77話 悪夢の始まり②
少し前の話で藤林の名前が藤岡になっていたりしていました……。
混乱させてしまいすみません(・ω・`)
私がわかっている限り、すべて藤林へと修正しました。
前回のダイジェスト
京が海老菜につかまり、襲われた原因が逆恨みと判明。
それを言い返したところ、海老菜が逆ギレし、藤林に好きなように
してもいいと言って後ろへ下がって、変わりに藤林が京の前へと
きた。さて、京の運命はいかに。
また、今回も引き続きR15指定の内容がはっている(はず)ですので、
次回にもダイジェストを書きますので、苦手な方は飛ばしてください。
「いいこと、しようじゃん?」
そう言いながら近づいてくる藤林君に得体の知れないものを感じた僕は
「い、いやその……あの……」
どうにかして藤林君がこっちに来るのを止めようと、言葉にならない言葉を必死に紡ごうとしていると、
「……はぁ。こういうときは素直に怯えてくれた方が可愛げあるじゃん?前から思っていたけど、京ちゃんって肝心なところで女っぽくないじゃん。だから――」
溜息をついて、丁度僕との距離を半分詰めたところで足を止めたんだ。もしかして、女っぽくないことをしたおかげで気力がなくなって、何もされずに帰ってくれるかも!?と淡い期待を抱いていると、
「わからせてやりたくなるじゃん?女とはどういうものなのかをさ?そして俺色に染めてやりたくなるじゃん?」
さっきまで浮かべていたものよりも、さらに醜悪な笑みを浮かべてそう言ってきて、その笑みに僕は思わずビクッとなってしまったんだ。
僕が怯えたことを見た藤林君は
「そうそう。そういう風に怯えていればいいじゃん」
と気分よさげに再び僕の方へと歩いてきたんだ。そして、
「それじゃあ、早速……」
と自身の唇を一舐めするやいなや、僕の胸に手を置いてきたんだ。いきなりそんなことをしてくるもんだから
「うわっ!?ちょっ!?手を離し……てっ!!」
先ほどとはある意味違う意味合いで体ばビクッとなったんだ。だけど、そんなことをされてもくすぐったくて気持ち悪いだけだった僕は少しでも藤林君の手から逃げられるように体を揺らしてから、唯一自由の利く足を上にあげて藤林君のその……金的に向かって蹴りをいれようとしたんだ。金的を蹴られたら痛いということは元々男の僕もよく知っていることだから少し躊躇しかけてしたけど、藤林君の手から逃れるには仕方がないって思って全力で蹴り上げたんだ。
だけど、上半身がまともに動かせない状態の蹴りだったこともあって、藤林君には余裕で避けられてしまったんだ……。
当てることが出来なかったんだけど、抵抗されたことが気に食わなかったみたいで、
「ほんっと、女っぽくないじゃん!?怯えて女っぽくなったと思ったのに胸触られたときの反応が抵抗とか……。しょうがないじゃん。テル、京ちゃんの足を抑えておくじゃん。よかったじゃん?夢にまでみたという京ちゃんの足に触ることが出来てさ?」
「いや、何でそのことを言うかなぁ……。それにこの状況だと全然うれしくないし……」
藤林君が激昂してしまったんだ。それで青木君に僕の足を抑えるように言っていたんだ。そのときに青木君がどうとか言っていたんだけど、足まで拘束されたら本当に何もできなくなってしまう僕は何故か肩を落としながら近づいてくる青木君に
「来ないでっ!!」
って言いながら足をバタつかせて抵抗したんだ。だけど、やっぱり女の身体では力でかなうはずもなく、すぐに抑えつけられちゃったんだ。それでも必死に足を動かそうとしながら
「青木君、離してっ!!」
必死に抵抗したんだけど、
「ごめん……」
やはり青木君は同じ言葉を言うだけだったんだ。僕が抑えつけられたのを見た藤林君は
「京ちゃん諦めるじゃん?京ちゃんに言ってもわからないだろうけど、テルは折角もらえたチャンスを無駄にしてしまったじゃん。だから、今この場では俺の言うことを聞くしかないじゃん」
ニヤニヤしながらどちらかというと青木君の様子を見ながらそう言っていたんだ。言いながら再び近づいてくる藤林君に対して足で抵抗出来なくなった僕は、少しでも拘束が緩むことを期待しながら体を揺らしながら藤林君を睨むと、
「はぁ……。ほんっと京ちゃんって見た目以外可愛げなさすぎるじゃん?何で手足がまともに動かせなくて自分がどんなことされるかわからない状況で悲鳴の一つもあげないじゃん?そういうときは……」
やっぱり反抗的な態度に対してイライラしていたんだ。だけど、ここですべてを諦めたときこそ何をされるかわかったものではないと思った僕はそれでも藤林君を睨むことをやめなかったんだ。すると、藤林君は僕が抵抗をやめないことを察したみたいで、軽く舌打ちをした後、ポケットからナイフを取りだし……、ってナイフ……?
