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神様によるペナルティ  作者: ずごろん
第二章 一学期編
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16話 仮入部体験(仮)③

【追記】 話数ミスを修正。そろそろ気をつけないと……

「ところで……」


「ん?」


僕は後ろを振り返りながら


「ん?じゃないよ!どうして健吾がいるの?」


どのクラブから行くか真琴たちと相談しながら歩いている途中でいつの間にか一緒にいた健吾に声をかけた。まぁ、空元君と違って気配っていうべきなのかな?何となく健吾がいるってすぐにわかったんだけどね


「あぁ、そりゃあ俺もクラブ見てまわるつもりだったからな。それで、丁度教室を出たときにおまえらが見えたから便乗しようと思っただけさ」


そう言って健吾はおどけてみせてきたけど、僕が言いたいことはそうじゃなくて


「い、いや、そうじゃなくてね?健吾は自分のクラスの友達と一緒にまわらなくてもいいの?」


「んー、まぁ俺のまわりの連中は運動系まわるって言ってたしな。俺はそのつもりがなかったから1人でまわるところだったんだよ。だからもしかしたらあいつらは小野と会ってるかもな」


「え?そうなの?健吾は運動も得意だし、てっきり運動系に入るものだと思ってたよ」


「俺も中学を卒業するときはそのつもりだったんだがな。高校に入る時に文科系も悪くないかなぁって思ってな」


「へぇ~、そうなんだ」


ある意味真逆っていえる方向性なんだけど、何か心境の変化でもあったのかな?もしかして高校デビューするつもりだったりして?あ、でも、高校デビューするなら運動系の方がいいはずだよね?うーん……。あ、小野君は健吾が言ったんだけど、運動系をまわるみたいで、僕達とは教室を出たところで別れてたんだよね。


僕達のやり取りを聞いていた真琴と優花ちゃんが何か納得した顔をしながら


「ふーん……、ただ悪くないって思っただけなのかしらねぇ」

「そうですねぇ、まぁそのことについては後日にお話するとして、早く行きましょうか」


「そうね」って真琴が言って優花ちゃんと一緒に歩き始めた。健吾も「しまった……」って小声で言いながら心なしか肩を落としながらその後をついていった。今のやりとりにはどういう意味があったんだろ?ちょっと考えたけど、結局わからなかった僕は皆において行かれないように少し小走りで健吾たちを追いかけたのであった。


まぁ、追いかけようとしてまたコケちゃったことについてはもう言わなくてもいいよね、ぐすん……


…………

……


「そういや、京。今日は大丈夫なのか?弁当を作ってもらっておいてなんなんだが……」


「うん。あんまりよくはないのはわかってるんだけど、お昼からの授業で眠ってたから大丈夫だよ?」


「うん?大丈夫ってどういうことなの?昨日何かあったのかしら?」


「あぁ、昨日篠宮さんと別れた後にな……」


「ちょっ、健吾それはっ!「優花」んー!んー!」


何かこの流れ、1回見たよ!優花ちゃんもごめんなさいねって言うんだったら放してよ!!


「これで、邪魔するものはいなくなったわね。それじゃあ詳しく教えてもらおうかしら♪」


「お、おう。昨日分かれた後にな……」


そうして健吾は真琴たちに昨日の帰りの出来事を話してしまったのであった。お弁当を条件に言わない約束じゃなかったの!?この裏切り者ー!


…………

……


「なるほどねぇ。やっぱりお昼のときのは嘘だったわけね」


「え!?気付いてたの!?」


「京が嘘をつけない性格っていうくらいにはわかりやすかったわよ?嘘ってバレないように頑張ってる京はすごく可愛かったから追求しなかったのよ」


したり顔で言ってくる真琴の言葉が本当かどうかを確認するために、優花ちゃんの方を見たんだけど、視線を逸らされちゃった……。僕ってそんなに顔に出るのかな……


「余り気にしすぎない方がいいと思いますよ?素直ということは長所だと思いますしね」


優花ちゃん……。それって裏を返すと単純ってことだよね?僕だってそれくらいはわかるんだからね!!それにしても、昨日から思っていたんだけど、優花ちゃんって毒舌だったりするのかな?


