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神様によるペナルティ  作者: ずごろん
第五章 冬休み編
198/217

章間㉝-2 最後の刻②

この話は分けたかったので、分けました。

当日中に2話投稿していますので、前話がまだの方は、前からお読みください。

Trrrr……。Trrrr……。


どうか出てくれますように……。

そう願いを込めながら、携帯を耳に当てながらコール音を聞いていると、


『もしもし、どうした? こんな時間に珍しいな』


まだ起きていていていただけていたらしく、電話を出てくれました。


「今、少しよろしいでしょうか」


電話に出ていただけたということは、恐らく大丈夫だとは思いますが、念のため確認をとると、


『あぁ、大丈夫……って、彩矢か?』


彼はすぐに京ではなく、彩矢()であることに気付いてくれて、そう聞き返してきました。


「はい。そうです」


なのでそれに肯定で返すと


『そうか。それにしてもどうしたんだ? 普段の京なら寝てる時間だろ?』


夜分に電話を掛けたことに疑問を思ったのか、そう聞いてきました。


「はい、京なら寝ていますよ。―――――」


『そうか。それとごめん、後半聞き取れなかったから、もう一度言ってくれないか?』


「いえ、特に用事があるというわけではありませんが、健吾さんの声を聞きたくなってしまいまして」


やはり無理でしたか……。先ほど自分自身で試したことでしたが、例のことになると誰も認識出来なくなるようです。確認も改めてすることが出来まいたので、私は予め用意していた別の理由を伝えました。健吾さんの声を聞きたいということは嘘ではないですしね。


『ははっ! なんだそれ? 俺でよかったら全然良いぜ。今暇してたとこだし』


そんなことを考えていると、無事健吾さんから了承をいただくことが出来ました。ただ……


「ならよかったです。では、どんな話をしましょうか?」


健吾さんに電話を掛けようと思い実行しましたが、それ以上のことを考えていなかった私は思わずそう聞き返すと


『おいおい。本当に俺の声が聞きたくなっただけってか? そうだな……。今日の初詣は楽しかったか?』


健吾さんはもう一度笑った後、今日の初詣について聞いてきました。


「はい……、楽しかったです。自分の足で色々と観て回ることも出来ましたし」


もう……出来そうにないですが……


『ならいいんだが……。彩矢は終始京のことを気にかけていただろ? だから心から本当に楽しめたのか気になってな』


「それは……大丈夫ですよ。先ほども言いましたが……、自分の足であのように観て回るということが出来たのですから」


『ならよかったよ。実は篠宮さんたちのことを気にしすぎて、楽しめてなかったんじゃないかって不安だったんだ。次に会ったときにでも聞こうと思っていたんだが、丁度良いタイミングだと思ってな』


本当に……、この人は……


「ありがとう……ございます。すみません……、少し眠くなってきました……」


『いや、いいよ。彩矢も普段は寝てる時間だろ?』


「すみません……」


『構わないさ。それじゃあお休み』


「はい……。お休みなさい……」


「…………京を……、お願いします」



<最後の刻 END>

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