表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

429/458

第429話 ワットとレガリスのブリーフィング配信

 ~~ワット店 レガリス~~


「なんか……凄い緊張します」

「緊張なんて無意味です、もしくは意味があっても分からないだけです」


 どうも、妾はユウレイツノテッポウエビの魚人族レガリス。いきなり模範試合(エキシビションマッチ)とやらで、ワット店長と一緒に料理する事になって驚いているところです。


 大会側からの話によりますと、どうやら妾が快勝しすぎたせいで、ジュールのお店が不安定になっているらしい。だからこそ、「ジュールのお店も良い料理を作りますよ」という事を証明するために、店長と一番弟子の二人組(ペア)での対決をして欲しいと言われたのだそう。

 そう言う訳で、これから1時間後に模範試合として、ワット店長と妾の2人で料理を作ろうという話になったのだけれども、


「(――どうしよう。妾、そこまで料理スキルは高くないんじゃが)」


 妾は、自分の料理スキルがそこまで高い物ではない事を知っているからこそ、どうしようかと悩むのであった。



 妾は、ワット様の一番弟子である事は間違いない。しかしながら、妾は多くの料理人を指揮する事で輝く指導者(リーダー)タイプであり、妾1人ではそれほど調理の力は高くない。

 そもそもユウレイツノテッポウエビという種族は、他者を率いる事には長けているのだけれども、自分1人でなんとかするような者ではない。


「(ワット店長と2人きりでするって事は、他のスタッフに頼んで調理をお願いするって事は出来ない! いったい、どうすれば……)」


 妾がどうしようかと考えていると、ガシッと妾の手首が掴まれる。


「――っ?! ワット店長?!」

「そこまで緊張しなくても良いですよ、レガリス」


 すっと、ワット店長は妾の手を掴む。

 うわぁ、ワット店長のすべすべとした、滑らかな手が! ワット店長の手って、ゴーレムなのに人間の手よりも柔らかくて、なんだか触れていると気持ち良いんですよね。


「レガリス、あなたはユウレイツノテッポウエビの魚人族ですよね。リーダータイプという事は重々承知していますが、あなたの調理スキルも高いと私は思っています。そうでなければ、私があなたを助手として認める訳ないでしょう?」

「わっ、ワット店長! 妾の能力をそこまで高く評価してくれるだなんて……」


 うっ、嬉しい! 一番弟子だと認めてもらうこと以上に、今の言葉の方が何倍も嬉しい!

 私の指導力を認めてくれる人は多くいたけれども、私のチームを評価してくれる事は多かったけれども――私の、私自身の能力を認めてくれる事は、その何倍も嬉しい事なのです! 少なくとも、私にとっては!


「ブリーフィングをしましょう」

「ぶりー……?」

「マスター・ススリアが教えてくれた概念の1つで、簡単な事前打ち合わせの事です。これから作る料理について、簡単に流れを説明しようかと」


 ワット店長はそう言うと、【アイテムボックス】の中から板のようなモノを取り出して、そこに文字を刻んで行く。




「これから私達が作る料理は、トルティージャと呼ばれるオムレツです。卵、ジャガイモ、そして玉ねぎを使った、素朴な料理です」


 そう言いつつ、ワット店長は作業手順について、説明して行く。


「まず、ジャガイモと玉ねぎを食べやすい大きさに切ります。私は玉ねぎ、レガリスはジャガイモを担当してください」

「了解です!」


「続いて、切ったジャガイモと玉ねぎを炒めます。軽く火を通す程度なのですが、ここは私が担当します。その間にレガリス、あなたは卵をかき混ぜておいてください」

「分かりました! その卵は、どう使うんでしょうか?」


「炒めたジャガイモと玉ねぎを、混ぜるのに卵を使います。卵にジャガイモと玉ねぎを入れて、ふっくら焼き上げます。それがトルティージャの基本形となります」

「なっ、なるほど! オムライスの上のオムレツの部分はそれにして、ライスの部分はチキンライスにするという事ですか!」

「えぇ。トルティージャの基本形(・・・)はこうなってます」


 ワット店長はそう告げると、「ここで本題です」と妾にそう真剣な顔立ちで告げる。



「私が提案するのは、トルティージャの基本形。洋食担当である私に、アレンジはあまり得意ではありません。

 ――なので、アレンジはあなたに(・・・・)お任せ(・・・)します(・・・)

「えっ……?」

「この大会では勝利は求めていませんので、私はアイデアだけ提供します。基本的な調理も、私と共にやるので、あなたはアレンジに集中してください」


 そうして、「後は任せた」と、妾に対して重要なアレンジを任せて来ました。

 えっ……ちょっと! その対応は本当に、あまりにもひどいですよ! ワット店長!


 ――つまり今から妾は、今日初めて作る料理を大会で通用するレベルにしろって事?!


 妾自身も、どういう料理なのか食べた事がない、初見の料理にも関わらず?! 食材や調理方法から、どういう味なのかはだいたい予想が出来るけれども、アレンジしながらというのは、本当にめちゃくちゃ難易度が高すぎますって、ワット店長!


「凄い無茶ぶりだわ、ワット店長……」


 けれども、ワット店長の期待には応えたい。

 妾はそう思って、対決に望むのでした。

攻めなきゃ、勝てない!!

だからといって、大会中に

新作レシピの改良をして出す?

しかも、食べた事のない料理を?


スパルタですねぇ(*^-^*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓途中でも『ご感想』『こうなったら面白そう』『こんなキャラどう?』という発想、また『フォロー&☆評価』お待ちしております!

カクヨム版(最新話更新中)!! 是非、ご覧ください!!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