでいったら、ボロ負けしたんだよね。気を取り直して、2戦目は全力の全力で挑んだんだけど、結局最後は倒されてしまったんだよね……。しかも『LIMIT OVER』っていう一定時間自身を強化するシステムがあって、それで残るだろうって思っていた体力をキッチリ削りきられちゃったんだよね……。


「ま、まだ真琴が残っているし!!」


「ふふん?そんなことを言っていられるのも今のうちよ?」


「絶対負けないんだからっ!!」


…………

……


『SUPERNOVA FINISH !!』


「…………」


「まぁ、当然の結果ね」


ついに一撃必殺技を決められてしまった……。今回は最初から全力でいったのに、1戦目も2戦目も全然歯が立たなかったよ……。真琴が使ったキャラは確かに一撃技をコンボに組み込めるキャラだけど、実戦ではかなり難しいキャラなはずなのに……。まぁ、それを決められる僕も僕なんだけどね……。


「よし、それじゃあ約束通り……」

「明後日はスカートでお願いしますね」


「う、うん……」


ハァ……。すごく嫌だけど、約束は約束だもんね……。スカートかぁ……。いや、でも確かロングのスカートがあったはずだから、それで中にショートパンツでも穿けば見た目はスカート履いてるけど、中は全然気にならはくなるはず!!

よし、これで約束を守りつつ、僕の精神的にも大丈夫になるは……


「あっ、そうそう。京の服はあたし達が決めるから」


「えっ!?なんで!?」


僕なりに自己解決が出来たと思った矢先、真琴がそう言い出してきたんだ。想定の範囲のことじゃなかったから、思わずビックリしながら聞き返すと


「なんでって……。だって、ねぇ」

「えぇ、京さんのことですから、ロングスカートの中にショートパンツを穿いて誤魔化そうとしていたでしょう?」


「うっ……」


「……その反応からして、図星だったみたいね……。というわけで、明日あたし達は京の家に行くから。優花、任せた!」


「はい。任せて下さい」


完全に思考を読まれて怯んでいる間に真琴達がそういうと、優花ちゃんがどこかにメールを送っていたんだよね。どこに送っているんだろうって思っていると、僕の携帯が鳴ったんだ。何事かと思って確認すると、お母さんからメールが来ていて、内容を見てみると


――――――――――――――――――――――――――――――――――――

件名:明日のこと


~本文~

明日、真琴ちゃんと優花ちゃんが京ちゃんをコーディネートするために(うち)に来てくれるんですってね!?京ちゃんが女の子のお友達を連れてきてくれるなんて、お母さん嬉しいわぁ。あっ、優花ちゃんにはメールでも書いておいたんだけど、京ちゃんからも手ぶらでいいって伝えておいてね。それじゃあ、明日楽しみにしてるわ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――


って内容だって僕は唖然としていた。何で……


「何で優花ちゃんとお母さんが連絡を取り合ってるの……!?」


衝撃の新事実に思わず聞くと


「それは、京さんの体調的な問題があるからですよ」

「万が一、体調が悪くなったときにはすぐに京のお母さんに連絡を取れるようにしておかないとダメでしょ?」


って、2人から返ってきた。いや、確かにそういうこともあるかもしれないけどさ。それでも、そういうのって、本当に緊急のとき以外使わないものじゃないの!?


「まぁ、細かいことはいいじゃない。それよりもこれからどうする?」

「そうですね……。まだ続けますか?」


そう言って話を変えようとして、僕の方を見てくる2人。追求したところでちゃんと答えてくれないだろうと思った僕は


「うん。全然したりないしね!」


そう返したのであった。それに、負けっぱなしはおもしろくないもんね!!



………………

…………

……





「やっと、2人に勝てたぁ!!」


そう言って僕は後ろにそのまま倒れこんだ。


「しまったぁ……。全勝逃げ切りをするつもりだったのに……」


「さすがに、それは厳しいですよ……。って、あら?」


「ん?どうしたのよ、優花?……って、あぁ」


2人が納得している先を見ると、そこには

後ろに倒れこんだ姿のまま寝ている京の姿があった。


「体力使い切るまで遊ぶなんて子供かっ!!」


「まぁ、いいじゃないですか。すごくいい寝顔じゃないですか。余程嬉しかったんですよ」


「ハァ……。仕方ないわね……。中山君との関係をあることないこと全部聞こうと思っていたのに」


「まぁ、それは明日にも時間があることですし、今はいいじゃないですか。それよりも、これからどうします?時間的にもいい時間だと思いますが……」


「そうね……。京がここまで負けず嫌いだったのは予想外だったってのもあるけど、大分遅い時間だもんね……。仕方ない、今日は寝るとしますか!」


「そうですね。折角京さんが無防備に寝ていることですし、私達の好きなように寝ますか」


そう言って、優花が真琴にしようとしていることを耳打ちすると


「それは確かに面白そうね。京が目覚めた時に目を白黒させて驚いてる姿を想像するだけでもおもしろそうだわ」


真琴も了承し、すぐにそれは決行された。全員のポジションに納得がいった2人は


「それでは、寝るとしましょうか」


「えぇ、おやすみなさい」


「おやすみなさい」


そう言って、部屋の灯りか消されて暗くなり、1日目が終了したのであった。

まぁ、負けますよね。


予想外に文が伸びてしまって、後1話はかかることに……。後1・2話ってしておいてよかった……(・ω・`)


何か誤字脱字報告・意見等々ありましたら、コメント欄に残していっていただけたなら幸いです。

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