僕がそんな考えをしていたのが優花ちゃんに伝わったのか、少し焦った様子で


「ま、まぁ。私も真琴も少しそういうことに機敏なところがあるから気付いただけで、他の方なら気付かなかったと思いますよ?そ、それよりほら、1つ目が見えてきましたよ」


そう言いながら、優花ちゃんが指差した方向には新入生歓迎と書いてある部屋があった。……優花ちゃん、今露骨に話逸らしたよね?まぁ、それは追々追求するとして、一体何部なのかを見てみると……


「生物……部……?」


え、えっと……?生物部ってことはやっぱり何か飼育しているのかな?

皆も同じことを考えていたみたいで


「え、え~っと?やっぱり名前の通りでいいのかしら?」

「恐らくそうだと思いますが……、それ以上は想像出来ませんね」

「そうだな、まぁ入ってみたら何かはわかるだろうし、入ってみるか」


健吾がそう言ってから再び歩きだし始め、了承の言葉を返した真琴と優花ちゃんも健吾に続いた。

あ、やっぱり皆分かっていないみたいだね。そのことにホッとため息をついた僕は皆に続くように生物部の部室に向かったのであった。


…………

……


「は~い、いらっしゃ~い。あなた達、新入生ね?生物部によく来てくれたわぁ~」


って、()の部員と思われる人が話しかけてきた


「…………すいません、部屋を間違えました」


何か関わってはいけない感じがした僕はすぐに踵を返そうとした。


「あらあら?逃がさないわよぉ~?それにここは生物部だから間違ってないはずよ」


しかし、回り込まれてしまった!!


「別に怪しい部活じゃないのよ?ただ、わたしが()()()()だけ他の人と違うってだけで、ここに来てくれた子がすぐに帰っちゃうのよ。ほんとやになっちゃうわぁ」


そう言ってシナ(・・)をつくる部員さん、正直に言って気持ち悪すぎるから止めて欲しいよぅ。それにちょっとなわけないんだけど……


「折角、()になってる子が来てくれたのだしね。ぜひ入部してもらいものだわ」


そう言って僕の方を見てくる部員さん。え?な、なに?僕って噂になってるの!?い、いや、まさかねぇ。さすがに自意識過剰だよね?


僕が戸惑っていると、健吾が先輩の視線を遮る様に一歩前に出て


「すいません。京をそういう風に見るのは止めてもらえませんか。それが出来ないなら無理矢理にでも帰らせてもらいます」


って言っていた。え?何、健吾かっこいい!ってそうじゃなくて!!

そう言われた部員さんもスッと眼を細めて


「へぇ~?それはつまり暴力沙汰になっても構わないってことなのかしら?」


って言っきちゃってるよ……。そんな一触即発みたいな雰囲気になってるのに


「えぇ、あんた次第じゃ止むを得ないですね」


って健吾が返答しちゃってるし……。それで、ついに殴りかかってもおかしくないって感じになったときに、急に部員さんが破顔して


「冗談よ?じょ・う・だ・ん♪もう、あなたかっこいいわねぇ。京さんだったかしら?ごめんなさいね?聞いていたよりもずっと可愛かったからつい私欲が働いちゃった」


そう言って僕に頭を下げる部員さん。え、えと?色々と展開についていけないんだけど……


状況が飲み込めずにあたふたしていると、頭を上げた部員さんが


「つまりね、あなたがとても可愛らしいから、つい私利私欲が働いちゃって、それであなたの彼氏さんを怒らせちゃったのよ。ウフフ、素敵なナイトさんね?しっかり捕まえておきなさいよ?あぁ、わたしのところにもこないかしら」


って補足してくれたんだけど


「ぼ、僕と健吾はそんなんじゃないから!!!」


何で皆、すぐに僕と健吾が付き合ってるみたいなこと言ってくるの!?健吾も健吾で「俺も離れる気は毛頭ない」って満更でもない顔で言わないでよ!!

