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神様によるペナルティ  作者: ずごろん
第六章 三学期編
209/217

1人きりの部屋の中2

彩矢、本当にいなくなっちゃんだね。


彩矢が残してくれた手紙の通り、健吾は彩矢のことを思い出したよ。彩矢の手紙の通りだったら、神様に会えたからってことだけど、どうやって会えたのかな?


それにしても……、彩矢は彩矢なりに僕に気を使ってくれたんだろうけど、やっぱり最後に一言欲しかったなぁ……。


でも、それだとどうして彩矢がいなくならなくちゃいけないんだって言って、彩矢に迷惑を掛けちゃっていただろうなぁ。


だからこそ、僕が寝てから健吾に電話をしたのかも。僕ももし最後に誰の声を聞きたいかって言われると健吾だもん。


ふふふ……、そう思うと、彩矢と僕って本当に似た者同士だったね。だからこそ、ずっと落ち込んでいる方が彩矢も悲しむのもわかっちゃう。


だからこそ、手紙にはあのように書いていてくれたんだよね。


……うん。まだ気持ちの切替は完全に出来てはいないけど、健吾と話すまでは全く出来なさそうだったけど、今なら部屋の外にも出られそうだよ。それに健吾の気持ちに応える覚悟も……。


まずはお母さんに謝らないとね。彩矢がいなくなった日からずっと元気づけようとしてくれていたし、父さんや修兄が僕の部屋に強引に入ろうとしていたのを止めてくれていたみたいだし。


それと、これは僕の決意としてなんだけど、月曜日までにしておきたいことがあるんだ。やっぱり僕よりも彩矢の方が似合っていたと思うから、僕に似合う形にしないと。


そのためにも、まずはお母さんに謝って相談しないとだね。下手な謝り方だとお母さんが許してくれないかもだから、しっかり考えないと。


僕は久しく使っていなかった頭をフル回転させてお母さんに言う言葉を考え始めたのであった。

京へ


この手紙を読んでいるということは、もう私は貴女と一緒に居ないでしょう。


私はそもそも、あの人から貴女へ向けてのペナルティとして生まれた存在です。だからこそ、あの人の思惑から外れたことばかりしていた私はあの人は許さないでしょう。


そして、私が消えるとき、健吾さんの記憶から私のことが消されているでしょう。


もし、健吾さんが私のことを知らない素振りをしたら、この手紙に書いてあることは真実だと思ってください。


ただ、健吾さんのことを信じてください。彼なら、きっとどうにかして私のことを思い出してくださるでしょう。


私のことを知らないと、彼が言った後日に、彼が再び私の話をしたとき、それは彼があの人に会って私の事を思い出したときです。


こうして、手紙にも残していますが、優しい貴女のことです。私が居なくなったことにかな仕込んで塞ぎ込んでしまっているでしょうね。


ですが、それも彼が私のことを思い出すまでの間にしてください。


私は断じて、京に殻の中に閉じこもって欲しくてこのような手紙を残しているのではありません。


そのような時間があるのならば、私の分まで彼と一緒に居てください。


今までは私の彼への気持ちに気を使ってくださいましたが、これからはどうか貴女自身の気持ちと向き合ってください。


どうか彼とお幸せに。


彩矢

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