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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第457話 錬金術師ススリアの即席ブートキャンプ配信

 バンブーエルフ達を救助した事により、この謎現象の世界から出る方法が見えて来た。バンブーエルフ達が目撃したという、明らかに怪しい、3mはありそうだと言っていた背の高い女。彼女がこの謎現象世界攻略の鍵だろう。

 とりあえず、その背の高い女が目撃されたという、バンブリアの村の中央に向かう事にした。


 ――とここで、問題が発生した。


 私は今回の事件の鍵は、その背の高い女が鍵だと思っている。しかしながら、その3m女が目撃されたのは村の中央なのである。

 この謎現象世界は、私がホテル・イスウッドに作り出した会議室のように、基となった世界の何倍もの広さへと広げられている。

 村の入り口から村の中央までの距離が元々は300mくらいだったのならば、今はその10倍以上の大きさへと広げられているのだ。


「(つまり、村から離れた場所に居た私が、村の中央に行こうと思ったらかなり距離があるという事だ)」


 下手に村から離れていた事が、完全に裏目に出たという感じかな?

 しかも、今はバンブーエルフ達というおまけつきという事だ。体力があり、なおかつビビりで何もかも怯えている。こいつらには静かにするという考え方がないのかって言わんばかりに、なにかバケモノが近くを通ろうとする毎に、ギャーギャーとうるさく喚き散らかしていくのだ。もう、うるさいったらない。


「(私が取れる選択肢は、2つ。そのうちの1つは、先にこちらの世界に迷い込んでいるであろうシュンカトウ騎士団四天王たちを探す事)」


 問題があるとすれば、四天王たちが消えた地点は恐らくは村の中。村の中に行こうとすれば、かなりの遠出となる。彼らと合流しようとすれば、その前にこのめちゃくそにうるさい、バンブーエルフ達の抗議にも近い抵抗によって、邪魔されるという事である。


「(となると、もう1つの方か。まぁ、時間はかかるが、その方が確実という見方もあるし)」


「あの、ススリアさん?」


 私が彼らを見ながらうんうんっと頷いていると、バンブーエルフ達は恐る恐る手をあげて、質問して来る。


「なんでか、悪寒が止まらないんですが……」

「私達、何をするんでしょうか?」

「助けていただけて、大変恐縮ではありますが――」

「この通り、私達は臆病なだけの、ただのエルフですので」


 ほうほう、これに(・・・)気付く(・・・)とは、最低限の戦闘に対する才能はあるみたいだ。まぁ、隠れ里とは言っても、山の中で暮らしているんだ。獣たちと戦う事だってあるだろうし。



「ごほんっ。いまから皆様に、即席ブートキャンプ講座を開講したいと思います」

「「「「即席ブートキャンプ講座?!」」」」



 説明しよう。ブートキャンプとは、新兵訓練術の事。厳しい訓練と、集中的にタフな訓練(トレーニング)をするという意味の言葉である。

 そう、今からするのは、この回復能力がバカ高いバンブーエルフ達の特性を利用した、えぐ過ぎる訓練メニューという事だ。

 しかも、回復能力が高いからという理由で、普通だったら絶対にやらない方が良い、怪我しないのが不可避レベルの訓練である。実際、そこまでのハードトレーニングをしておかないと、短時間で効果が出ませんから。


「大丈夫。この訓練を終える頃には、1人でさっきのバケモノの群れを壊滅させられるレベルにまで育てて見せますから」


 ぶぉんっと、【オーラ】を纏って、私はじりじりとバンブーエルフ達に近付いていく。


「いっ、いや、そんな事は頼んで!」

「助けてもらったのに! 今は逃げたい! 逃げたい!」

「外の人、怖い! おうち、かえる!」

「まっ、ままああああああああああああああ!」


「はい、ではスタートって事で」




 それからの私は、いかに効率よく、なおかつ戦闘訓練を行うかを重視した。テーマは『どんな才能がない人でも一流になれる、才能を使ったクソヤバトレーニング』。

 はい、クソヤバトレーニングというから、普通の人だったらほぼ間違いなく、一発でやられて全治数か月コース確定の超絶ハードトレーニングです。バンブーエルフ達の超凄い回復能力を宛てにしての、戦闘能力を上げるためのトレーニングです。


「(しかし、この回復能力ヤバいな、おい)」


 私は、彼らの回復能力にやはり注目していた。

 骨が折れ、大量の血が流れて、他の種族であたら全治数か月はかかりそうな傷であろうとも、僅か数分のうちに傷が治癒(なお)っていく。もはや異能としか思えないレベルの、それが通常(デフォルト)で備わっている種族。


 まぁ、回復するのは良いんだけれども、普通の人間と違って、回復によって強くならないのだ。


 普通の人間は、負傷したりすると、回復する際に、それ以上の強さになるような構造が組み込まれている。しかしながら、彼らの超回復能力はそれを無視して、ただ回復していくだけ。

 回復と同時に、身体能力も上がるのならもっと効率が良かったのだが、ない以上は仕方がない。


 その事も踏まえて、私はビシバシと、彼らを鍛えに鍛えまくったのであった。

 ……出来れば、この間に、誰かが広場の中央に行って、この謎現象世界を解体してくれると良いなと、そう思いながら。

この話を書く際に、

そう言えば、あのブートキャンプっていつ流行ったのか?って調べました


2005年でした……


うそっ、そんなに前だった?!('◇')ゞ

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