藤林君がおもむろに取り出したものが予想外すぎて目を見開いていると、藤林君は僕の方に向かってナイフを持った手を振ってきたんだ。思わず見開いた目を閉じたんだけど、何も衝撃が来ないことにビクビクしながら恐る恐る目を開くと、
「こうするに限るじゃん。……って、うはぁ、スポーツブラじゃん。ほんっと京ちゃんって色気ねぇじゃん」
藤林君は溜息をつきながらそんなことを僕に言ってきたんだ。何で僕のがスポーツブラって知って……、ってやけに胸の辺りがスース―するような……。そう思って視線を自分の胸の方へと送ると、服が丁度胸が見えるように切り開かれていたんだよね。幸いブラジャーまでは切り開かれていなかったんだけど、それでもブラジャーが露出していることに変わりがないから僕は
「うわっ!?」
って言って急いで手で隠そうとしたんだけど、手が後ろで縛られているから隠すことが出来なかったんだ。それでも何とか少しでも隠せないかと抑えつけられている足を動かそうとしたりしていると、
「うわって……、ないわー。きゃっじゃないとかないわー。……まぁいいじゃん。少しは着痩せしていることも期待していたけど、小さいなら小さいで楽しみ方はあるし全然いいじゃん。それじゃあ、テル。京ちゃんの胸に釘付けになっているのはかまわないけど、しっかり抑えておくじゃん。ことが終わったら変わってやるから暫くの辛抱じゃん」
「い、いや……。そんなつもりじゃ……」
僕の胸へ遠慮なく視線を送っておきながら再び溜息をついた藤林君が同じように僕の胸へ視線を送っていた青木君にそんな言葉を投げかけていたんだ。その後に青木君が視線をそらして何かの言い訳を言っていたみたいなんだけど、そんなことよりも、服を切られ、ブラジャーを露出させられて、手足を拘束させられている状況で、ようやく藤林君の言っていたいいことがどういう意味なのかわかった僕は顔を青く染めたんだ。それで、無遠慮に僕の胸へと手を伸ばしてきた藤林君に
「ひっ……」
思わず悲鳴を上げると、藤林君は伸ばしていた手を一度引っ込めて、
「そうそう!その反応を待ってたじゃんっ!!やっぱりここまで追い込んだらさすがにそういう反応してくれるじゃん!これは楽しみになってきたじゃん!!」
ワザとらしく手を広げて大声でそう言ったんだ。そして、
「さって、それじゃあ楽しみが増えたところでじゃんじゃん行こうじゃん!まずはその色気のないスポーツブラの中にある蕾でも見させてもらおうじゃん」
満面の笑みを浮かべた藤林君は再び僕の胸の方へ手を伸ばしてきたんだ。手が縛られ、足も抑えつけられていてもはやほぼ何も抵抗が出来なくなった僕は
「や、やめて……。誰か……助けて……」
伸びてくる手を見て思わず口からそんな言葉がこぼれたんだ。その言葉は藤林君にも届いていたみたいで、
「ギャハハ!誰もくるわけないじゃん!こんな裏路地、それこそ誰かがこの場所を教えない限り辿り着けるわけないじゃん!京ちゃんもさっさと諦めた方が身のためじゃん。まぁ、諦めなくてもやっちゃうけど!それじゃあ、早速……ギャグヮァッ!?」
下品な笑い方をしながら、さらに僕へ追い討ちをかけるようにここは誰にも来れないことを言ってきたんだ。そして僕の顔がさらに絶望に染まり始めたのを見た藤林君は意気揚々と僕のブラへと手を伸ばしたんだ。そして、ナイフで僕のブラを切ろうとした丁度そのとき、横から何かに藤林君が吹き飛ばされていったんだ。
何が起こったのかわからなかった僕は藤林君が吹き飛ばされた理由を見るべく、顔を上にあげたんだ。するとそこには――
「京には手を出すなって言ったよなぁ。藤林ぃぃぃぃぃっ!!!」
振りぬいたのであろう拳を手元に戻し、倒れこんだ藤林君を睨みつける健吾がいたんだ――。




