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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第427話 VIPルームで想い馳せる私だよ配信

 VIPルームにて、私は運ばれた料理を食べていた。



「この【ミートローフの生クリームたっぷりピーチ添え】、たっぷりピーチも良いけれども、辛味の強いネオ大根のおろしとか付けても良いアルね」

「それだと、ただの大根おろしで美味しく頂くステーキじゃない?」


「マスター・ススリア、この【ビーストミート・サルシッチャのストゥファート】は美味しいですか? それとも、美味しくないですか?」

「美味しいかどうかで言えば、もちろん美味しいけれども、けれども食べづらいよね。ビッグサイトレタスが汁を吸いまくっているから、初めの一番外側の皮を取っておくと良いかも」


「「なるほど、なるほど!!」」



 ……まぁ、どちらかと言うと、手直しという面が強かったけれども。

 指摘したい訳ではないんだけれども、『こうした方がもっと良いモノとなるはずなのに』と思っているモノが、目の前にあるとどうしても手直したい気持ちになるというか。


「しかし、私が言うのもなんだけど、その情報をどう活かすつもり?」


 洋食店タイプのワットちゃんはともかくとして、ラーメン店タイプのジュールちゃんに、【ミートローフの生クリームたっぷりピーチ添え】の改良なんかを伝えたところで、役立たないでしょう。


「代表、何事も後でどういう形で役立つか分かりませんアル。もしかすると、ラーメンにミートローフを使って、甘たるいラーメンを売り出す可能性も……いや、ないアルね」

「自分から否定してるじゃないですか。ジュール」


「まぁ、私もあんな長ったらしい上に、コース料理でしか使えなさそうなので、遠慮、もしくは使いませんが」

「それ、どちらも使わないって意味だぞ、ワット」


 まぁ、要するに、2人とも、勿論私も含めて暇なのだ。

 なにせ、ただ3人だけの空間で、大会を眺めるだけというのは、私達3人には向いていないというか、なんというか。


 せめて、大会前に考えていた、"神具【積み直す砂時計(ビルド・イン・タイム)】のようなモノで、別世界の人間と話して、新たな知見を得る"などという事について、考えてみようかな。うん。




 とりあえず、なにか面白いのがないかなと、前世の知識を探ってみると、面白いモノを見つけた。



 ――――南華老仙。



 中国の戦国時代にて、存在していたかもしれない(・・・・・・)という、仙人である。

 この南華老仙は、小説『三国志演義』に登場する、実在していない人物。漢王朝の腐敗に悩んでいる張角に対し、『太平要術の書』を渡した。仙人は張角に対して、「これを使って世直しをせよ。ただし、悪しきことに使えば天罰が下る」と言って授けて去って行った。

  この妖術を取得したことから張角は太平道を作り、黄巾の乱を起こすことになっている。 張角が病死しようとしているところにも現れ、張角に「悪しきことに使えば天罰が下る」ことを告げ、消えたのである。 この直後に、張角は病死という形にて、小説内で死去するのだが。


 ともかく、この南華老仙は、"腐敗に悩んでいるおっさんに超ヤバイ魔術書を渡す仙人"。

 要は、ただ悩んでいるだけのおっさんに、その悩みを解決するという凄い技術を渡したという仙人なのである。


 私が求めるのも、そういうモノだ。

 私にはない知識を授けてくれる、そういう「そうそう、ここ! こういう情報が欲しかったんだよなぁ~!」という情報を授けてくれる、天の助けとなるような存在なのである。


「(とりあえず、【アルファ・ゴーレムサポートシステム】はあるんだから、検索と索引能力に特化させて、質問したらその質問に対する回答を瞬時に返すというコンセプトはどうだろう?)」


 魔王ユギーが倒される前の、配信前世紀時代の配信には、今の世界にはないような常識が多く眠っている。それに現代だって、今までは出来なかったり、知らなかったりしたようなことが、刻一刻とアップデートされて新しい情報として飛び交っている。

 そういう情報を1つ1つ精査するのは、難しい。配信の中には、愉快犯として、嘘偽りを当然のように話す者がいるのも事実だ。また、本人はそんな嘘だと思って話してなかったとしても、記憶違い、知識間違いなど、結果的に嘘になってしまう可能性もある。


 うちのガンマちゃんは映像編集が得意なだけであって、そういう検索と索引能力が得意という訳ではない。配信に関する事柄だから、一応他のゴーレムよりかは向いているというだけであって、その分野にはまだ成長の余地は、特化させる意思は残っていると思うのだよ。

 それに、神具【積み直す砂時計(ビルド・イン・タイム)】。あれの機能をこっそりと解析して、別世界へと情報を繋げるシステムもなんとか構築したいし。


「ふふっ、やる事いっぱいだな。フルーレティという神様の身体も作らないといけないのに」


 そんな風に考えていましたら、突然、扉が大きな音と共に開けられる。



「大変です! 緊急事態です!」



 え、なに? いきなりこの緑髪女性は、何を言っているの?




(※)南華老仙(なんかろうせん)

 張角に太平要術の巻物3巻を与えた、仙人。これをきっかけとして黄巾の乱は起ったとされている

 三国志を紐解くと、曹操孟徳を悩ませた"左慈元放"。孫策伯符に殺された"于吉"など、仙人とされる人物はいるが、この南華老仙だけは絶対に実在していなかったと言われている

 南華老仙とは、中華思想の一つである老荘思想を起こした人物、"荘子"だと言われているのですが、紀元前時代の人物だから絶対に生きてねぇよ。南華老仙とは荘子の別名、南華真人から来ているとされているが、これは張角の生きてた時代から500年先にそういう名前が授けられるはずなのでありえねぇだろ

 つまり、南華老仙とは、空想上の「そんな人いる訳ないでしょ」という人物なのである

華老仙に関しては、簡単に言うと

「織田信長が生まれる500年ほど前に、

 第六天魔王の信長だぞ!」

といっているようなモノです


時代考証、バグってるでしょう?

そう、思わないですか( ;∀;)

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