……ハァ、何かこのことが一番疲れる気がするよぅ


「あら?そうなの?もう2人の雰囲気からして、てっきりそういうものだと思っていたのだけれども……」


「そうですよね!あたしも最初は絶対にこの2人は付き合ってるって思っていたんですけど、どれだけ追求しても絶対否定してくるし……」


「それなのに京さんったら、今日は中山君にお弁当を作っているんですよね……。私もお二方が付き合ってるかどうか気になるところなんです」


今まで静観していた真琴と優花ちゃんも会話に加わってきた。それで、3人がこっちを見ながら


「「「つまるところ、どうなの?」」」


って聞いてきたから、僕は


「だから違うって言ってるでしょ!」


って、顔を真っ赤にしながら叫んだのであった。


…………

……


「改めて自己紹介させてもらうわね。わたしの名前は村居剛(むらいつよし)っていうの。学年は2年だから、あなた達の1つ上ね」


そういって、部員さん、村居さんは自己紹介してくれた。剛って……、すごい強そうなのに、こんな性格になっちゃって、親御さん悲しんでるだろうなぁ。まぁ、どう育つかは本人の自由だと思うけどね……


そのことを顔に出さないように極力気をつけながら僕は自己紹介し、健吾たちも僕に続くように自己紹介をしていったんだけど


「……なるほどねぇ、それで?あなた達の後ろにいる彼は自己紹介してくれないのかしら?」


そう言って、村居さんが指差したところを見ると


「あ、あれ?空元君、いたんだ……」


全然会話に参加してこなかったからすっかり忘れてたや……。思わずボソってそんなこと言っちゃったけど、空元君はそんなことを気にする様子もなく、眼鏡に指を当てながら


「ボクに気付くとは……、先輩中々やるッスね。ボクの名前は空元正樹ッス。よろしくッス」


って言っていた。いや、かっこつけようとしてるのかもしれないけど、口元が笑ってるからかっこつけれてないよ?それに、気付いてほしかったんだったら、もっと会話に参加してくれればいいのに……


「えぇ、よろしくね。それじゃあ全員の自己紹介が済んだことだし、改めて部の紹介をさせてもらうわね」


その言葉に頷いた僕たちに村居さんは満足した顔で紹介し始めたんだけど、飼育している生物の説明が1匹1匹長いのなんの……。すごく愛しているのはわかるんだけど、もうちょっと簡単に説明して欲しかったなぁ。半分くらい意味がわからなかったし……


そうして、村居さんの説明が終わるころには空の色も大分暗くなってきていたのであった……





………………

…………

……







「それじゃあ、もしよかったらまた来てね?あなた達ならいつでも歓迎するわ~」


という言葉をもらいながら僕たちは村居さんと別れ、さすがに疲れたのでそのまま帰宅したのであった。


次の日からも色々な部活を回ったんだけど、イマイチピンとするものがなくてどの部活にも入らなかったのはまた別の話ということで。


そうして部活動めぐりをしている間に最初の1週間が終わり、高校生としての初めての休日を迎えるのであった。


結局この1週間、自転車登録するのを忘れてしまい、この日のお礼も兼ねて、健吾の分のお弁当も作ったのであった……。べ、別に他意があったわけじゃないんだからねっ!今週で終わりなんだからっ!!

やっぱりタイトル詐欺だったかもしれない(・ω・`)


あ、省略した他のクラブの入部体験のお話は希望があればするって感じにするつもりですので、もしするとしても2章のラストのところです。


もし、何か誤字脱字報告・意見等々ありましたら、コメント欄に残していっていただけたなら幸いです

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